SNSやネットには便利な「掃除の裏ワザ」が溢れていますが、本当にその方法は正しいのでしょうか?

 今回は、西日本で2.7万件以上の清掃実績を持つ株式会社ダイキチにてマーケティング部に所属し、国家資格「ビルクリーニング技能士1級」を持つ清掃のプロフェッショナル・杉本絢哉さんにインタビューを実施。

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 一般的に良いと思われている掃除の「落とし穴」から、忙しい人でもラクに綺麗を保つための豆知識、目からウロコの掃除術を聞きました。


プロが教える「実はNGな掃除」とは?

 知らずにやってしまいがちな掃除の落とし穴を、プロの視点で解説してもらいました。

●「マステで汚れ予防」の落とし穴


 SNSなどで「入居初日に水回りやサッシにマスキングテープを貼り、汚れを防ぐ」裏ワザが流行しています。しかし、貼ったまま長期間放置すると粘着剤が劣化してこびりつき、テープ跡を落とす掃除の方が何倍も大変になるケースが多発しています。また、安価な文具用を使うのもトラブルの元。実践する場合は「掃除用」を選び、こまめに貼り替えるなど、無理なく継続できる方法を選ぶことが重要です。

●便利な「メラミンスポンジ」の罠


みんなやってる“掃除術”にも落とし穴…2.7万件の現場を見てきたプロが教える“正しい時短掃除”
0419_掃除①
 水だけで汚れが落ちて便利なメラミンスポンジですが、実は目に見えない細かい「ヤスリ」のような構造になっています。汚れと一緒に素材の表面まで物理的に削り落としているため、多用は禁物です。特にお風呂の浴槽やトイレの便器、コーティングされたシンクなどに使うと、表面の特殊加工まで剥がしてしまい、かえって汚れがつきやすい状態になってしまいます。

 使用する際は、削っても問題ない素材かどうかを必ず確認しましょう。コーティングのない硬い素材や陶磁器、タイル、ホーロー、光沢のないステンレスなどは比較的使用しやすい素材です。

●「マイクロファイバークロス」の乾拭きはNG!


 柔らかく手触りの良いマイクロファイバークロスですが、プラスチック製品やアクリル製品を「乾拭き」するのはNGです。

 実は極細の繊維が汚れをかき取る構造になっているため、乾いた状態でデリケートな素材をゴシゴシ擦ると、目に見えない細かい傷がついてしまいます。これらの素材を拭く際は、摩擦を減らすために必ず水拭きで使用しましょう。


●窓サッシに「いきなり濡れ雑巾」はNG


 汚れを見ると濡れタオルで拭きたくなりますが、土ボコリは「濡らすと泥になって余計に落としにくくなる」ため、まずは乾いた状態でホコリを払い出すのが基本ルールです。その後、定規に濡れタオルを被せて拭くと一気に綺麗になります。

掃除の負担を減らす「プロの豆知識」

 家にある意外なものを使って、掃除の負担を劇的に減らすプロの技を紹介します。

●「柔軟剤」がホコリ予防に!


みんなやってる“掃除術”にも落とし穴…2.7万件の現場を見てきたプロが教える“正しい時短掃除”
0419_掃除②
 テレビの裏などすぐ溜まるホコリは、静電気が原因。実は、水で薄めた「柔軟剤」で拭き掃除をするだけで、このホコリ溜まりを予防できます。作り方は簡単で、水500mlに対して柔軟剤2.5ml~5mlを混ぜるだけ。柔軟剤に含まれる「陽イオン界面活性剤」が繊維や素材の表面をコーティングし、摩擦による静電気の発生を抑えるためです。洗濯物をふんわりさせる成分が、実はお掃除の負担を減らす味方になってくれます。

 ただし、木製家具・無垢材・革製品など、水拭き自体が適さない素材への使用はお避けください。また、電化製品への使用は自己責任でお願いします。


●サッシ掃除は「定規」で一気に時短!


 先ほど「土ボコリは先に払い出すのが基本ルール」とお伝えしましたが、ホコリを取った後の仕上げ拭きには「定規」が活躍します。固く絞った濡れタオルを定規に被せ、サッシの溝に斜めに差し込んで少し捻りながらスライドさせるだけ。底と側面を一気に拭き取れ、圧倒的な時短になります。

●お風呂掃除は「水」で!


 寒い冬場はお湯で掃除をしたくなりますが、実はお湯を使うと浴室内の温度と湿度が上がり、カビがもっとも繁殖しやすい環境を作ってしまいます。掃除の基本は「水」と覚えましょう。ただし、水で洗い流した後は換気扇を回すか窓を開けて、浴室をしっかり乾燥させることが大前提です。乾燥を怠るとカビの原因になるため、セットで習慣にしましょう。

忙しいなら「ここだけ」!プロが考える最優先の掃除場所

●優先順位第1位は「キッチンのシンク」


みんなやってる“掃除術”にも落とし穴…2.7万件の現場を見てきたプロが教える“正しい時短掃除”
0419_掃除③
 時間がなくて家全体を掃除できない時、まず優先すべきは「キッチンの排水口周り」です。排水口は常にオープンな状態のため、食べカスやヘドロが直接空気中に触れ、部屋全体の「悪臭」の発生源になります。自分の家のニオイは自分では気づきにくいため、急な来客時に相手を不快にさせないためにも、シンク周りは常に清潔を保ちましょう。

●業者を呼ぶ境界線は「汚れが固まっているか」


 自力で掃除できるか、プロの業者を呼ぶべきかの境界線は「汚れが固まっているかどうか」です。水垢も油汚れも、白く固着してしまうと個人での除去は困難になります。

 特に厄介なのが「キッチンのレンジフード(換気扇)」。内部のファンに油が固まると業者に頼むしかなくなります。
これを防ぐためには、100円ショップなどで売られている「不織布のフィルター」をレンジフードの吸気口(フィルター部分の手前)に貼っておくこと。これだけで内部の汚れを防ぎ、退去時のクリーニング代なども浮かせることができます。

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 プロの掃除術というと特別な洗剤や道具が必要に思えますが、実は「汚れの性質を知る」「汚れが固まる前に予防する」といった基本の積み重ねが重要です。今回ご紹介した豆知識を取り入れて、日々の家事を少しでもラクに、そして効率的に進めてみてくださいね!

<取材・文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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