2024年11月、谷原七音が第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで、フォトジェニック賞を受賞した。ファイナリスト15人に選ばれた彼は野心的だった。


 父が谷原章介。実父がいしだ壱成。審査中から潔く出自を明かし、出場理由を「客観的にみた自分の注目度が一人歩きしてしまうと感じ」たからだと説明していた。現在は研音に所属。着実に出演作を重ねている。

 その静かな野心を秘めた才能とは? “イケメン研究家”加賀谷健が、期待の新人俳優・谷原七音の演技を解説する。

気になる俳優デビュー作は?

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 2024年12月21日、第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞を受賞した谷原七音が心境を語った、初のインタビューが掲載された。

 掲載媒体はABEMA TIMESだったことから、気になる俳優デビュー作をあれこれ想像したものである。

「オオカミには騙されない」シリーズや『シャッフルアイランド』など、ABEMAが放送する恋愛リアリティ番組に出演するのではないか? フォトジェニック賞歴代受賞者である三浦翔平のように、刺激は強いが野心的なABEMAドラマ作品で顔見せするのもありだなと思った。

 コンテスト当時、英プレミアリーグのアーセナルファンであることを公言していた本人は、番組ロケをやりたいとも言っていた。それを踏まえると、サッカー番組などで初々しいリポーター仕事でキャリアをスタートするのもいいかもしれない。

不倫ドラマとの相性がいいジュノンボーイ

 少なくとも、新人俳優にとって登竜門の一つに数えるべき、恋愛リアリティ番組は手堅いところだろうと思っていたのだが、実際は違った。

 ABEMAドラマでもなかったが、刺激は強いドロドロ不倫ドラマだった。2025年7月期放送の『奪い愛、真夏』(テレビ朝日系)がそれだ。


 2023年放送の『泥濘の食卓』など、テレビ朝日の深夜枠で放送される不倫ドラマの多くが、不倫に関係するキャラクターたちの感情を露骨過ぎるくらい剥き出しにする。

 ほとんどコメディと紙一重の作風が、俳優たちにどきつい顔芸的な演技を要請する。そのため、キャラクターの感情を比較的アウトプットしやすく、新人俳優が役作りでキャラクターの感情を分析する入門編にぴったりではある。

『奪い愛、真夏』は「奪い愛」シリーズ第5作であり、それこそ第1作『奪い愛、冬』(2017年)には三浦翔平が出演していた。ドロドロした作品世界で色濃い存在感があった。さわやかなイメージがあるジュノンボーイだが、むしろ不倫ドラマとの相性はいいのかもしれない。

静かな野心を秘めた才能

 受賞後初インタビュー掲載時点では、所属事務所は決まっていなかった。

 父が谷原章介で実父がいしだ壱成であり、二人が兄弟役で共演したドラマ『未成年』(TBS系、1995年)を好きな作品に挙げていた谷原七音は、インタビューで「僕はそれも含めて自分の一部かなと捉えている」と潔く明かす、野心的な才能の持ち主でもある。

 2025年4月1日、反町隆史や福士蒼汰が所属する研音に所属したことを考えると、(インタビュー掲載から所属が決まる間)おそらく引く手あまただったろうと想像する。

 事務所の先輩俳優である福士主演ドラマ『東京P.D.警視庁広報2係』(フジテレビ系、2026年、以下、『東京P.D.』)で演じた、後輩キャラの演技は事実上の俳優デビュー作『奪い愛、真夏』での演技をうまく消化していた。

『奪い愛、真夏』での谷原七音は、夫の不倫に壮大な復讐劇を仕掛ける、画家の妻のアシスタント役を演じ、泥沼不倫劇場を純朴な雰囲気でほどよく解きほぐしながら、初めて出演するドラマの画面上にうまくフレームインすることを心がけていたように見えた。

 警視庁の広報課を舞台とする『東京P.D.』では、例えば第5話、誘拐事件でざわつく警視庁内の廊下場面。
竹財輝之助と並んで歩くツーショットで、ルンルン歩く様子がさりげない存在感を主張した。

 あるいは、第7話にゲスト出演したドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』では、トーンは控えめにスタスタ歩きを印象づける。

 谷原七音は自分の見せ方をよくわかっている。不倫ドラマから刑事ドラマへ、顔見世興行は着実だ。静かな野心を秘めた才能は、今後さらに大化けするだろう。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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