どうなる?食料品の消費税2年間ゼロ

 「食料品の消費税2年間ゼロ」をめぐり、いま税率を「0%」ではなく「1%」にする案が浮上しています。

 背景にあるのが、レジシステム改修に要する期間。 公約通りの「0%」か、早く実現する「1%」か…?そもそも、消費税減税は本当にベストな政策なのか?

 野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏への取材を交えて解説します。

これまでは「レジシステムの改修に1年程度かかる」

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピ...の画像はこちら >>

 「2年間に限り食料品消費税0%の実現に向け検討を加速する」と衆院選の公約で掲げた高市総理。先月27日には、その実現を諦めていないと強調しました。

 「食料品の消費税ゼロ」についてはこれまで、一部事業者から「レジシステムの改修に1年程度かかる」との見通しが示されていました。

 今のレジシステムは「消費税がある前提」で組まれていて、税率の設定には対応できるものの、0%にするためには時間がかかるというのです。また、「0%」と「非課税」が区別できないのではとも言われています。

新たな案では「税率1%なら3か月程度で対応可能」

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 こうした中、「税率1%なら3か月程度で対応可能」という案が大手システムメーカーから出されました。

 経済産業省は他メーカーにも同様の期間で対応できるのか確認したところ、大手メーカーからは「5か月から6か月程度で対応可能」との回答があったといいます。

 <国民会議のヒアリング結果>
  ▼0%にするには…約1年
  ▼1%にするには…約5~6か月

0%か1%か…世論の反応は?

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 公約通り0%にすべきか、早期に1%を実現すべきか…食料品消費税をめぐってはJNN世論調査で次のような数字が出ています。

 <Q食料品消費税2年間ゼロについて>4月調査
  ▼賛成 54%
  ▼反対 37%
  ▼答えない・わからない 9%

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 <Q食料品消費税について>5月調査
  ▼時間が短縮できるなら「1%」への引き下げでもいい 47%
  ▼減税すべきではない 26%
  ▼公約通り「0%」にすべき 24%

専門家「0%か1%かよりも…」

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 0%か1%か…野村総合研究所・木内登英氏は「どっちでもいい」と指摘。「0か1かよりも“財源”の議論を先にすべき」だと言います。

 現状、議論されている約5兆円の“財源”案は次のとおりです。
  ▼企業向け補助金    約4.7兆円
  ▼法人向け租税特別措置 約2.9兆円

 一方、これらの産業政策5兆円を減らして大丈夫なのか、という意見もあるようです。

2025参院選“給付”掲げて自民大敗「対象を絞った給付金を」

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 給付付き税額控除までの“つなぎ”として合理的な物価高対策として、木内氏は「スピード感を持ってできる給付金」を挙げます。

 ただし、2025年参院選の公約で自民党は「国民全員に一律2万円給付」「子ども・非課税世帯の大人には1人2万円加算」を掲げたものの、大敗しました。

 これを踏まえて、木内氏は「対象を絞った給付金を」と提案します。

国民民主党「低中所得者を対象として1人5万円程度を支給する案」

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 「(給付付き税額控除の迅速版として)低中所得者を対象として1人5万円程度を支給する案」を議論しているのが国民民主党です(7日党会合)。 

食料品消費税減税 4つの課題とは?

【食料品消費税】公約通り0%?早く実現1%?第3の道も「スピード感を持ってできるのが…」減税に向けて4つの課題指摘「2年後に税率戻せる?」【専門家解説】
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 そもそも、低中所得者支援のための「給付付き税額控除」を実施するまでの「つなぎ」として考えられている食料品消費税減税ですが、木内氏は4つの課題を挙げています。

(1)導入まで「時間がかかりすぎる」(5か月~1年)
   ・物価高対策として間に合わない

(2)低中所得者層の支援として「弱いのでは」
   ・金額としては消費が多い高所得者の恩恵大
   ・支援重視なら恒久的に

(3)2年後に「税率を戻せるか」
   ・戻すと“増税”に
   ・政治的に難しいのでは

(4)「外食産業」への打撃
   ・店内飲食   10%→10%
   ・テイクアウト 8%→0%

0%か1%か、それとも給付か…消費税に関して、近く高市総理から何らかの発信があるのではないかと永田町では言われているようです。

(2026年5月7日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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