【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#293
加藤シゲアキさん
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嵐のラストコンサート後の二宮君らがジャニーズに言及していたのを聞いて、私もNEWSの加藤シゲアキ君と10年以上前に仕事をしていたのを思い出しました。
NHKラジオの加藤君とガレッジセールのゴリ君の番組で、加藤君が書いた漫才を2人が公開放送で披露する、という企画で、漫才の作り方指導でお声がかかり、番組に出演させていただきました。
「ジャニーズやNEWSのことに触れずにネタを書きたいんですけど、どうでしょうか?」と聞くので、私は「触れた方が絶対にトク! 加藤君のファンが集まるところで、まったく触れないのはファンの期待を裏切ることになるかもしれないし、何よりそんな鉄板のつかみを使わないのはもったいないよ」と最初から希望を打ち砕いてしまいました。
それでも番組終了後には「共通認識がある方が笑いを取りやすいということですね」と意図をしっかり理解してくれて納得してくれました。話をしていても浮ついたところがなく“一を聞いたら十を知る”ようなクレバーさとまっすぐ見つめるまなざしが強く印象に残っています。
漫才指導の回から2、3週間後だったでしょうか、劇場で漫才を披露する日のこと。加藤君は硬い表情で「いつもの舞台と違って緊張しますね」とゴリ君と入念なネタ合わせをしていました。「間違えてもゴリ君が全部フォローしてくれるし、ファンはその方が喜ぶと思うから、気にせず思いっきりしゃべってきて!」と舞台へ送り出しました。
ネタの内容までは覚えていませんが熱烈な歓声と大きな笑い声が今でも耳に残っています。本番が終わり、私も打ち上げに参加させていただき、加藤君の隣で2時間近く話をしました。彼は終始敬語でしっかり先輩を立ててくれて感心しました。
当時の加藤君は20代の半ば。将来について聞くと「まず小説をしっかり書きたいです。それからできる可能性のあることにはどんどん挑戦してみたいですね」「可能性だらけやから、失敗も経験。
旺盛な好奇心と真剣に取り組む姿勢……そして、とにかく好青年。各種の文学賞も受賞し、直木賞候補にも2度も挙がっている文才だけでなく、思考が柔軟で、とにかくのみ込みが早い。だからあれだけの歌の振り付けもしっかりこなせるんだろうし、あいさつや言葉遣いにも抜かりがない。
私は加藤君を通して、これがジャニーズのカラーなんだろうなと当時は感心しました。まだ若い加藤君に贈ります。「君の人生は主人公は君自身です! どんなときも感謝を忘れず! 一生懸命頑張ってください!」。これからの活躍にますます期待しています。
(本多正識/漫才作家)

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