「大阪都構想」を前面に打ち出したが、結果は辛勝だった。


 大阪市議の補欠選挙(西区、欠員1)が17日に投開票され、「大阪維新の会」新人(46)が、自民元職(50)をわずか163票差で下した。


 維新は選挙で3度目の住民投票実施を目指す「都構想」を主な争点として掲げ、都構想反対を訴える自民と、国政与党同士での事実上の一騎打ちだった。


 選挙結果を受け、維新代表の吉村洋文府知事は、「都構想に改めて挑戦したい。そのうえで私自身も最前線で訴えていく」と話し、来春の府知事選に立候補する考えを示した。


 ただ、都構想推進への民意を得たと判断できるかは疑わしい。そもそも、補選のあった西区(定員3)は、維新が盤石とされる選挙区だ。2023年の前回選では、維新の得票率は66.7%にも上り、公認候補2人がラクラク上位当選だった。しかし今回は、自民候補の猛烈な追い上げもあり、得票率は43.0%まで激減したのだ。


「選挙結果からは、維新の苦戦が見て取れます。都構想を争点に掲げた割には投票率が24.10%と低く、有権者が幅広く関心を持っているとも言い難い。維新市議団は早期の住民投票実施に否定的ですが、それは彼らが地元活動を通じて『まったく機運が高まっていない』と感じているから。その実感は、間違っていないのでしょう」(大阪府政関係者)



すでに日程がギリギリ

 その維新市議団は18日、都構想の具体的な制度案を取りまとめる法定協議会(法定協)の設置に賛同する意向を明らかにした。市議団の求めに応じて吉村氏が府知事選の出馬を決めたことで、これまでの慎重な姿勢を転換させた。

しかし、想定する来春の住民投票実施への道のりはまだ険しい。


「市議団は、いったんは吉村さんに歩み寄る姿勢を見せたとはいえ、大阪府知事・市長出直しダブル選の強行など強引な手法への不信感は残っています。住民投票の対象を府民に拡大するかなど決着のついていない問題もあり、今後の法定協の議論で双方が折り合えるかは不透明です。それに、都構想の議論は吉村さんの想定よりも遅れており、法定協は本来ならとっくに設置されているはず。すでに日程はギリギリで、市議団が納得する丁寧な話し合いができるかは見通せません」(府政担当記者)


 吉村氏の思惑通りになるのかどうか。


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 維新の苦戦は、これまでの行き過ぎた言動に問題があるのでは…。【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。


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