「きょうの時点で補正予算案の編成がすぐさま必要な状況とは考えていない」──。米国とイスラエルが引き起こした中東情勢の混乱が長引く中、高市首相は4日、訪問先のオーストラリアで補正編成の必要性を改めて否定した。

「今は必要ない」との留保付きだが、編成に追い込まれるのも時間の問題だ。


 市場調査会社インテージによれば、今年のゴールデンウイーク(GW)は「予定なし」が前年比4.7ポイント増の41.2%に上り、円安・物価高を背景に予算が前年比5%減少。余暇の過ごし方の変化ひとつとっても、国民生活は貧しくなっているのに、なぜ高市首相はかたくなに補正編成を拒むのか。


「政治的メンツでしょう。今年度予算が1カ月前に成立したばかり、かつ、野党から補正編成を要求されているタイミングで『組みます』とは言いにくい。加えて、高市さん自身が掲げる『予算編成の抜本改革』が足かせになっている。『補正ありきではなく、必要なものは当初予算に積む』と繰り返している以上、補正は組みづらい。ゆえに今年度予算に積んだ予備費1兆円を根拠に『今は必要はない』と言っているわけですが、政府はガソリンに加えて7~9月の電気・ガス代の補助再開も検討している。補正編成は避けられないでしょう」(永田町関係者)


■円安基調を止めるために利上げが先決


 野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏の試算によれば、ガソリン補助金が最新の1リットルあたり39.7円で続く「標準シナリオ」の場合、すでに積んである財源は6月25日に枯渇する見通し。新たなガソリン補助の財源が必要になるうえ、電気・ガス代補助の予算規模は最大5000億円に上る可能性があり、早くも1兆円の予備費はカツカツだ。


 さらに食料品の値上げラッシュも押し寄せる。帝国データバンクは先月30日公表の「『食品主要195社』価格改定動向調査」で、〈飲食料品では早ければ今夏中、遅くとも秋ごろにかけて広範囲な値上げラッシュ再燃の可能性が高い〉と指摘した。


 予備費の枯渇に、値上げラッシュの再来──。補正編成は待ったなしだ。


「ただ、財政支援の拡大は、さらなる円安・物価高につながり、金利上昇を招きかねない。税収はインフレ増税で潤うでしょうが、庶民生活は苦しくなる。まずは円安基調を止めるために利上げが先決です。バラマキや為替介入は一時しのぎにしかなりません」(経済評論家・斎藤満氏)


 補助金政策の一本足では、いくらカネがあっても足りない。高市政権の失政に血税が垂れ流されていく。


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