KAT-TUN亀梨和也(37)の演技が思わぬ形で評価されている。2022年にWOWOWで放送され、亀梨が死刑判決を受けた脱獄犯役で主演を務めた連続ドラマW「正体」が、Netflixでの配信2週目の集計(4月1日~4月7日)で第1位に躍り出たのだ。


 亀梨は現在放送中の石原さとみ(37)の主演ドラマ「Destiny」(テレビ朝日系)でメインキャストを務めている。同ドラマはテレビ朝日のゴールデン・プライム帯の番組で見逃し配信再生数が最速で200万回を突破しただけでなく、Netflixでも15日正午時点の「今日のシリーズTOP10」日本1位にランクイン。台湾、香港、韓国、シンガポールでもトップ10入りするなど、アジア圏でも人気を博している。


 亀梨といえば、前期放送のドラマ「大奥」(フジテレビ系)で将軍・徳川家治を演じたが、時代劇にそぐわない体型や顔立ちだけでなく、冷たい声色を表現するために低い声でボソボソと話す場面を理由に、「大奥」での演技を評価する声は多くはなかった。


「亀梨さんはどこか闇を抱え、歪んだ部分がある役やサイコパス役には元々定評がある。そういう役にハマった時に出る独特の色気は、俳優としての武器だし、旧ジャニーズの中では、サイコパスを演じられる稀有な存在と言っていいでしょう。

『大奥』でも感情の起伏を表に出さない役だからこそ、目の細やかな芝居などをしていた印象でしたが、やはり松平定信を演じたSnowMan・宮舘涼太さんの、時代劇に適した所作と演技や発声の仕方や、感情を爆発させるシーンの迫力の影に隠れてしまったようです」(ドラマ制作会社関係者)


■滝沢秀明氏に「自分が大好きすぎるナルシストな男」認定されたことも


 だが今回、Netflixで日本1位にランクインしたことをきっかけに「正体」を視聴した人たちからは、《亀梨くんがこんなにいい芝居する役者だったって知らなかった》《亀梨くんの表情が素晴らしすぎて一緒に泣いた…あんなに演技上手なの知らなかった》などと、亀梨の俳優としてのポテンシャルを初めて知ったという人も多かったようだ。


「亀梨さんは、2017年6月15日放送のTBS系『櫻井・有吉THE夜会』で滝沢秀明さんに、『自分が大好きすぎるナルシストな男』として選ばれました。そんな自分を美しく見せたいという亀梨さんのナルシシズムやこだわりが、サイコパスっぽさを感じさせる猟奇的な美しさという、一朝一夕には表現できない佇まいになっているのだと思います」(芸能ライター)


 亀梨は昨年12月に公開された映画「怪物の木こり」でも、目的のためには手段を選ばず、殺人すら厭わない最狂サイコパスの弁護士を演じた。この抜擢の理由について三池崇史監督は、「誰がどう見てもちょっとサイコパスっぽいですよね。それくらい、ふっと立っているだけでも美しい。ナルシスティックな面もあって、そういったところもぴったりだった」と述べていた。


「元V6の森田剛さんがまだアイドルだった頃に無差別殺人犯を演じた映画『ヒメアノ~ル』や、連続殺人を請け負う役を演じたドラマ『インフォーマー』など、旧ジャニーズの中で唯一アウトロー役を演じ、独自のポジションを築いていたケースのように、亀梨さんも旧ジャニーズ勢の中ではまだ未開拓に近いサイコパス役を確立していくことで、俳優としてもより飛躍していけると思います」(同)


 亀梨のアイドルとしての美学が、良質なサイコパス役を演じる上で、思わぬスパイスとなっているようだ。