《いやー! 遂に、発表できました! 皆さんからの、たくさんの嬉しいコメント! ほんとに感謝です!》

自身のTwitterでこのようにつづったのは寺脇康文(60)。

10月から放送される人気ドラマ相棒』(テレビ朝日系)の新シーズンに、5代目相棒として寺脇が再登場することが発表された。

今年3月には、歴代最多出演(138回・’15~’22年)を記録した4代目相棒・反町隆史(48)が卒業。5代目を誰が演じるのか注目が集まっていたが、初代相棒が電撃復帰となった。

水谷豊さん(69)は近年、“2クールの撮影が体力的にきつい”とこぼすこともありました。 また、水谷さんが監督を務めた映画に、テレ朝は“3作まで”という約束で出資していましたが、その3作目が6月に公開され、テレ朝との関係も一区切り。寺脇さんを“最後の相棒”として、シリーズ終了の方向で話が進んでいます」(制作関係者)

杉下右京の“終活”となりそうな新シーズン。寺脇の再登場は水谷の意向だったという。

「最終章のタイミングで新キャストを相棒とすると“作品が中途半端になってしまう”と水谷さんは感じていたようです。そこで水谷さんが推したのが寺脇さん。自ら電話をかけ、ラブコールを送ったそうですよ」(テレビ朝日関係者)

’00年に単発ドラマとしてスタートした『相棒』。

寺脇はその初回から124回にわたって熱血漢・亀山薫役で出演し、水谷演じる右京と息ピッタリの掛け合いを見せていた。

’08年に『相棒』を卒業した際には水谷との“不仲説”も噂されていたが……。

「実際には不仲ということはなく、卒業は寺脇さんから申し出たんです」

前出の制作関係者は、寺脇の卒業の真相について続ける。

「当時寺脇さんは役者として成長するため、舞台中心の活動へ舵を切ろうとしていました。撮影に半年以上も拘束される『相棒』との両立が難しくなっていたのです」

苦渋の決断で卒業を選択した寺脇。水谷は寺脇にエールを送っていたという。

「水谷さんは“『相棒』にとどまらず、さまざまな役を演じるために羽ばたいてほしい”と寺脇さんに言葉をかけ、気持ちよく送り出したそうですよ」(前出・制作関係者)

今回の寺脇の再起用の背景には22年前の“『相棒』誕生秘話”が関係しているのでは、と前出のテレビ朝日関係者は指摘する。

「当時、寺脇さんはドラマに途切れることなく出演しており、バイプレーヤーとして活躍していました。ですが連ドラ主演経験はなかったんです。

そこで、寺脇さんの演技力や芝居への熱意を評価していたプロデューサーが寺脇さんを主演にした“バディ作品”を考案。それが『相棒』の原点でした」

近年の『相棒』は“水谷とその相棒の物語”というイメージが強いが、もともとは“寺脇主演”を想定していたというのだ。

「同時期に水谷さん主演のドラマの企画があったことから、水谷さんが寺脇さんの相手役として『相棒』への出演が決まったのです。当時寺脇さんはオファーが相次いでいる時期でしたが、水谷さんのキャリアが考慮され、『相棒』はダブル主演となりました」(前出・テレビ朝日関係者)

寺脇が主演の座を半分譲るようにしてスタートした『相棒』。

実際に当初は水谷と寺脇が“同格扱い”だったと、テレビ誌ライターも言う。

「初期の『相棒』には『警視庁ふたりだけの特命係』というサブタイトルが付いていました。

最初は水谷さんと寺脇さん、どちらにもスポットを当てた作品だったのです」

当時の水谷について、芸能関係者は次のように話す。

「水谷さんは熱血教師役を演じた主演ドラマ『熱中時代』シリーズ(日本テレビ系、’78~’81年)が大ヒットし、役者としての地位を不動のものにしました。

ですが’90年代になると、連ドラ主演は『刑事貴族』シリーズ(日本テレビ系)のみ。作品になかなか恵まれない時期だったのです」

ただ、撮影現場では寺脇が水谷を立てるようにしていたという。

「寺脇さんが役者になったのは、水谷さんに憧れていたから。いわば師匠のような存在である水谷さんに対し、寺脇さんは常に敬意を持って接していました」(ドラマ関係者)

結果的に水谷にとって久々の連ドラ主演となった『相棒』は好評を博し、シリーズは長期化した。

「そもそも寺脇さんから始まった企画だったのだから、警視庁を退職し海外へ飛び立つという形で寺脇さんが作品から退場したときにドラマ自体が終了となってもおかしくなかったはず。それでもドラマは継続し、『相棒』のメインは完全に水谷さんへと譲られたのです」(前出・芸能関係者)

『相棒』は、寺脇の存在があったからこそ水谷の代表作となったといえるだろう。

「不遇の時代を過ごしていた水谷さんは、再びヒット作を出すきっかけを作ってくれた寺脇さんに感謝の思いがあるのでしょう。そういった恩返しの気持ちも込めて、寺脇さんを5代目として指名したのかもしれませんね」(前出・ドラマ関係者)

14年ぶりの共演となるが、ツーカーの演技が期待できそうだ。

「水谷さんが寺脇さんに5代目相棒の依頼で電話した後、2人で食事にも行ったそう。『相棒』の終結をどのように演じるか話し合ったようです」(前出・芸能関係者)

再びタッグを組む右京&亀山。

“22年前の原点”を礎に、どんな集大成を見せてくれるのだろうか。