これまで、巨大なオタマジャクシのような姿をしていると考えられており、学名も「厚みのあるオタマジャクシ」という意味がある。
ところが最近の研究によると、どうやらオタマジャクシっぽくないらしい。
残されていた化石の頭骨の断片をつなぎ合わせ、CTスキャンと3Dビジュアライゼーション技術を駆使し、クラッシギリヌスの頭蓋骨を初めて再現することに成功した。
その結果、クラッシギリヌスはどちらかというと、現代のワニに近い姿だったようだ。
地獄のオタマジャクシと恐れられた「クラッシギリヌス」 「クラッシギリヌス(Crassigyrinus scoticus)」は、石炭紀(3億5920万年~2億9900万年前)に生息していた堅頭類の仲間だ。
原始的な肉食動物だが、これまで発掘された化石は状態がひどく悪いため、あまり詳しいことはわかっていない。
足が4本ある「四肢動物」で、その当時の両生類グループである「炭竜目」と「分椎目」のちょうど中間のような姿をしている。
じつはクラッシギリヌスは、水から陸に移動した最初の生物に関係していると考えられるのだ。
それが生息していたのは、現在のスコットランドと北アメリカの一部にある湿地帯だ。だが、陸に上がってから再び水辺に戻ったのか、そもそも陸に上がる前だったのかはわからない。
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3億3000万年前、スコットランドと北アメリカの湿地帯に生息していた恐るべきクラッシギリヌス/Image credit: Bob Nicholls 2018:オタマジャクシというよりは、現代のワニに近い 学名が示す通り、その姿はオタマジャシに似ているとされてきたが、もしかしたらそれは勘違いだったのかもしれない。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが『Journal of Vertebrate Palaeontology』(2023年5月2日付)で発表した最新の研究によれば、手足が短く比較的平らな体は、むしろ現代のワニに似ているだろうというのだ。
研究の主執筆者ローラ・ポーロ氏は、プレスリリースで説明する。
体長2~3メートルほどのクラッシギリヌスは、当時としてはかなり大きな動物でした。クラッシギリヌスはそうした環境に適応しており、濁った水の中を見通すための大きな目や、水中の振動を感知する感覚器「側線(水中生物が水中で水圧や水流、電場の変化を感じとるための器官)」があったことも判明している。
水面下で待ち伏せして、強力な力で獲物に噛みつくという、おそらく現代のワニに似た行動をとっていたでしょう
一方、鼻の前方には隙間があり、これが何のためのものかはまだよくわかっていない。
ポーロ氏の推測では、シーラカンスのような電気を感知する器官や、ヘビが化学物質を感じるための「ヤコブソン器官」のような、狩りに役立つまた別の感覚器があったのではないかという。
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砕けた化石の破片から復元された頭部は、現代のワニに似ていた/Image credit: Porro et al
これまで予想されていた復元図を見ればわかるように、クラッシギリヌスの頭は、かなり高さがあるもので、確かにオタマジャクシやウツボを思わせる。
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クラッシギリヌスの旧復元図 / image credit:WIKI commons
ところが今回、ポーロ氏らが化石をCTスキャンして集めたデータに基づき、3Dモデルを作ってみたところ、ウツボのような頭蓋骨はあり得ないことがわかったという。
口蓋が広く、頭蓋骨の上部が狭い動物が、そのような頭蓋骨であるはずがなく、むしろ現代のワニのような形だったと考えられるそうだ。
研究チームは現在、クラッシギリヌスにどのような動きができたのか、生体力学的シミュレーションを実施する予定であるとのことだ。
References:Scientists reveal face of 10-foot 'killer tadpole' that terrorized Earth long before the dinosaurs | Live Science / Crushed Scottish fossils reconstructed to reveal ancient predator's skull / written by hiroching / edited by / parumo
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