瑞々しい感性を持ったシンガーソングライターが新しい風を吹かす。フライングドッグ / e-stone musicから、1人のアーティストが『シュガーアップル・フェアリーテイル』第2クールOP主題歌「サプライズ」でメジャーデビューする。
彼女の名前は中島 怜（なかしまれい）。フライングドッグが開催したオーディション「犬コン！」の声優・歌手・シンガーソングライター部門で見事グランプリを射止めた愛知県出身の18歳だ。無邪気で飾り気のない天然素材。混ざりもののない、透明感のある歌声はどこから生まれたのだろうか？その萌芽の軌跡と、デビューシングルについて話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
ものづくりに興味を持った、その原体験
――怜さんは小さい頃からものづくりがお好きだったそうですね。
中島 怜 小さい頃から絵を描くことが好きだったんです。
――アニメを初めて観たのもその頃ですか？
中島 母がアニメ好きなんです。特にCLAMP先生の作品が大好きだったので、最初に観たアニメが『カードキャプターさくら』でした。気づいたら私もハマっていて、初めての夜更かしも『カードキャプターさくら』を観たいからという理由で（笑）。そこから主題歌をよく口ずさむようになって。
――怜さんの音楽面において、ほかに影響を与えた作品というと……？
中島 『けいおん！』が好きでした。（リードギター&ボーカルの）平沢 唯ちゃんと誕生日が一緒で！「性格も似てるね」と言われることも多く、運命を感じて、その時に音楽をやっている人ってかっこいいなっていう憧れができました。
――では、アニメソング以外で影響を受けたアーティストはいますか？
中島 洋楽、邦楽、時代問わず色々な音楽を聴いているんです。“怜”という名前も、レイ・チャールズ好きな母がつけたもので。
――ロックも好きなのかなとなんとなく感じていました。それでいて、賛美歌や聖歌のような優しく穏やかな雰囲気もあって……。
中島 通っていた中学校が聖歌隊のいる学校だったので、歌のテストも定期的にありました。担当の先生が厳しいと評判だったのですが、歌を聴いてもらったときに「なんでそんなに上手いの？」「音大に行ったほうがいい」と言ってもらえて、本当に嬉しくて！元々は勉強が苦手なタイプだったので、先生の言葉で自分の中の世界が開けた感覚がありました。
――中学の先生の一言によって、怜さんの音楽人生にはどのような変化があったんでしょうか？
中島 音大を目指すようになりました。
――Fコードが押さえられず挫折する人が多いなかですごいですね。
中島 私、手はすごく小さいのですが、コードを押さえることはできたんです。先生に教えてもらったギターのコードくらいしかわからない状態でしたが、なんとか曲は作れました。表立った活動はしていないのですが、曲作りは続けていて。
――フライングドッグが開催したオーディション「犬コン！」に応募されたきっかけはなんだったのでしょうか？
中島 ボイトレの教室に「犬コン！」のポスターが貼ってあったんです。ポスターやHPにさくらちゃんが載ってたんですよね。「あ、さくらちゃんだ！受けてみよう！」と。元々『カードキャプターさくら』で坂本真綾さんが好きだったのですが……でもレーベルとかは意識したことがまったくなくて（苦笑）。
――蓋を開けてびっくりという状態？
中島 はい！（笑）。「私の好きなアニメを（フライングドッグが）たくさんやってる……！」って。
――グランプリを取ったときはどのような気持ちでしたか？
中島 私、落ちると思っていたんです（苦笑）。オリジナル曲のギター弾き語りの時には緊張しすぎてストロークがガタガタに……その次に「愛・おぼえていますか」（映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』主題歌）を歌ったときは、緊張が一気に消えて、極度のリラックス状態になって、歌詞を噛んでしまったんですね。そこで思わず笑ってしまって。サビ前になんとか挽回したのですが、「絶対に落ちたな」と。だからびっくりしすぎて「合格ってもしかして別の意味があるのかも……？」と調べたくらいで。
――（笑）。自然体の怜さんが光ったのかもしれませんね。怜さんはこうやってお話しされている時はふわっとした雰囲気。でも火がついた時のアグレッシブさがすごいなと。
中島 何事もやらないと気がすまない性格なんです。諦めるという選択肢がないので、ギターを買ってもらうときも、何度もお願いをして母には「くどい！」と言われていました（笑）。曲作りのときも納得するまでやらないと気がすまなくて。それは歌う時もそうです。元々こだわりが強いタイプなんですよね。話がそれてしまうのですが、私、普段から色々なところに体をぶつけてしまうんです。で、右だけぶつけてしまうのが嫌で、左側もぶつけようって。
――え!?（笑）。
中島 右だけ痛いっていうのが気持ち悪くて、バランスを取ろうと。色々なことに対して、気になり始めるとキリがない。周りからは「おかしいよ」って言われます（笑）。でも父も母も、小さい頃から自分の好きやそういうこだわりを否定しないでいてくれました。
――のびのびと育ててくれたんですね。あのきれいで澄んだ歌声はどこから生まれるんだろうって思っていたのでなんだか納得しました。ご自宅は緑豊かな場所に？
中島 はい。愛知県瀬戸市出身なのですが、実家は山の方というか……自然に囲まれた場所にあります。父が仕事柄、海外に出張する機会が多く、その時には一緒についていって。特にアメリカのミシガン州には長くいたので、リスと遊んでいました（笑）。
――「サプライズ」のMVも自然に囲まれた場所での撮影でしたね。
中島 「サプライズ」のMVは地元の瀬戸市に少し近い雰囲気です。「サプライズ」をレコーディングした時はまだ地元にいたのですが、曲を初めて聴いたときに、瀬戸市の雰囲気にすごく似合ってるなって。「こういう自分でいたい」と思う自分を形にしてくださっている感覚があって、とてもありがたいです。MV1つからも、プロデューサーの福田（正夫）さんと目指す方向性が一致しているようにも思っていて。良いスタッフさんに恵まれ、フライングドッグに所属させてもらえて良かったなってしみじみ思います。
私にしかできないことを大切にしたい
――そのデビュー曲は『シュガーアップル・フェアリーテイル』第2クールOP主題歌です。
中島 原作を読ませていただき、すごく面白くて、夢中になって読みました。この素敵なお話の主題歌を担当できることを嬉しく思っています。同時に「自分がやっていいのかな」「自分に歌えるかな」という気持ちもありました。アンとシャルの関係も、ただの恋愛ではなく、人間と妖精で、複雑な背景があって。1クール目のときにすごい終わり方をしたので、ただ元気に歌うだけじゃダメだなって。でも素敵な曲をいただいたので、しっかり歌いたい！って。
――アンの真っ直ぐさは怜さんにも重なるような気がします。
中島 原作を読んだときに共感がすごくて。だから歌いやすかったです。自分にも重なるし、アンにも重なるし。それを大切に歌わないとなと思いました。
――歌詞を書かれたのは岩里祐穂さん。『カードキャプターさくら』好きとしても嬉しいことですよね。
中島 そうなんです！岩里さんの書かれる歌詞は、冒頭から心を掴まれるものが多くて。「サプライズ」の“未来は誰も見たことがない 誰も知らない 朝もやに覆われたあの太陽みたいにね”という言葉にも掴まれました。それってすごいことだなって。今、まさに大学で作曲の授業を受けているんです。今までは感覚的に作ってきましたが、大学に通い、作詞も含めて曲を作るって改めて難しいことなんだなと感じました。授業を受けているなかで岩里さんの歌詞を見ると、考えさせられるものがあります。でも私は私の歌詞を書かなければいけないので、自分が感じたものを大切に書くようにしています。
――理論的なものを知らないほうが自由に曲を書ける、という場合もあるかもしれませんね。
中島 実際、何も知らないときのほうが自由に書いていた気がします。でもこれからプロになる身としてはしっかり学んだうえで音楽を発信したいなと。カップリング曲の「はじまる」の編曲をしてくださった北川（勝利）さんに「DTMをやったほうがいいよ」というアドバイスをいただき今勉強中です。
――その「はじまる」では作詞もされています。
中島 実は福田さんに「歌詞を書きますか？」と言っていただいて、その帰り道に、悩みながら歌詞を書いてみたらサビ前まで書けたんです。それを送ったら「このまま書き進めてください」と言ってもらえて。
――「はじまる」はまさにこれから始まることを宣言するかのような、明るいメッセージソングですね。
中島 明るくポップな曲調なので恋愛の曲にも、始まりの歌にもできるなって感じていました。でも始まりの歌は今しか書けないから「こっちを書こう！」って。そしたら書くことができました。オーディションのときも思ったんですけど、ありえないことってないんだなって。奇跡のようなことに思えますし、当たり前ではないんですけど、できないことではない。それに気づいたらすごく嬉しくなって、自分の自信にもなりました。
――始まりの今しか書けないという意味では“はじめまして”から幕を開けるおしゃべり風の「ごあいさつ」も、初回限定盤には収録されています。
中島 あれは完全な一発録りなんです。練習のときの音源をそのまま使っていて、だから少し恥ずかしさもあるのですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
――ところで、怜さんの歌声には息の成分が多いように感じました。そこがすごく魅力的だなと思ったのですが、意識されているのでしょうか？
中島 福田さんが導いてくれました。元々息漏れ気味な声質なので、ボイトレで注意されていたんです。息多めはダメなんだなと思い、「サプライズ」の仮歌のときに声を張って歌ったら、「もっとウィスパーボイスで素直な感じで歌ってほしい」「上手く歌おうとしなくていい」「息が多めなところが中島さんの良いところ」って言ってくださって。それまでは自分の歌声の良さも自分の最適なキーもわかっていなくて。デビュー曲で、気合いが入りすぎて、上手く歌おうとしてしまったんですね。でもそれが良い音楽に繋がるわけじゃないんだなと気づかされました。そこからキーを2つ上げて、ありのままで歌ってみました。
――コーラスも素敵ですよね。
中島 元々コーラスは苦手だったんです（苦笑）。でも編曲を担当していただいたh-wonderさんがコーラスの指導をしてくださって。h-wonderさんは私の大好きな坂本真綾さんの「ループ」を作っている方なので、最初は緊張していたのですが、本当に優しく教えてくださり、ファンになってしまいました（笑）。憧れの方たちが一緒に良い作品を作ってくださり感謝しかありません！
――“一歩踏み出せば世界は変わる”ことをまさに実感されている最中なんですね。
中島 はい！
――ありがとうございました！では最後に質問させてください。メジャーデビューを経て、怜さんが今後挑戦したいことは？
中島 音楽的なことで言うとギターを上手くなりたいです。あとは作詞もしたいし、いつかは作曲もしたいです。自分の曲を編曲してもらったことがないので、どう生まれ変わるのかも興味があります。あと、邦ロックのフェスにもよく行っているのでフェスにも出たい！色々なことにチャレンジするためにも頑張りたいと思っています！
●リリース情報
中島 怜 デビューシングル
TVアニメーション『シュガーアップル・フェアリーテイル』第2クールOPテーマ
「サプライズ」
7月19日（水）発売
■mora
通常／配信リンクはこちら
ハイレゾ／配信リンクはこちら
【初回限定盤（CD＋Blu-ray）】
品番：VTZL-230
価格：￥￥2,420（税込）
【通常盤】
品番：VTCL-35360
価格：￥1,320（税込）
＜CD／初回限定盤＞
01. サプライズ
作詞：岩里祐穂 作曲：前口ワタル 編曲：h-wonder
02. はじまる
作詞：中島 怜 作曲：レスポール田中 編曲：北川勝利 ストリングス編曲&ホーン編曲：Tansa
03. ごあいさつ
ギター演奏・語り：中島 怜
04. サプライズ -Instrumental-
05. はじまる -Instrumental-
＜CD／通常盤＞
01. サプライズ
作詞：岩里祐穂 作曲：前口ワタル 編曲：h-wonder
02. はじまる
作詞：中島 怜 作曲：レスポール田中 編曲：北川勝利 ストリングス編曲&ホーン編曲：Tansa
03. サプライズ -TVサイズ-
04. サプライズ -Instrumental-
05. はじまる -Instrumental-
＜Blu-ray＞
「サプライズ」Music Video＆メイキング
●作品情報
TVアニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル」
2023年7月より第2クール放送中
＜中島 怜/プロフィール＞
生年月日：2004年11月27日
血液型：AB
出身地：愛知県
身長：147cm
趣味・特技：絵を描くこと(アボリジニアートなど)、ギター、アニメ観賞
好きな食べ物：白米、和菓子
幼い頃に見た「カードキャプターさくら」がきっかけで、アニメや歌に興味を持ち、2022年、フライングドッグが開催したオーディション「犬コン!」の声優・歌手・シンガーソングライター部門に応募、見事グランプリを射止めた。
この春には高校を卒業し、大学に進学。ふわふわしたマシュマロのようなピュアな歌声と、無邪気で飾り気のない天然素材キャラが魅力の18才。
音楽や歌声でたくさんの人の心に愛を伝え、誰かの幸せの一部になれるようなアーティストを目指す。
©2023 三川みり・あき／KADOKAWA／「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
関連リンク
中島 怜 公式サイト
https://e-stonemusic.com/nakashimarei
中島 怜 公式Twitter
https://twitter.com/nakashimarei04
中島 怜 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/nanamihiroki
彼女の名前は中島 怜（なかしまれい）。フライングドッグが開催したオーディション「犬コン！」の声優・歌手・シンガーソングライター部門で見事グランプリを射止めた愛知県出身の18歳だ。無邪気で飾り気のない天然素材。混ざりもののない、透明感のある歌声はどこから生まれたのだろうか？その萌芽の軌跡と、デビューシングルについて話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
ものづくりに興味を持った、その原体験
――怜さんは小さい頃からものづくりがお好きだったそうですね。
中島 怜 小さい頃から絵を描くことが好きだったんです。
両親ともに仕事が忙しかったので保育園に遅くまで残っていることも多くて、ずっと絵を描いていました。そのときに絵を褒められる機会があって「自分で何かを生み出すのが好きなんだな」って。
――アニメを初めて観たのもその頃ですか？
中島 母がアニメ好きなんです。特にCLAMP先生の作品が大好きだったので、最初に観たアニメが『カードキャプターさくら』でした。気づいたら私もハマっていて、初めての夜更かしも『カードキャプターさくら』を観たいからという理由で（笑）。そこから主題歌をよく口ずさむようになって。
挿入歌もよく歌っていたんです。特に（大道寺）知世ちゃんの「夜の歌」が好きで、学童や塾の帰り道によく歌っていました。
――怜さんの音楽面において、ほかに影響を与えた作品というと……？
中島 『けいおん！』が好きでした。（リードギター&ボーカルの）平沢 唯ちゃんと誕生日が一緒で！「性格も似てるね」と言われることも多く、運命を感じて、その時に音楽をやっている人ってかっこいいなっていう憧れができました。
――では、アニメソング以外で影響を受けたアーティストはいますか？
中島 洋楽、邦楽、時代問わず色々な音楽を聴いているんです。“怜”という名前も、レイ・チャールズ好きな母がつけたもので。
邦ロックも好きなので、sumika、コレサワ、緑黄色社会、あいみょんなどの影響も受けています。
――ロックも好きなのかなとなんとなく感じていました。それでいて、賛美歌や聖歌のような優しく穏やかな雰囲気もあって……。
中島 通っていた中学校が聖歌隊のいる学校だったので、歌のテストも定期的にありました。担当の先生が厳しいと評判だったのですが、歌を聴いてもらったときに「なんでそんなに上手いの？」「音大に行ったほうがいい」と言ってもらえて、本当に嬉しくて！元々は勉強が苦手なタイプだったので、先生の言葉で自分の中の世界が開けた感覚がありました。
――中学の先生の一言によって、怜さんの音楽人生にはどのような変化があったんでしょうか？
中島 音大を目指すようになりました。
また、高校2年生のときからボイストレーニングにも通い始めました。そこで先生から「ギターを弾いてみたら？」と言われて、ギターを触って、曲を作ってみようと。そしたら作れたんです！
――Fコードが押さえられず挫折する人が多いなかですごいですね。
中島 私、手はすごく小さいのですが、コードを押さえることはできたんです。先生に教えてもらったギターのコードくらいしかわからない状態でしたが、なんとか曲は作れました。表立った活動はしていないのですが、曲作りは続けていて。
――フライングドッグが開催したオーディション「犬コン！」に応募されたきっかけはなんだったのでしょうか？
中島 ボイトレの教室に「犬コン！」のポスターが貼ってあったんです。ポスターやHPにさくらちゃんが載ってたんですよね。「あ、さくらちゃんだ！受けてみよう！」と。元々『カードキャプターさくら』で坂本真綾さんが好きだったのですが……でもレーベルとかは意識したことがまったくなくて（苦笑）。
――蓋を開けてびっくりという状態？
中島 はい！（笑）。「私の好きなアニメを（フライングドッグが）たくさんやってる……！」って。
むしろ「私、それで育ちました！」という作品ばかりで、気づいたときに運命を感じました。
――グランプリを取ったときはどのような気持ちでしたか？
中島 私、落ちると思っていたんです（苦笑）。オリジナル曲のギター弾き語りの時には緊張しすぎてストロークがガタガタに……その次に「愛・おぼえていますか」（映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』主題歌）を歌ったときは、緊張が一気に消えて、極度のリラックス状態になって、歌詞を噛んでしまったんですね。そこで思わず笑ってしまって。サビ前になんとか挽回したのですが、「絶対に落ちたな」と。だからびっくりしすぎて「合格ってもしかして別の意味があるのかも……？」と調べたくらいで。
――（笑）。自然体の怜さんが光ったのかもしれませんね。怜さんはこうやってお話しされている時はふわっとした雰囲気。でも火がついた時のアグレッシブさがすごいなと。
中島 何事もやらないと気がすまない性格なんです。諦めるという選択肢がないので、ギターを買ってもらうときも、何度もお願いをして母には「くどい！」と言われていました（笑）。曲作りのときも納得するまでやらないと気がすまなくて。それは歌う時もそうです。元々こだわりが強いタイプなんですよね。話がそれてしまうのですが、私、普段から色々なところに体をぶつけてしまうんです。で、右だけぶつけてしまうのが嫌で、左側もぶつけようって。
――え!?（笑）。
中島 右だけ痛いっていうのが気持ち悪くて、バランスを取ろうと。色々なことに対して、気になり始めるとキリがない。周りからは「おかしいよ」って言われます（笑）。でも父も母も、小さい頃から自分の好きやそういうこだわりを否定しないでいてくれました。
――のびのびと育ててくれたんですね。あのきれいで澄んだ歌声はどこから生まれるんだろうって思っていたのでなんだか納得しました。ご自宅は緑豊かな場所に？
中島 はい。愛知県瀬戸市出身なのですが、実家は山の方というか……自然に囲まれた場所にあります。父が仕事柄、海外に出張する機会が多く、その時には一緒についていって。特にアメリカのミシガン州には長くいたので、リスと遊んでいました（笑）。
――「サプライズ」のMVも自然に囲まれた場所での撮影でしたね。
中島 「サプライズ」のMVは地元の瀬戸市に少し近い雰囲気です。「サプライズ」をレコーディングした時はまだ地元にいたのですが、曲を初めて聴いたときに、瀬戸市の雰囲気にすごく似合ってるなって。「こういう自分でいたい」と思う自分を形にしてくださっている感覚があって、とてもありがたいです。MV1つからも、プロデューサーの福田（正夫）さんと目指す方向性が一致しているようにも思っていて。良いスタッフさんに恵まれ、フライングドッグに所属させてもらえて良かったなってしみじみ思います。
私にしかできないことを大切にしたい
――そのデビュー曲は『シュガーアップル・フェアリーテイル』第2クールOP主題歌です。
中島 原作を読ませていただき、すごく面白くて、夢中になって読みました。この素敵なお話の主題歌を担当できることを嬉しく思っています。同時に「自分がやっていいのかな」「自分に歌えるかな」という気持ちもありました。アンとシャルの関係も、ただの恋愛ではなく、人間と妖精で、複雑な背景があって。1クール目のときにすごい終わり方をしたので、ただ元気に歌うだけじゃダメだなって。でも素敵な曲をいただいたので、しっかり歌いたい！って。
――アンの真っ直ぐさは怜さんにも重なるような気がします。
中島 原作を読んだときに共感がすごくて。だから歌いやすかったです。自分にも重なるし、アンにも重なるし。それを大切に歌わないとなと思いました。
――歌詞を書かれたのは岩里祐穂さん。『カードキャプターさくら』好きとしても嬉しいことですよね。
中島 そうなんです！岩里さんの書かれる歌詞は、冒頭から心を掴まれるものが多くて。「サプライズ」の“未来は誰も見たことがない 誰も知らない 朝もやに覆われたあの太陽みたいにね”という言葉にも掴まれました。それってすごいことだなって。今、まさに大学で作曲の授業を受けているんです。今までは感覚的に作ってきましたが、大学に通い、作詞も含めて曲を作るって改めて難しいことなんだなと感じました。授業を受けているなかで岩里さんの歌詞を見ると、考えさせられるものがあります。でも私は私の歌詞を書かなければいけないので、自分が感じたものを大切に書くようにしています。
――理論的なものを知らないほうが自由に曲を書ける、という場合もあるかもしれませんね。
中島 実際、何も知らないときのほうが自由に書いていた気がします。でもこれからプロになる身としてはしっかり学んだうえで音楽を発信したいなと。カップリング曲の「はじまる」の編曲をしてくださった北川（勝利）さんに「DTMをやったほうがいいよ」というアドバイスをいただき今勉強中です。
――その「はじまる」では作詞もされています。
中島 実は福田さんに「歌詞を書きますか？」と言っていただいて、その帰り道に、悩みながら歌詞を書いてみたらサビ前まで書けたんです。それを送ったら「このまま書き進めてください」と言ってもらえて。
――「はじまる」はまさにこれから始まることを宣言するかのような、明るいメッセージソングですね。
中島 明るくポップな曲調なので恋愛の曲にも、始まりの歌にもできるなって感じていました。でも始まりの歌は今しか書けないから「こっちを書こう！」って。そしたら書くことができました。オーディションのときも思ったんですけど、ありえないことってないんだなって。奇跡のようなことに思えますし、当たり前ではないんですけど、できないことではない。それに気づいたらすごく嬉しくなって、自分の自信にもなりました。
――始まりの今しか書けないという意味では“はじめまして”から幕を開けるおしゃべり風の「ごあいさつ」も、初回限定盤には収録されています。
中島 あれは完全な一発録りなんです。練習のときの音源をそのまま使っていて、だから少し恥ずかしさもあるのですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
――ところで、怜さんの歌声には息の成分が多いように感じました。そこがすごく魅力的だなと思ったのですが、意識されているのでしょうか？
中島 福田さんが導いてくれました。元々息漏れ気味な声質なので、ボイトレで注意されていたんです。息多めはダメなんだなと思い、「サプライズ」の仮歌のときに声を張って歌ったら、「もっとウィスパーボイスで素直な感じで歌ってほしい」「上手く歌おうとしなくていい」「息が多めなところが中島さんの良いところ」って言ってくださって。それまでは自分の歌声の良さも自分の最適なキーもわかっていなくて。デビュー曲で、気合いが入りすぎて、上手く歌おうとしてしまったんですね。でもそれが良い音楽に繋がるわけじゃないんだなと気づかされました。そこからキーを2つ上げて、ありのままで歌ってみました。
――コーラスも素敵ですよね。
中島 元々コーラスは苦手だったんです（苦笑）。でも編曲を担当していただいたh-wonderさんがコーラスの指導をしてくださって。h-wonderさんは私の大好きな坂本真綾さんの「ループ」を作っている方なので、最初は緊張していたのですが、本当に優しく教えてくださり、ファンになってしまいました（笑）。憧れの方たちが一緒に良い作品を作ってくださり感謝しかありません！
――“一歩踏み出せば世界は変わる”ことをまさに実感されている最中なんですね。
中島 はい！
――ありがとうございました！では最後に質問させてください。メジャーデビューを経て、怜さんが今後挑戦したいことは？
中島 音楽的なことで言うとギターを上手くなりたいです。あとは作詞もしたいし、いつかは作曲もしたいです。自分の曲を編曲してもらったことがないので、どう生まれ変わるのかも興味があります。あと、邦ロックのフェスにもよく行っているのでフェスにも出たい！色々なことにチャレンジするためにも頑張りたいと思っています！
●リリース情報
中島 怜 デビューシングル
TVアニメーション『シュガーアップル・フェアリーテイル』第2クールOPテーマ
「サプライズ」
7月19日（水）発売
■mora
通常／配信リンクはこちら
ハイレゾ／配信リンクはこちら
【初回限定盤（CD＋Blu-ray）】
品番：VTZL-230
価格：￥￥2,420（税込）
【通常盤】
品番：VTCL-35360
価格：￥1,320（税込）
＜CD／初回限定盤＞
01. サプライズ
作詞：岩里祐穂 作曲：前口ワタル 編曲：h-wonder
02. はじまる
作詞：中島 怜 作曲：レスポール田中 編曲：北川勝利 ストリングス編曲&ホーン編曲：Tansa
03. ごあいさつ
ギター演奏・語り：中島 怜
04. サプライズ -Instrumental-
05. はじまる -Instrumental-
＜CD／通常盤＞
01. サプライズ
作詞：岩里祐穂 作曲：前口ワタル 編曲：h-wonder
02. はじまる
作詞：中島 怜 作曲：レスポール田中 編曲：北川勝利 ストリングス編曲&ホーン編曲：Tansa
03. サプライズ -TVサイズ-
04. サプライズ -Instrumental-
05. はじまる -Instrumental-
＜Blu-ray＞
「サプライズ」Music Video＆メイキング
●作品情報
TVアニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル」
2023年7月より第2クール放送中
＜中島 怜/プロフィール＞
生年月日：2004年11月27日
血液型：AB
出身地：愛知県
身長：147cm
趣味・特技：絵を描くこと(アボリジニアートなど)、ギター、アニメ観賞
好きな食べ物：白米、和菓子
幼い頃に見た「カードキャプターさくら」がきっかけで、アニメや歌に興味を持ち、2022年、フライングドッグが開催したオーディション「犬コン!」の声優・歌手・シンガーソングライター部門に応募、見事グランプリを射止めた。
この春には高校を卒業し、大学に進学。ふわふわしたマシュマロのようなピュアな歌声と、無邪気で飾り気のない天然素材キャラが魅力の18才。
音楽や歌声でたくさんの人の心に愛を伝え、誰かの幸せの一部になれるようなアーティストを目指す。
©2023 三川みり・あき／KADOKAWA／「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
関連リンク
中島 怜 公式サイト
https://e-stonemusic.com/nakashimarei
中島 怜 公式Twitter
https://twitter.com/nakashimarei04
中島 怜 公式YouTube
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