フィリピン・パンパンガ州アンヘレス市バリバゴ地区で発生した建設中の9階建てコンドミニアム・ホテル(アパルテル)の崩落事故は、6月2日で発生から9日目を迎えた。主要メディアの最新報道によれば、同日早朝までに新たに遺体が収容され、公式の死者数は17人に増加した。
生命探知機による反応が完全に途絶えたことから、当局は救出活動を打ち切り、遺体収容へと方針を転換した。悲劇の全容が明らかになる中、違法建築に対する警察の捜査が本格化している。

その他の写真:フィリピン・パンパンガ イメージ

 GMAニュースによると、中央ルソン地方消防局(BFP Region 3)は2日早朝、死者数が前日夜の12人から一気に17人へ増えたと発表した。残る行方不明者は3人とみられ、垂直に潰れて重なり合ったコンクリート床の下で、手作業と重機を併用した困難な撤去作業が続いている。

 一方、ABS-CBNニュースは、事故発生以来公に姿を見せていなかった建物のオーナー、アーネスト・ジャクソン・リム氏と施工業者が、知人を通じてアンヘレス市のカルメロ・ラザティン2世市長に連絡を取り、捜査に協力する意向を示したと報じた。また同局は、現場周辺に駐車していた車両のドライブレコーダー映像を入手。突然の轟音とともに巨大建造物が崩れ落ちる瞬間を公開し、無届けで進められていた10階部分(屋上プール)の違法増築が崩落の原因となった可能性を強く示唆している。

 有力紙インクワイアラーは、新たに身元が確認された犠牲者の中に、エルサ・アンカオさん(50)とジョーイ・アンカオさん(48)の夫婦が含まれていると報じた。生命探知機やサーマルスキャナーの反応が途絶えたことを受け、現場には重苦しい空気が漂い、地方行政の許可プロセスの不透明さに対する市民の怒りが高まっているという。

 フィリピン・スターなど各紙も、労働雇用省(DOLE)による安全基準無視の実態調査や、警察当局による業務上過失致死傷および建築基準法違反での刑事追及が始まったと伝えている。外国人観光客も巻き込んだ未曾有の人災は、建設ラッシュの陰に潜む腐敗体質と安全軽視の代償を冷酷に浮き彫りにしている。
【編集:Eula】
編集部おすすめ