米国とイスラエルが仕掛けた対イラン軍事作戦の停戦期限から2週間あまり。戦闘終結に向けた合意をめぐり、トランプ大統領は「イランの方が私よりも合意を望んでいる」と連日わめいているが、負け犬の遠吠え状態だ。
8日はギョッとする動きがあった。
米国とイランが封鎖し合う原油輸送の要衝ホルムズ海峡で、両軍が数時間にわたって攻撃の応酬。トランプ大統領は記者団に「軽々しく扱われたので、吹き飛ばしてやった」と軽口を叩いていたが、停戦は続いているとの姿勢は崩さなかった。交戦再開を避けたい本音が透けて見える。停戦が危ぶまれるたびに国際指標のWTI原油先物が急騰するからだ。1バレル=100ドルを挟んだ高値圏から抜け出せない。
全米自動車協会(AAA)によると、レギュラーガソリンの全米平均価格は6日に1ガロン(約3.8リットル)=4.53ドル(約710円)に達し、節目を突破。5ドルの大台が近づいている。
「米国は5月25日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)が夏の始まり。アウトドアが盛んになり、自動車で遠出する機会が増える。ガソリン高騰への不満爆発は必至です。バイデン政権下の2022年6月に記録した過去最高値の1ガロン=5.01ドルは目前。もっとも、4年前はロシアによるウクライナ侵攻の影響だった。バイデン前大統領を無能扱いするトランプ氏が新記録を打ち立てるなんて冗談にもならない」(市場関係者)
■「NACHO」とも揶揄される
米紙ワシントン・ポスト電子版(7日配信)によると、米軍によるイラン港湾封鎖についてCIA(米中央情報局)はイランが少なくとも3~4カ月は耐久できると分析。トランプ大統領は「海軍力を完全に破壊した」「イラン経済は破綻している」などとまくし立ててきたが、情報機関の現状評価は全く異なることがうかがえる。米当局者の話として、イランが戦闘開始前に保有していた移動式発射台の約75%、備蓄していたミサイルの約70%を維持しているとも伝えた。
結局、トランプ大統領側は核開発計画の無期限停止要求を棚上げし、戦闘再開防止とホルムズ海峡正常化を主眼にした覚書の合意を着地点にしているという。「NACHO」(Not A Chance Hormuz Opens=ホルムズ海峡が開かれる見込みはない)とも揶揄されるトランプ。TACOで汚名返上なるか──。
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