日本アンチ・ドーピング機構は2日、競泳男子の光永翔音(中大)を昨年11月5日から4か月間、資格停止処分としたと発表した。昨年9月に行われた日本学生選手権のドーピング検査で禁止物質である「ツロブテロール」が検出された。

同大会開幕2日前に咳嫩(がいそう)の症状を抑えるためにツロブテロールテープ(気管支拡張薬)を治療目的で医師から処方されており、この薬が原因と見られている。同大会では100メートルバタフライで優勝などの結果を残しているが、成績は全て剥奪されている。

 光永は今年3月の日本選手権で50メートルと100メートルバタフライで優勝。9月の愛知・名古屋アジア大会の代表入りを果たしている。日本選手権は資格停止期間にエントリー。資格停止期間のため日本水連は一度、出場申請を棄却した。だが、「選手たちの将来をサポートしたい。(大会開始日には資格停止の)期間が終わって許される立場なのであれば、チャンスを摘みたくはない」(村松さやか常務理事)と3月4日の常務理事会で、資格停止処分を科された選手でも、競技会前日までに資格停止期間が終了すればエントリーを仮申請できるという内規が制定されていた。

 所属する中大は「光永選手は、当時、数か月にわたり咳の発作に悩まされており、複数の医師を受診しておりましたが、あまり症状の改善がみられませんでした。そのような中で、本学水泳部のコーチに相談したところ、ドーピング検査の対象となるオリンピック競技大会のメダリストをはじめ、本学の有力選手の診療経験のある医師の推薦を受け、当該医師の診察を受けました。光永選手は、受診の際、自身がドーピング検査の対象となる競技者であること、及び禁止物質を含む薬を処方しないでほしいことを説明しておりましたので、当該医師から何らの説明なく禁止物質を含む薬が処方することはないと信頼しておりました。ところが、本件医師は、光永選手に対し、禁止物質が含まれることを伝えることなく、禁止物質であるツロブテロールが含まれている喘息治療薬(テープ剤)を処方し、光永選手がこれを貼付したことにより検出に至りました」とコメント。

加えて、「今回の禁止物質における原則的な資格停止期間は2年間とされているところ、本件決定はこれを大幅に下回る4か月とするものであり、本件が悪質なものではなく、光永選手にとって想定外の出来事であったと評価されたものと考えております」とし、本人の意思とは反する出来事となったと主張した。

 今回の件を受け日本水連は「今後、意図しないドーピング(うっかりドーピング)も含めた違反者を絶対に出さないよう、当連盟としましても引き続き、アンチ・ドーピング規則に関する情報提供、注意喚起・意識啓蒙活動を続けて参ります」と話した。内規についても「公開できるように進める方針です」とコメントした。

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