厚生労働省は、2026(令和8)年2月26日(水)に、2025年(令和7年1月~12月)の出生数が10年連続減少したと発表しました❶。出生数は、70万5809人です。
出産は、命を落とす危険性がある一大事です。江戸時代には、参勤交代の行列を、産婆さんだけは頭を下げて座っていないで、横切っても良かったとされていたくらいです。今でも、国を挙げて出産を応援する必要があると考えます。
とはいうものの、女性が子供を出産する行為は、大変です。現代社会では、女性が産前産後も勤務しています。産休に入る直前まで働き、出産後1か月程度で職場に復帰している人も少なくありません。女性の子育てに対する社会制度や環境の整備が必須です。
医者として出来ることは、産前産後のお母さんに対する健康管理です。
産前のお母さんが来院される代表的な症状は、「腰痛」、「つわり」や「逆子」です。
赤ちゃんが大きくなるにつれて、お腹が前へ出てきます。腰の骨が反るような形になるため、徐々に腰痛を感じるようになります。
胃腸が弱い人は、つわりを感じやすくなります。妊娠前や妊娠初期に、鍼灸治療をして体質改善を図ることが、有効な対策です。
逆子は、からだを冷やし過ぎている人に見られます。冷飲食の回避やクーラーの適度な使用が対策の一つです。逆子は、28週から32週の人であれば、9割程度鍼灸治療で改善可能です❷。お近くの鍼灸院にお問い合わせ願いたく思います。■産後の不調に対策は?
出産という大仕事が終わった後、一息付きたいところですが、出産後は子育てが待っています。お母さんの大仕事は、授乳です。新生児は、3時間に一回おっぱいを飲みますので、お母さんは寝不足になります。
産後1年間に感じるお母さんたちのアンケートを見ると、症状は以下の通りです。
《アカチャンホンポ》❸
Q 産後1年間に生じたからだのトラブルは?
1位 睡眠不足 75%
2位 腰痛 69%
3位 全身の疲労感 69%
5位 肩こり 59%
6位 骨盤のトラブル(不安定感・広がり・痛みなど) 52%
《ミキハウス》❹
Q 「産後に直面した心身のトラブル、悩みの種」について選択してください
1位:授乳(授乳が難しい、おっぱいが痛い、その他授乳トラブル)77.2%
2位:腰痛・肩こり・腱鞘炎 56.8%
3位:髪の毛の変化(抜け毛・白髪など)53.8%
4位:眠れない(夜泣きなどで)51.0%
5位:体重・体型の変化 44.6%
6位:産後の悩み(後陣痛)41.7%
大手二社のアンケートを見ると、授乳に伴う肩凝り、赤ちゃんを抱っこすることによる腰痛など、授乳に関連する症状が上位を占めます。
その中でも、産後の回復が思わしくない人は、骨盤の不安定さを感じて来院される人が数多くいます。
出産に伴い、骨盤は徐々に変化しますが、出産後は概ね3か月から6か月頃には、元に戻るという考え方が大勢です❺。一方、出産後に骨盤が1㎜から3㎜程度ゆがみを生じているという研究もあります❻が、いずれの見解も骨盤矯正には否定的です。
その一方で、骨盤の不安定さを半年以上過ぎても感じているという人がいることも事実です。
半年以上経過しても骨盤に不安定さを抱えている人は、「産後の肥立ち(ひだち)」が順調ではない人と言えます❼。「産後の肥立ち」とは、産後の体力回復を指す言葉です。産後の回復に時間を要している人は、虚弱体質だと思われがちですが、私は「床上げ」や出産時における「胎児の大きさ」が関係していると考えています。「床上げ」とは、「出産後、出産時に流出した血液を補充するために必要な体力の回復時期」のことを言います。一般的に、「床上げ」は3週間が良いとされています。
「産後の肥立ち」に時間を要している人は、以下の人たちが考えられます。
1.出産時が30歳未満で床上げの時期が3週間未満の人(通常分娩の人)
2.出産時が30歳以上40歳未満で床上げの時期が4週間未満の人(通常分娩の人)
3.出産時が40歳以上で床上げの時期が5週間未満の人(通常分娩の人)
4.出産時の出血量が500ml~1ℓで1~3の上記期間プラス1週間に満たない人(異常分娩(帝王切開)の人)
5.出産時の出血量が1ℓ以上で1~3の上記期間にプラス2週間に満たない人(異常分娩(帝王切開)の人)
出産後に不調を感じて来院される場合は、「床上げ」の適正な時期をご存じない人が多い印象です。
また、骨盤に不安定さを感じている人は、胎児が3,500gを超えている人に多い印象です。4,000gを超えた人は、股関節に痛みを訴えて来院されます。骨盤の大きさによりますが、胎児の大きさに関係しているのではないかと考えています。
この他の理由は、からだの使い方です。妊娠中は、胎児が大きくなるにつれて、筋肉の緊張する部分が妊娠前と徐々に変化してきます。出産後、妊娠前と同じからだの使い方に戻らない人は、骨盤に不安定さを感じているように思います。このような人たちは、時間を見つけて、下半身の柔軟体操をすることが大切です。ヨーガ(YOGA)のポーズもお勧めです。
晒(さらし)の着用も有効です。妊娠中は、骨盤の安定、冷えの防止、胎児の安定を目的として、妊婦さんは晒を巻きます。
子宮復古(しきゅうふっこ)に必要な産褥期は、6週間から8週間とされています。子宮復古とは、妊娠して大きくなった子宮が元の大きさに戻ることを言います。機能が回復したことを示す兆候が、生理の再開です。
出産後も、生理が再開する頃までは、晒(さらし)を着用すると、骨盤の不安定さ解消につながります。骨盤周囲の保温にも役立ちますので、産後に尿漏れするという産婦さんには有効です。■骨盤に不安定さを感じる人に鍼灸治療は最適です
出産後、ゆっくり休むことが出来ない人は、鍼灸治療をすることで、体力の回復や症状の消失が可能です。また、母乳の出が悪い人は肩や背中が凝っています。鍼灸治療をすると、凝りがほぐれ、母乳がたくさん出るようになります。
お子様の蕁麻疹、便秘や夜泣きなどの症状改善にも効果がありますので、合わせてご利用戴きたく思います❽。
順調な「産後の肥立ち」をご希望の人は、お近くの鍼灸院か鍼灸師が勤務している医療機関にお問い合わせをお願い致します。
「産後の肥立ち」や鍼灸治療について詳しく知りたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ内にある「お母さんのための子育て学」をご参照戴きたく思います。
[参考文献]
❶人口動態統計速報(令和7(2025)年12月分)を公表します
❷逆子(さかご)は妊婦さんの不調を胎児が知らせるサイン!?逆子治療に鍼灸治療は有効!
❸出産準備の一環!産後のマイナートラブルへの対策 赤ちゃんのいる暮らし研究所 アカチャンホンポ
❹約2300人のママが回答!出産前に知っておきたかった「産後トラブル」TOP13 ミキハウス
❺産後の骨盤矯正、本当に必要? -妊娠中~産後の骨盤について- 産婦人科オンラインジャーナル
❻骨盤矯正とは何か? ― 医療としての骨盤矯正の考察 ―
❼産後の体調を良くする方法は?産婦の日常生活開始時期が大きく関与する!?
❽授乳中に冷たい物を飲食すると赤ちゃんに影響が?授乳中のお母さんが気をつけるべき生活習慣について
(清野 充典/鍼灸師)
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