レビュー

「できない自分」をどう受け入れるべきか、多くの人が答えを持たないまま、もがきながら生きている。本書は、その問いに対して現実的かつ力強い答えを提示する一冊だ。


著者の似鳥昭雄氏は、ニトリを創業し、国内外で1000店舗以上を展開する企業へと成長させた経営者である。そんな似鳥氏は74歳のとき、医師から「似鳥さんは発達障害です。正真正銘、ADHDです」と告げられたという。その言葉により、納得すると同時に、どこか安堵する感覚もあったそうだ。
というのも、本書によれば、似鳥氏は子どもの頃から周囲との違いを感じていたからである。自分の名前を漢字で書けるようになったのは小学校6年生の頃で、教科書どころか鞄ごと学校に置き忘れて帰宅することもあった。さらに、営業職のサラリーマン時代には、人と話すのが苦手なあまり契約を1件も取れず、解雇された経験もある。その歩みは決して平坦なものではなかった。
本書では、自身の発達特性を前提に、「苦手なことは人に任せる」「できることに集中する」という戦略が一貫して語られる。この考え方は個人の生き方にとどまらず、組織運営にも応用できるものである。実際、ニトリでは積極的に配置転換を行い、従業員の強みを引き出しているという。
努力しても結果が出ないと感じている人に、ぜひ本書を一読してほしい。
読み終えたとき、自分の戦い方を見直すヒントが得られ、無理のない形で成果を出すための視点が手に入るはずである。

本書の要点

・人には誰しも長所と短所があるが、「短所を無理に克服しようとすること」よりも「自分の強みを見極め、それを徹底的に伸ばすこと」のほうが重要だ。
・現在はニトリの代表として成功を収めている著者だが、社会人としての出発点は順風満帆ではなかった。最初に就職した会社では成果を出せず解雇され、その後も転職を繰り返し、どの職場でも壁に直面し続けていた。
・経営者があまりにも優秀で、すべてを自分一人でこなしてしまうと、組織の成長はトップの能力に縛られてしまう。積極的にメンバーに仕事を任せることで、結果として組織全体の力が高まっていく。



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