皆さんが今までに見たなかで「一番大きな絵」はどれくらいのサイズだろう?
2026年4月14日、Xの栃木県県土整備部公式アカウント(@tochigi_kendo)が紹介したものより大きなものは、少ないかもしれない。
「松田川ダム30周年を記念したダムアートがついに完成しました!」
そんな呟きと共に投稿されたのは、ダムの壁面に描かれてた巨大な武者の姿である。
顔も装いも様々な4人が、横に並んでいる。
現地で見るとどれほど大きいのか、想像がつかないほどのサイズだ。
X投稿には、「高圧洗浄機で汚れを落とすことでアートを描いており、自然と元に戻っていきます」というコメントが続けられている。
なんとも壮大な「サムライ・ダムアート」に、X上では6000件を超える「いいね」(4月21日時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「おおー!すごい傑作ですね️」
「これ見たい~」
「粋だねぇ」
「濃淡出してるのが凄」
「こういうのって、実物見るとびっくりするくらい大きいんだよね」
「どうやってこんな巨大な絵を描くんだろう」
X上にはさまざまな感想が飛び交っているが、なかでも「あの侍たちは誰なのか?」「描かれた武士にモデルとなる人物はいるのか?」という素朴な疑問が多かった。それほど印象深い表情の武士たちである。
Jタウンネット記者が投稿した栃木県県土整備部に問い合わせたところ、このダムアートを企画・実施したのは、高圧洗浄機で知られるケルヒャージャパン社なので、詳しくはそちらに聞いた方がよろしいのでしょう、とのこと。早速、ケルヒャージャパン社に取材を申し込んだ。
アートは巨大、こだわりは細部まで
松田川は利根川水系の一つ、渡良瀬川に合流する一級河川である。ダムアートの舞台・松田川ダムの所在地は、栃木県足利市。1996年に完成した、高さ56メートルの重力式コンクリートダムだ。
Jタウンネットの取材に応じたのは、ケルヒャー ジャパン社、マーケティング コミュニケーション部の担当者だった。
実は、松田川ダムでは2008年、ケルヒャー ジャパン社が「リバースグラフィティプロジェクト」を実施した経験があったという。
そして今回、当時のプロジェクトを担当したアーティスト、クラウス・ダオヴェン氏が再び起用され、広大なダム壁面をキャンバスに見立て、壮大な「侍」の姿を出現させることになった。今回のダムアートの名称は、「BRING BACK THE SAMURAI Powered byケルヒャー」という。まさに「侍ダムアート」である。
Xユーザーたちの疑問「描かれた武士のモデルは?」を、ケルヒャー ジャパン社担当者に投げかけてみた。
「近年、クラウスは、リバースグラフィティのプロセスを通じて『人はなぜ、人なのか』という問いを追求しています。顔に浮かぶ喜怒哀楽や、誰もが持つ人間らしさの象徴をありのままに捉え、人間という存在の根源を探っているのです」
「クラウスが追求する『人の表情』と響き合う題材を栃木県足利市で探し求め、『節分鎧年越』に出会い、4人の侍を描くこととなりました」
「今回描いた4人の侍は、特定の方をモデルとして描いてはいません。約750年前の侍の姿を、現代の私たちが見ることは叶いませんが、『現存する最古の記録』にその面影の在処を見出し、クラウスがこの4人を描くこととなりました」(ケルヒャー ジャパン社担当者)
「節分鎧年越」とは、約750年前の鎌倉時代中期の故事にちなんだ古式ゆかしい行事。足利義兼の孫・泰氏(源姓足利氏4代目)が、坂東武者500騎を鑁阿寺(ばんなじ)南大門に勢揃いさせたと伝えられている。
明治維新以降一時途絶えたが、大正4年に復活。現代でも節分の夜に、鎧や兜をまとい坂東武者に扮した200人あまりの市民が、ほら貝や陣太鼓を鳴らしながら大通りを行進している。
「節分鎧年越」の写真画像や動画をとおして、祭りに参加する、鎧兜を身にまとった人々の表情が、アーティスト、クラウス・ダオヴェン氏の創造力をかきたてたのかもしれない。
今回のプロジェクトでもっとも苦心した点について、チームリーダーをつとめたニック・ハイデン氏はこう話している。
「今回の作業で最も困難だったのは、巨大な壁面にモチーフの輪郭を描く工程でした」
「2000点以上の測量ポイントを正確に繋ぎ、アーティストが意図した繊細な『顔の表情』を忠実に再現することに細部までこだわり抜いたことです」(ニック・ハイデン氏)
ダムの壁面をキャンバスに、繊細な表情の再現にこだわり抜くとは、なんというサムライたちだろう。ドイツのサムライもなかなかやるもんだな。
完成まで15日間、軌跡を発信
「侍ダムアート」完成までにかかった時間は、15日間。
ケルヒャージャパン社では、ダムに侍たちが現れるまでの軌跡を、公式インスタグラムにまとめている。
SNSでの反応について尋ねると、次のように答えた。
「今回のプロジェクトでは、制作過程をより多くの皆さまにみていただきたいという思いで、プロジェクト始動時より積極的にSNS発信をしてまいりました」
「今回は特に、制作作業を実際みて感動した、また制作作業過程を見れてとても面白かったというお声を多くいただいております」(ケルヒャー ジャパン社担当者)
さらに今後の構想については、「今回、松田川ダムリバースグラフィティプロジェクト完成と共に立ち上げた、日本独自の取り組み『洗伝プロジェクト』をさらに加速していきたいと考えております。今後もこのような文化貢献活動を通じて、地域の皆さまにお喜びいただけるような活動に取り組んでいく所存です」と、ケルヒャー ジャパン社担当者はコメントした。
次は一体、どんな景色が見られるのだろう。今から楽しみだ。
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