インドネシア共和国・バリ島が誇る世界最高峰のライトブレイク、クラマスポイント。2026年3月31日から4月4日にかけて、この地を舞台に「JPSAさわかみS.LEAGUE 25-26 第4戦 ALL JAPAN MURASAKI PRO KERAMAS supported by ST WORLD」が開催された。


今大会は、S.ONEとS.TWOが同時開催されるシーズンの行方を大きく左右する重要な一戦。
特にS.TWOにとってはシーズン最終戦となり、翌シーズンのS.ONE昇格(上位11名)を懸けたサバイバルレースが、この一戦で決着を迎えた。
一方、S.ONEの選手にとっても残留か降格か、さらにはシーズン最終戦「グランドファイナル」への出場枠(男子上位18名、女子上位8名)を争う、まさにプロキャリアの分岐点となる戦いとなった。

男子ショートボード:耐え抜いた5日間、悲願の初V

【Day 1】静かなコンディションの中で開幕。
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大橋海人 ©︎S.LEAGUE

大会初日のクラマスは、胸~肩のコンディションでスタート。
満潮に向かうにつれてサイズダウンする難しい状況の中、R1から出場した大橋海人が久々のS.LEAGUE参戦ながらも豊富な経験を武器に存在感を発揮しラウンドアップを果たした。
さらに、渡邉壱孔がこの日の男子ハイエストとなるトータル13.00ポイントをマーク。次世代の勢いを強く印象づけた。

【Day 2】忍耐のタクティクスとルーキー決定

波はさらにサイズダウンし、腰~腹のコンディションが続いた。
限られたセットをいかに活かすか、選手たちの戦略と忍耐が試される一日となった。
この日、大きな注目を集めたのはルーキーオブザイヤー争い。
平井宏輔と小松凛輝がR3でともに敗退した結果、前日までのポイントランキングにより、平井宏輔が今シーズンのルーキーオブザイヤーが確定した。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
平井宏輔 ©︎S.LEAGUE【Day 3】牙を向くクラマス、シード勢に波乱
S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
大音凜太 ©︎S.LEAGUE

予報通りサイズアップし、肩~頭、セットでは頭オーバーとクラマス本来の姿を取り戻した。


その中で、大音凜太が圧巻のカーヴィングを連発し、15.05ポイントのデイハイエストを記録。
しかし午後に入ると風の影響を受け、コンディションが一変。前回覇者の稲葉玲王をはじめ、加藤翔平、田中英義ら実力者が次々と姿を消し、シード勢が苦戦を強いられる波乱の一日となった。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
田中英義 ©︎S.LEAGUE【Day 4】クラマスらしいチューブ出現、精鋭4名がファイナルデイへ
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森友二 ©︎S.LEAGUE

さらに波のサイズは上がり、朝の時間帯にはクラマスらしいチューブも姿を見せた。
R6では波の見極めが勝敗を分ける中、岩見天獅が持ち味であるスピード感のあるフィンアウトを織り交ぜたダイナミックなアプローチで、圧倒的なパフォーマンスを披露。
また、惜しくも敗退となった加藤賢三はプロキャリア自己最高となる5位タイでフィニッシュし、S.ONE昇格を決めた。
ファイナルデイへの切符を手にしたのは、岩見天獅、森友二、西優司、渡邉壱孔の4名となった。

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川俣海徳 ©︎S.LEAGUE
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加藤賢三 ©︎S.LEAGUE【Day 5】岩見天獅、逆転劇の先に掴んだ初優勝
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岩見天獅 ©︎S.LEAGUE

準決勝ヒート1は、岩見天獅と森友二の対戦。
森は持ち味であるスタイリッシュなバリエーション豊かなライディングを披露。
一方の岩見は、ダイナミックでキレのあるライディングでスコアを重ね、ファイナル進出を果たした。
ヒート2は、西優司と渡邉壱孔。
西がヒート序盤から主導権を握る展開となる。

渡邉も攻めの姿勢を見せたがスコアを伸ばしきれず、コンディションの変化も影響し終始リードを保った西がファイナルへ駒を進めた。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
岩見天獅 ©︎S.LEAGUE

男子決勝は、岩見天獅と西優司の戦い。
西が序盤に8.50ポイントをマークし主導権を握るが岩見は後半にギアを上げ、アンダープライオリティーの中で7.50ポイントと8.00ポイントを立て続けにスコア。
見事な逆転劇を演じ、岩見天獅が悲願のプロ初優勝を成し遂げた。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
西優司 ©︎S.LEAGUE

女子ショートボード:揺るがぬ強さで掴んだ頂点

【Day 1】ハイスコアで幕を開けた女子ラウンド
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松田詩野 ©︎S.LEAGUE

女子R1から登場したパリオリンピック日本代表・松田詩野が、9.00ポイントを含むトータル16.00ポイントという驚異的なスコアをマーク。圧倒的な存在感で大会の幕開けを飾った。
また、R2ヒート3に出場した窪田怜も、良い波を的確にキャッチし安定した試合運びでラウンドアップを果たした。

【Day 2】若手の躍進と昇格決定

サイズダウンした大会2日目。
松田詩野は初日に続き、安定したヒート運びでラウンドアップを果たした。
その一方で、S.TWOからの昇格を狙う石田海夏や馬場心が安定した試合運びで勝ち上がり、大会3日目進出を決めた。この結果、来季S.ONEへの昇格もこの時点で確定した。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
石井有沙 ©︎S.LEAGUE【Day 3】ハイレベルな戦い、絞られていく優勝争い
S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
佐藤李 ©︎S.LEAGUE

肩~頭とサイズが上がる中で争われた女子R5。
ここからはS.ONEの選手も加わり、よりハイレベルな戦いが展開された。


R5から出場の中塩佳那、川瀬心那がトータル15点台のハイスコアをマークし、優勝争いは徐々に絞り込まれていく。
また、R1から出場している松田詩野やR2から出場の馬場心もシード選手を破り、勝ち上がりを見せた。
そして、このラウンドで石田海夏が敗退したことにより、馬場心のルーキーオブザイヤーが確定した。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
松野杏莉 ©︎S.LEAGUE
S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
馬場心 ©︎S.LEAGUE【Day 4】いよいよ4強へ、決戦前の攻防
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中塩佳那 ©︎S.LEAGUE

ファイナルデイに進出を決めたのは、中塩佳那、宮坂麻衣子、松田詩野、佐藤李の4名。
中塩はどのコンディションでも安定してスコアをまとめる強さを見せた。また、松田は今大会6ヒート連続でトータルスコアを二桁に乗せ、すべて1位通過という安定感を発揮。ディフェンディングチャンピオンの宮坂も昨年同様に、得意のバックハンドで存在感を示した。さらに、レールワークの巧さが際立つ佐藤も勝ち上がり、4強の一角に名を連ねた。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
川瀬心那 ©︎S.LEAGUE【Day 5】女王・中塩佳那、圧倒的な強さで掴んだ頂点
S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
中塩佳那 ©︎S.LEAGUE

女子準決勝ヒート1は、中塩佳那と佐藤李の対戦。
波が止まり、前半は両者ともに待ちの時間が続く。
前半折り返し直前に入ったセットを中塩が捉え、ここから試合が動き出した。コンスタントにスコアを重ねる中塩を追う展開となった佐藤。

しかし、思うように波を掴めない。
カウントダウン間際、佐藤は形の良いコンパクトな波を捉えるも、わずかにスコアは届かず。中塩がファイナル進出を決めた。

ヒート2は、宮坂麻衣子と松田詩野のバックハンド対決。
ヒート1とは打って変わり、波数のあるコンディションとなった。
序盤は松田がリードする展開となる。しかし、セットにアプローチした宮坂がクリティカルセクションで縦へのアプローチを連発し、今大会のシングルハイエストとなる9.90ポイントをマーク。松田に求められるスコアは8.40ポイントとなるが、後半に8.50ポイントをマークし逆転に成功。
そのまま試合終了のホーンが鳴り、激戦を制した松田がファイナル進出を果たした。

決勝は、中塩佳那と松田詩野の対戦。
序盤から中塩が着実にスコアを重ね、7.25ポイント、7.15ポイントをまとめて主導権を握る。
そのまま試合をコントロールし、完勝を収めた。

この勝利により中塩は今シーズンS.LEAGUE初優勝を飾るとともに、グランドチャンピオンも確定。
女王としての強さを改めて証明する結果となった。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
中塩佳那 ©︎S.LEAGUE
S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
松田詩野 ©︎S.LEAGUE

マスターズ舟橋大吾、魂の逆転劇で初優勝

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
舟橋大吾 ©︎S.LEAGUE

大会最終日、MASTER’S 第3戦TRUST KERAMAS MASTERSの決勝が行われた。
ファイナリストは、牛越峰統、山田桂司、舟橋大吾、東川泰明の4名。
序盤は東川が鋭いカーヴィングで口火を切り、牛越がパワフルなリッピングで応戦。さらにランキング首位の山田が流れのあるライディングでリードを奪う展開となった。
一方、序盤は思うようにスコアを伸ばせなかった舟橋大吾。しかし終盤、ドラマが待っていた。陸でコーチを務める浦山哲也の「手前で待て」という指示を忠実に実行し、形の良いセットを捉える。スピードに乗ったリエントリーを連発し、7.50ポイント、6.70ポイントを立て続けにスコアし、一気に逆転に成功した。
バリまで駆けつけた仲間の声援に応え、嬉しいマスターズ初優勝を飾った。
この優勝により、グランドファイナルでのグランドチャンピオン獲得の可能性を残した。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
舟橋大吾 ©︎S.LEAGUE

ケトゥ・アグス、圧倒的パワーで優勝

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
ケトゥ・アグス(INA) ©︎S.LEAGUE

秀吉内装プレゼンツ BALI JAPAN Friendship Matchでは、西優司、田中英義、インドネシアのケトゥ・アグス、そして若手のマデ・パジャール・アリアナの4名が出場。
田中は1本目で6.65ポイントをマークした後、波を待つ展開に。


西はファイナルデイ3試合目となる中でも疲れを見せず、積極的なライディングを見せるがスコアを伸ばしきれない。
パジャールも思うようにスコアを伸ばせず、苦しい展開が続く。
そんな中、ケトゥ・アグスが存在感を発揮。World Surf League Challenger Series出場経験を持ち、さらに来シーズンの出場権も獲得している実力者らしく、波を切り裂くようなパワフルなライディングで会場を沸かせ、見事優勝を果たした。

S.LEAGUE第4戦クラマス、それぞれが掴んだ頂点と次なる戦い
ケトゥ・アグス(INA) ©︎S.LEAGUE

昇格組が確定、次なる舞台は一宮でのグランドファイナル

今大会の結果を受け、S.TWOからの昇格組が確定した。

男子は岡野漣、加藤賢三、岩見天獅、松永大輝、田中健跳、佐藤利希、渡邉壱孔、鈴木耀竣、堀越類、平井宏輔、小松凛輝の11名。
女子は馬場心、石田海夏、松野杏莉、窪田怜、畑ハイネの5名が、来季S.ONEへの切符を手にした。
25-26シーズンのすべてが決着する最終戦「GRAND FINALS(グランドファイナル)」は、4月21日から25日まで、一宮町(千葉県)で開催される。
シーズンの頂点を決める戦いが、いよいよ始まる。

ALL JAPAN MURASAKI PRO KERAMAS supported by ST WORLD 結果

《男子》
優勝:岩見天獅
2位:西優司
3位:森友二、渡邉壱孔

《女子》
優勝:中塩佳那
2位:松田詩野
3位:佐藤李、宮坂麻衣子

TRUST KERAMAS MASTERS 結果

優勝:舟橋大吾
2位:山田桂司
3位:東川泰明
4位:牛越峰統

秀吉内装プレゼンツ BALI JAPAN Friendship Match 結果

優勝:Ketut Agus
2位:Made Pajar Ariyana
3位:西優司
4位:田中英義

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