ガンダムのザクがついに現実に?2足から4足に変形するモビルスーツ型ロボットが量産販売
Unitree Unveils: GD01

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 人が搭乗し操縦できるモビルスーツ型のロボットが量産開始となった。色こそはシャア専用だが、これは量産型ザク?いや、プチモビルスーツといったところかもしれない。

 中国のロボットメーカー、ユニツリー・ロボティクス社が2026年5月に発表した「GD01」は、2足歩行と4足歩行を数秒で切り替え、レンガ壁をも破壊するパワーを持つ。

 搭乗型で2足歩行と四足歩行ができるロボットが量産されるのは世界初となる。

一人のエンジニアの夢から生まれたモビルスーツ型ロボット

 「機動戦士ガンダム」に出てくるモビルスーツのように、人が搭乗し、操縦するロボットは世界中の人々を魅了し続けていた。

 ユニツリー・ロボティクス(Unitree Robotics)創業者の王興興氏もその1人である。彼は、上海大学の大学院在学中に四足歩行ロボットの開発を始めた。

 2016年に起業し、ロボット犬「Go2」シリーズで世界市場に進出した人物だ。

 それから10年、王氏が自らコックピットに乗り込んでデモを披露したGD01は、その歩みの集大成とも言える機体となった。

 赤いボディカラー、フレームが剥き出しの無骨な胴体、2本の腕と2本の脚。日本の「機動戦士ガンダム」を見て育ったロボットファンなら、親近感があるはずだ。

 ただしこちらは量産モデルなので「量産型ザク」、というかプチモビルスーツに似ている。

 ロボットアニメが世界中のエンジニアに与えてきた夢が、一つの形になったのだ。

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2足で歩き、4足で悪路を走る変形のしくみ

 2026年5月12日、ユニツリー・ロボティクスは公式SNSで1分間のデモ動画とともにGD01の販売開始を発表した。

 搭乗型モビルスーツとしては2012年に日本の水道橋重工が製作した「クラタス(Kuratas)」が先駆けとして知られるが、クラタスは車輪移動にとどまり2足歩行はできなかった。

 2足・4足を切り替えながら自走できる量産モデルはGD01が世界初だ。

 GD01の素材は高強度合金で、動力にはユニツリーが自社開発した高トルクモーターを採用している。

 搭乗者を含めた総重量は約500kg。

 2足で直立した状態での高さは約2.7~2.8mで、成人の約1.6倍に達する。

 胴体部分に設けられたオープンコックピットにパイロットが乗り込む構造で、現時点では完全自律型ではなく有人操縦型だ。

 操縦する王氏と機体の大きさの対比は、動画を見た人に強烈な印象を与えた。

 動画の中でGD01はまず工場の床を2足歩行で安定して前進し、500kgの巨体とは思えない滑らかな動きを見せた。

 続いて機械の腕を振り下ろし、積み上げられたレンガ壁を一撃で崩してみせた。

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 そして最大の見せ場が変形だ。脚を折りたたみながら重心を低く移動させ、数秒のうちに4本脚の形態へと切り替わった。

 4足モードへの移行後も外部からの補助なしに不整地を安定して歩き続けた。

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 2足モードは平坦な場所での移動や作業向きで、4足モードは岩場や段差のある悪路での移動に適している。

 場面に応じて瞬時に形態を切り替えられるのが、他のロボットにはないGD01最大の特徴だ。

 なおバッテリー持続時間や最高速度などの詳細なスペックは現時点では非公開となっている。

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人間には危険な環境での使用を想定

 GD01が想定する主な舞台は、火災現場や地震による倒壊現場など、人間が立ち入るには危険な環境だ。

 2足と4足を瞬時に切り替えられる機動性は、がれきが散乱した不整地や、複雑な地形が続く建設現場でこそ力を発揮する。

 販売開始にあわせて同社は安全通知を発表し、危険な改造や無謀な使用を控えるよう呼びかけている。

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お値段は1体8000万円から、将来的には安くなる可能性

参考価格は390万元(約8,000万円)からで、民間用の輸送車両として位置づけられている。

 同社マーケティング担当の黄嘉偉氏は「現時点での参考価格であり、性能の最適化とコスト削減を経て最終的な価格は変わる可能性がある」と述べており、需要と量産体制が整えば将来的には安くなる可能性もあるようだ。

 なおユニツリー・ロボティクス社は2026年3月、上海のSTAR市場(中国版ナスダックとも呼ばれる新興技術企業向けの株式市場)への上場を申請しており、調達目標42億元(約610億円)の85%を研究開発に充てる計画を明らかにしている。

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世界のロボット市場で起きていること

 GD01が登場した背景には、ヒューマノイドロボット市場全体の急速な拡大がある。

 調査会社オムディア(Omdia)の分析によれば、2025年の世界のヒューマノイドロボット販売台数のうち約90%を中国のロボットメーカー各社が占めたという(出典:Rest of World[https://restofworld.org/2026/china-humanoid-robots-unitree-agibot-tesla-optimus/])。

 ユニツリー[https://www.unitree.com/]は同年に5,500台を出荷したと発表しており、世界トップクラスの販売台数を記録している。

 テスラFigure AIAgility Roboticsといった米国主要企業の出荷台数がそれぞれ約150台にとどまったのとは大きく異なる。

 価格面でも各社の戦略には開きがある。

 ユニツリーのエントリーモデルR1は約87万円、競合のアギボット(AgiBot)は約200万円で提供している。

 テスラのイーロン・マスクCEOが将来的なOptimus(オプティマス)の価格を2万~3万米ドル(約290万~435万円)と予測しているのと比べると、専業メーカーの低価格化への取り組みがいかに速いかがわかる。

 ユニツリーのロボットはMIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォード大学、東京大学、ハーバード大学といった世界トップクラスの研究機関や、Google、NVIDIAなどのグローバル企業にも採用されており、その技術力は世界水準で認められている。

 同社の技術はすでに日本にも届いており、日本航空(JAL)が東京・羽田空港でヒューマノイドロボット「Unitree G1」を使った荷物搬送の実証実験を進めている。

 大学院の研究室でロボット犬を作り始めた王興興氏の挑戦は、人が乗り込む巨大メカという新たな段階へと踏み込んだ。

 ロボットアニメに憧れたエンジニアたちが世界中で夢を形にしようとしている。

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References: Unitree Technology releases manned transformable mechs, starting at 3.9 million yuan.[https://eu.36kr.com/en/p/3805932505358082] / Video: Unitree launches the world’s first production-ready optionally manned robot[https://interestingengineering.com/ai-robotics/video-unitree-launches-the-worlds-first-production-ready-manned-mecha-robot] / Unitree[https://www.unitree.com/]

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