(高雄中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)や国防部(国防省)などは21日、南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島の太平島周辺で海難救助や海洋汚染物質の除去などを含む訓練を行った。海洋委によると、同委の管碧玲(かんへきれい)主任委員(大臣に相当)が初めて太平島に上陸した。
中央部会(省庁)のトップが上陸するのは約7年ぶりだという。

海巡署東南沙分署によると、訓練には交通部(交通省)、外交部(外務省)、衛生福利部(保健省)なども参加した。

訓練は実際に起こり得る事態をリアルに再現した緊迫感のあるもので、衛星通信を使い、現地の状況をリアルタイムで海巡署の指揮センターに送信。科学技術の統合力と全体の対応力を示した。

訓練ではまず、南沙指揮部のレーダー監視で不審な貨物船を発見したと想定。海巡署が巡視艇や多用途支援艇を派遣して拿捕(だほ)し、検査を行った。

また、ベトナム船籍の漁船が太平島南西の海域で機械の故障により貨物船と接触後に出火して救難信号を発し、けが人や海への転落者が出たといった複合的な事態を想定した訓練も行われた。

海巡署の特殊部隊、海巡特勤隊が訓練に初めて参加し、危険性の高い立ち入り検査や救難任務を担当した。無人機も運用され、捜索効率や現場の状況把握の向上に寄与した。国防部はC130輸送機を派遣し、空中支援と緊急医療搬送任務に当たった。

海巡署は、軍用機1機、船艇4隻、無人機延べ2機が投入されたと説明。さまざまな救難装備による海上救助作業、オイルフェンスを使った油の拡散防止、遠隔医療システムを使ったオンライン診療などを通じ、太平島における人道救助、緊急医療、災害対応の能力を示したと強調した。


その上で、太平島では2023年に4000トン級の巡視船が停泊できる岸壁が整備された他、常時100トン級の巡視艇が配備されているとし、今後も南シナ海での訓練を続け、部会横断の対応力を強化するとともに、周辺国との救難救助協力メカニズムを深化させる方針を示した。

(張已亷/編集:齊藤啓介)
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