また裏金自民に鉄槌(てっつい)か。


 静岡県の川勝平太知事の辞職に伴う知事選が9日告示され、26日の投開票に向け選挙戦がスタート。

構図は、自民党推薦の大村慎一元副知事と立憲民主、国民民主両党が推薦する鈴木康友前浜松市長ら6人による争いだ。先月の衆院3補欠選挙で全敗した岸田自民が「4敗目」を喫するか否かに焦点が当たっている。


「裏金事件の逆風で、基本的には大村さんの苦戦が予想されています。ただ、自民が4月中旬から5月上旬にかけて3回実施したとされる情勢調査では、トップに立つ鈴木さんを大村さんが追い上げている。当初、大村さんは十数ポイントも離されていたが、最新調査では約7ポイント差にまで詰め寄っています」(官邸事情通)


 裏金自民が支持を伸ばすとは、一体、どういうことなのか。


「大村さんは元総務官僚ということもあり、県内の複数自治体の首長が支援に回っている。

地方自治を所管する総務省とのパイプに期待しての動きです。一方、鈴木陣営は一枚岩になり切れていない。2019年の参院選の際、静岡県選挙区では立憲と国民民主がそれぞれ候補を立て、野党が分裂。結果、立憲の候補は落選し、国民民主が当選した。その遺恨が今も残っているようです」(県政関係者)


 ゴタゴタ野党に、自民はイケイケかと思いきや、全くそんなことはない。静岡県を地盤とする自民の「不祥事オジサン」たちが大村陣営の足を引っ張っている。


■裏金、パパ活に「マイクオフ」


 筆頭は、組織的に裏金をつくっていた安倍派の座長だった塩谷立元文科相。「パパ活不倫」発覚で議員辞職した宮沢博行前防衛副大臣に、未成年女性との「飲酒パパ活」疑惑が報じられて離党した吉川赳衆院議員もいる。


 いま最も“ホット”な遠く東京・六本木在住の伊藤信太郎環境相(宮城4区)を忘れてはいけない。水俣病患者・被害者の団体との懇談で、環境省職員が被害者側の発言中にマイクをオフにした問題で謝罪し、炎上中。4人のオジサンに大村陣営は頭を悩ませているようだ。


「大村さんは『オール静岡』を前面に打ち出し、自民党色を薄めるのに躍起です。

なのに、岸田総理は自民議員を続々と応援入りさせるつもり。そんなことになれば、県民はあらゆる不祥事を思い起こしてしまう。逆効果です」(県政関係者)


 不祥事連発の自民との相乗りを避けたのか、今回、公明党は自主投票を決めた。「4連敗」の可能性が高まってきた。