レビュー

三木谷浩史。1997年に楽天市場を創業、Eコマースをはじめ、トラベル、医療、金融など国内外で幅広い事業を展開する起業家として知られる。

楽天グループを国内最大規模のコングロマリットへと導いた人物だ。
楽天は「東北楽天ゴールデンイーグルス」や「ヴィッセル神戸」のオーナー企業としてもなじみ深く、スポーツビジネスにも力を入れている。最近では日本の通信業界に風穴を開けるべくモバイル事業に注力し、「利用料0円」という思い切った料金プランを打ち出したのも記憶に新しい。さらに、三木谷氏本人は政府に対してさまざまな政策提言も行っており、シリコンバレーの起業家とも親交がある。
本書はそんな三木谷氏の週刊文春での連載コラムを書籍化したものだ。楽天グループの事業内容のごとく、日本の政治や英語教育、人口減少に対する解決策、楽天の通信事業の進むべき方向性など幅広いテーマが語られる。

イーロン・マスクとのカラオケ秘話や歴代首相への直談判、FCバルセロナとのスポンサー契約の背景など、一線で活躍する起業家だからこその生々しいエピソードも豊富だ。三木谷氏が描く日本、世界の未来の一端に触れることができ、きっとビジネスにおける示唆やヒントも得られるはずだ。

本書の要点

・日本が成長していくためには優秀な人材を国内外から集め、同時に規制緩和をしてイノベーションが起きやすい環境を整えなくてはならない。
・イノベーションを起こすためには「素人目線を持つ」ことが大切である。できない理由を無視し、物事の本質だけを見るシンプルな考え方こそが未来を創る。
・日本は技術者不足が深刻で、移民受け入れは不可避の状況である。

移民は豊かな多様性を生み、それ自体がイノベーションを推進する原動力になり得る。



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