レビュー

夜、早めに眠り始めても、夜中に何度も目が覚めたり、目覚めるとなかなか寝つけなくなったりする経験をしたことがある人は多いのではないだろうか。近年は、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの普及により、睡眠時間や睡眠の質を手軽に計測できるようになった。

だが、思っていたより睡眠時間が短かったり、スコアが低かったりすることがわかった結果、「十分に眠れていないのではないか」と不安に感じることもあるだろう。
若い頃は多少の夜ふかしをしても平気だったのに、大人になると、よく眠れなかった翌日がつらく感じられる。仕事や生活の質、健康への影響を考え、睡眠を改善したいと思う人は多い。しかし、睡眠に関する情報はあまりに多く、どの方法が本当に効果的なのか判断するのは難しい。8時間以上の睡眠が理想とされていても、現実にはそれだけの時間を確保するのが難しい人も少なくないだろう。
本書では、睡眠科学者であり、不眠症や睡眠問題を専門とする著者メライン・ファンデラール氏が、睡眠に関する知見を科学的エビデンスに基づいて解説している。研究によれば、先史時代の人類は平均して8時間より短い睡眠をとり、夜中に何度も目覚めることも珍しくなかったという。いわゆる「8時間睡眠が必要」という考え方には強い科学的根拠があるわけではなく、無理に長く眠ろうとすることがかえって睡眠への不安を強める場合もあると指摘している。
こうした知識をもつだけでも、夜中の覚醒を過度に心配せず、自然なものとして受け入れやすくなるだろう。睡眠に不安を抱えている人に、まず手に取ってほしい一冊である。

本書の要点

・原始人類の睡眠は断片的で、睡眠時間も8時間よりずっと短かったと考えられている。現代人も、夜中に目覚めてしまい、8時間連続して眠り続けられないほうがむしろ自然である。

「8時間連続して眠らなければならない」という思い込みが、夜中の覚醒への不安を生み、不眠の原因になっている可能性がある。
・光は、睡眠の質や体内時計の働きに大きく影響する重要な要因である。睡眠の質を保つためには、日中はできるだけ明るい光を浴び、夕方以降は照明を落として過ごすことが望ましい。



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