石破首相に退陣を迫り、「高市早苗首相」の爆誕を切望する連中が猛チャージをかけている。26日発売の保守系月刊誌「WiLL」に反石破派が揃い踏みし、「石破おろし」に血道を上げる理由をおのおの開陳したのだが、ロジックはめちゃくちゃ。
誌面に登場したのは、7月の参院選で辛うじて4選した西田昌司参院議員、4選を逃した佐藤正久前参院議員、鞍替えに失敗した杉田水脈元衆院議員や長尾敬元衆院議員。旧茂木派の佐藤を除けば、みな旧安倍派だ。
裏金411万円をつくった上、「ひめゆりの塔」をめぐる暴言などで落選しかけた西田氏は「自民再生のためにフルスペック総裁選をやれ」と主張。衆参両院で与党が過半数割れに追い込まれた原因は裏金事件ではなく、石破が〈還付金復活の真相究明をせずに〉解散総選挙を打ったからだと非難。非公認候補者が支部長の支部への2000万円支給もヤリ玉に挙げ、〈二重三重に不可解な対応を行った〉〈石破総理は、この問題を全く理解していなかったのです〉とエラソーに断じたからア然である。
裏金1564万円の杉田氏は落選した恨みつらみを並べ立て、昨秋の総裁選にイチャモン。〈党員票は高市氏の方がとったのに、最後の決選投票で国会議員票によりひっくり返したという不信感があります〉などと岩盤保守層の支持離れをこじつけた。それを言ったら、2012年の総裁選で返り咲いた安倍元首相の正統性はどうなるのか。
岸田前首相を「DS側と結びついている」と強調
圧巻なのは4年近く浪人中の長尾氏だ。日中国交正常化を実現した田中角栄元首相を師事する石破首相を「親中派」「無敵の人」と揶揄し、DSと結びつく岸田前首相と連携して旧安倍派を潰しにかかっていると強調。
「彼らは保守派というより極右ですから、マトモな主張を期待する方が酷です。自民党退潮の最大要因は、アベノミクスによる経済衰退や格差と貧困の拡大。大企業や富裕層だけを潤し、国民生活に目を向ける政策に転換しない限り、自民党が浮揚することはない」
ちなみに、参政党の梅村みずほ参院議員も「高市政権なら協力します!」と参戦。こうした面々に推される高市氏は同誌の連載で「自民党は保守回帰する!」と宣言したものの、追い風になるのかどうか。
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