海外版ケモナー「ファーリーズ」が今アメリカで熱い!
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 今アメリカでは、「ファーリー」、あるいは「ファーリーズ」と呼ばれるサブカルチャー的文化が、その存在感を強めているそうだ。

 ネットでの検索数は激増し、大規模イベントは満員になり、開催地の経済を動かす一大ビジネスにまで成長しているんだとか。

 もともとはインターネットの中で育ってきたニッチなコミュニティだったが、今ではSNSで日常的に目にする存在になっている。

 このアメリカ版「ケモナー」とも言える文化に、人々がここまで夢中になり始めた背景には、どんな理由があるのだろうか。

アメリカ社会で存在感を増す「ファーリー」

 ファーリー(Furry)、またはファーリーズ(Furries)とは、擬人化された動物キャラクターを好み、自らもそうしたキャラクターを創作・表現するファン層やコミュニティのことだ。

 かつてはニッチな趣味として扱われることが多かったファーリーだが、近年はその状況が変わりつつあるという。

 英語圏6か国における検索データでは、ファーリー関連のキーワードが一定の頻度で継続的に検索されているという。

 世界全体での検索数は月間110万件を超えているが、アメリカだけでそのうちの51万2440件を占めるんだそうだ。

 これは5秒ごとに1件の割合で、1日に換算すると17,000回を超える数になり、人口比ではアイルランドの2倍以上、カナダでも40%近く上回っている。

 もちろん、「ファーリー」という言葉を始めて知った人が、それが何なのかを知りたくて検索するケースも多いだろう。

 だが、例えば「ファーリー」という単語だけでも、月間37万回以上も検索されていて、多くの人がファーリーについて知ろうとしていることが見て取れる。

 こうなるとファーリーは単なる一過性の話題ではなく、アメリカ社会で継続的に関心を集めている状態を示していると言えるだろう。

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急速に大規模化するファーリー・コンベンション

 よりはっきりした変化として、数字にも如実に現れているのが、ここ数年にわたるファーリー系イベントの規模の拡大である。

 ファーリーイベントの代表的なものとしては、ペンシルベニア州ピッツバーグで開催される大規模コンベンション「アンスロコン(Anthrocon)」がよく知られている。

 1997年、アンスロコンの参加者はわずかに500人だった。それが2025年には18,357人を記録し、会場は満員になったそうだ。

 また、「ファーリー・ウィークエンド・アトランタ(Furry Weekend Atlanta)」は3年間で245%も成長し、参加者数は2022年の7,212人から、2025年には17,736人にまで増加したという。

 10年前、ファーリーのコンベンションはアンスロコンだけだった。それが今や、アメリカ各地で、二桁を数えるコンベンションが開催されるようになったのだ。

 これだけの規模となると、その経済効果も侮れない。2025年に開催されたアンスロコンは、ピッツバーグの地域経済に推定で2170万ドル(約35億円)もの経済効果をもたらしたという。

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ケモナーも!世界に広がるファーリー文化

 さらにこのファンダムは世界にも広がって、ヨーロッパやアジア、南米など各地でイベントが開催されるようになってきた。 

 その中には日本のファーリー系イベント、JMoF(Japan Meeting of Furries)[https://www.jmof.jp/]やKemocon[https://www.kemocon.com/]も含まれる。

 そもそも日本には「ケモナー」という文化が存在しており、ファーリーとケモナーには重なる部分も少なくない。

 たぶんだがケモナーは、「動物的な要素を残したまま擬人化された」「人間的な特徴を持った」ケモノを愛でるというニュアンスを持っていると思う。

 これに対し、英語圏でいう「ファーリー」は、擬人化された動物キャラクターを好む人々や、創作・交流といった文化全体を指す言葉なんだそうだ。

 ケモナー・ファーリーそれぞれの定義は、人やコミュニティによっても違っているのかもしれない。

 交流が進むにつれて、その辺の境界線もあいまいになってきているみたいなので、この辺はぜひ、その分野に詳しい匿名処理班の解説を待ちたいと思うのだ。

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現実とは「別のキャラクター」になりきる醍醐味

 さて、ファーリーは自分の分身となる、なりきりキャラの「ファーソナ」を創り上げ、ファースーツ(着ぐるみ)でイベントに参加したりする。

 この「ファーソナ」こそがファーリー文化の核となる存在で、これは自分自身を象徴するキャラであり、外見だけでなく性格や背景まで含めた設定が作られる。

 コスプレのように既存作品のキャラクターになりきるのではなく、自分自身の分身を一から創り出す点が特徴だ。

 この自由度の高さは若年層や、アメリカならではの多様なバックグラウンドを持つ人々にとって、大きな魅力となっているのだ。

 下の動画では、ファーリーたちに現実での職業を聞いている。その答えは「ホッケーの審判」「BMWの整備士」「動物学者」「IT業界」「カメラマン」などさまざまだ。

 この着ぐるみを準備するにも結構なお金がかかるので、意外と(?)しっかりとした仕事に就いている人が多い印象だ。

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ファーリーの多くは20代の若い世代

 ファーリー研究プロジェクト「FurScience[https://furscience.com/research-findings/fandom-participation/2-1-time-in-the-fandom/]」によると、ファーリーの平均年齢は20代後半で、その半数以上が十代後半でこの文化に関心を持ち始めたという。

 十代後半という年齢は、インターネットを通じてファーリーを「偶然」知るケースが多いからではないかと推測されているそうだ。

 例えばアニメファンの場合は、テレビを通じて十代前半からファンになっていくことが多いとされる。ファーリーを始める年齢は、もう少し遅めということになる。

 この世代はゲームのアバターやSNSのアイコンなど、バーチャルなネット世界で、現実の自分とは違う姿や名前、設定で活動することに慣れた世代でもある。

 動物というフィルターを通すことで、ファーリーはさらに現実の属性や固定観念から離れた「ファーソナ」という形で、自分を表現することが可能になる。

 インターネット・ネイティブの間でのファーリー文化の広がりは、現代における自己表現のあり方の変化を示す、ひとつの例と言えるのではないだろうか。

 かつて、特定の層が楽しむニッチなサブカルチャーだったマンガやアニメは、ここ数年で世界のメインストリームへと移行してきた。

 ファーリーも今後はアメリカの限られたコミュニティから飛び出して、誰もが気軽に楽しむ文化になっていくのかもしれない。

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References: Furries Are Quietly Taking Over the Internet, One Search Every Five Seconds[https://www.vice.com/en/article/americans-are-obsessed-with-furries/]

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