世界各地の都市伝説、UMA伝説/ Pixabay
地域ごとに特色のある、都市伝説、UMA伝説といった民間伝承が人気なのは、ただ話の内容が怖いからだけではない。話が出回っているコミュニティにとって、ある種の一体感が生まれることも影響している。
また、社会が現実に抱えている問題をあぶりだし、そこから教訓を得られることもある。
そうなると、もはやそれはただの噂話ではなく、その地域や場所で実際に共有できる話になり、どんな創作幽霊話よりも信憑性がぐっと上がるのだ。
ここでは世界各地で現在も語り継がれている8つの都市伝説を見ていくことにしよう。
【8. 地獄の存在を証明するために掘られた「地獄への井戸」(世界)】
1989年、世界中のキリスト教徒向けの会報で、新たな都市伝説が出回り始めた。当時のソ連の科学者たちが、地獄の存在を証明しようと、地面に深い深い穴を掘ったという。
およそ14キロの深さまで掘ったとき、そこでなにが起こっているのかを記録するために、マイクのようなものを穴の奥深くまで突っ込んだ、というのがもっぱら巷で噂されている話。
録音されたのは、辺獄に落とされた何百万という魂の叫び声だったといい、聖書は正しかったことがはっきりと証明されたという。この話は、録音されたものと一緒にネットの宗教関係者の間で広くシェアされたらしい。
もちろん、多くの人がいまだに信じているとしても、これはまったくの嘘だ。そもそも、この穴堀り探索の目的は、地獄が本当にあるかどうかを確認するためではなく、地球の深部にあるものの科学的データを集める研究の一環だった。
これは、コラ半島超深度掘削坑というれっきとした科学プロジェクトで、掘った深さは12キロに達し、地球でもっとも深い人工ポイントだ。現在に至るまで、地殻に関する非常に貴重なデータをもたらしてくれている。
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Real Life URBAN LEGEND: THE WELL TO HELL
【7. 人を襲うデリーの「モンキーマン」(インド)】
インドのニューデリーでサルの存在はとくに珍しくないが、モンキーマンは普通のサルではない。噂によると、2001年頃から、サルのような姿の生き物が家々の屋根の上に現れ、人をひっかくなどの被害を与えたという。多くの市民がこれを目撃し、警察まで乗り出すはめになった。
モンキーマンは決して捕まらず、現われるときと同様、素早く姿を消してしまう。一連の出来事に市民はパニックになったが、ほとんどの人は、退屈した誰かがサルの着ぐるみを着て、いたずらで屋根を飛び回わったのが、都市伝説としてエスカレートしたのだと考えた。だが、真相ははっきりわからない。
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Hysteria amid reports of "monkey man" attacking sleepers
【6. 若い男を誘惑して殺す女悪霊、ウンム・アル・デュワイス(中東)】
アラブ首長国連邦(UAE)およびアラビア半島は都市伝説の宝庫で、エミラティス(アラブの市民)の人たちは、怪物や幽霊が大好きだ。
その中でも、もっとも恐ろしいものは、ウンム・アル=デュワイスだろう。女の悪霊で、若い男を誘惑して人里離れた場所に誘い出しては、容赦なく殺してしまうという。
この都市伝説はアラブ北部地方で生まれたが、今ではさまざまなバージョンがある。この悪霊は男がひとりでいるときにしか現れず、最初は白い装束をまとった美しい女の姿をしているが、男をすっかりメロメロにしてしまうと、本来の醜い老婆の姿に戻り、たちまちその男を殺してしまう。
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【5. 家畜を襲うUMA「チュパカブラ」(中南米)】
メキシコ、プエルトリコ、アメリカ南部に出没し、血を吸う哺乳類のような生物の話はよく聞く。
近年、とくにメキシコで目撃数が急増している。
家畜が謎めいた何かに襲われて殺されているのだ。その謎生物を映像でとらえたと主張する者もいるが、その姿は病気の野良犬かコヨーテと言えなくもない。
実在するのか否かははっきりしないが、相変わらずチュパカブラは、アメリカ大陸でもっとも謎めいたUMA(未確認生物)であることは確かだ。
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7 Chupacabras Reales Captados en Camara
【4. 深夜寝床に現れる「トコロシェ」(南アフリカ)】
広大なアフリカにも、奇想天外な都市伝説はたくさんある。トコロシェとして知られるこの謎生物も、何百年もの間、南アフリカのズールー族を悩ませてきた厄介で奇妙なUMAだという。
トコロシェは、大型の齧歯類、小型哺乳類のような小さな生き物で、グレムリンに似ているらしい。昔からズールー族の神話の中で語られ、このトコロシェのせいで、彼らの寝床は通常よりもかなり高いところに作られているのだという。
トコロシェは、夜中に人々が寝静まっている間だけ現れる。人の髪の毛をめちゃくちゃにして困らせたりするくらいかと思うと、即座に首を絞めて殺してしまったりすることもあるらしいが、あまり心配することはない。
ベッドから起き上がって体を大きく見せると、この小さな邪悪な生き物はなにもできなくなって、退散するという。
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Blame the Tokoloshe! South Africa’s Most Notorious Goblin
【3. 海の精が現れる岩「ローレライ」(ドイツ)】
ドイツに行ったことがあれば、この言い伝えは、当事者の悪夢から出た都市伝説が語り継がれたものであることがわかるだろう。
ローレライは、ライン川の岸にある大きな岩の名で、この付近でセイレーンという海の精が現れ、船乗りを誘惑して手招きするという。
船乗りたちは、どこからともなく現れた謎めいた美女に魅了され、ついつい手招きされる方へ向かい、岸辺の岩に激突して溺れてしまうという。
似たような話は世界中に存在するが、こんな大きな岩に激突すれば死は避けられないので、実際にあったこうした事故から発生した話だろう。
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Legends of the Lorelei Mermaid: Myths of the Norsemen 100
【2. 老人が若者を救う「北京の霊界行きバス」(中国)】
この都市伝説にも様々ななバリエーションがあるが、大筋は同じだ。
1995年11月14日、ふたりの男たちが北京にある香山公園行きの最終バスに、停留所ではない場所からむりやり乗り込んだ。ところが、男たちは実際には3人いた。ふたりが3人目の長髪の男を支えるようにしていたのだ。
3人目の男は清王朝時代風の古い服を着ていて、全員まるで幽霊のように青白い顔をしていたという。ほとんどの乗客が途中で降りてしまうと、残ったのはその3人と、若い男、そして老婆(年老いた男というバージョンもある)だけになった。
突然、老女が車内で、面識のない若い男のことを泥棒だと責め始め、次の停留所で降りて警察へ行くと言い張った。
バスを降りると、老女は若い男に、これはあんたを冥界行きのバスから降ろすための策略だったと説明した。そのままバスに乗って行った3人には足がなかったのだという。
これが本当の話かどうかはわからないが、そのバスは翌朝、目的地から数マイル離れたところで見つかり、車内に3人の腐乱死体があったという。それは、運転手、車掌、そして正体不明の長髪の男だったという。
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Ghost Bus 375 | Beijing's Legendary Ghost Bus | Hindi
【1.堕天使レーク(ヨーロッパ)】
地域によっては堕天使だとされるレークは、世界中の都市伝説に登場するが、最近の目撃例は、おもにヨーロッパだ。
レークは、人間のような姿をした生き物で、身長も平均的な人間くらい、皮膚には毛はなく、大きく落ちくぼんだ目をしている。郊外の住宅街や草むらを歩き回り、真夜中、寝ている人のベッドの端に現れ、夢の中に出てきて、人の正気を奪うという。
レークとされる生き物の話は、12世紀にさかのぼるとされ、それを裏づける多くの証言もある。何度もカメラにもとらえられていて、スペイン、カタルーニャで撮られたこの不気味な映像もそのひとつだ。
わたしたちの身近に、ヴォルデモート卿のようなこんな不気味な生き物が本当に存在しているのかどうかはわからないが、これは、かなり信憑性の高そうな証拠のひとつかもしれない。
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Possible Fallen Angel in Catalonia (subtitled)
記事全文はこちら:世界各地で語り継がれる8つの都市伝説やUMA伝説 http://karapaia.com/archives/52293756.html
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