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学校で習う日本史は、いわば「その時の政府」が教えたいと思う歴史である。
日教組が教えたい歴史を講ずる先生もいたが、結局、生徒にとって歴史とは年代を暗記し、出来事を覚えるものだという印象に終始した。
ところが NHK「ファミリーヒストリー」はそんな私たちが習ってきた「歴史」とは全然違なる視点からの歴史を考える番組だ。個人がどう考えどう動いたか、どんな風に働き、妻を娶り子をなしたか。どうやって挫折をし、立ち直りっていったか。家族を取り巻く大勢の人々の営みの「歴史」が語られている。
番組では個人に焦点をあてられてはいるが、彼や彼女の動きから「その時代」が生き生きと浮かび上がってくる。それは従来からあるような大所高所から時代を浮かび上がらせる歴史学の手法とは反対のベクトル、つまり市井の個人を語ることで時代を浮き彫りにしてくるのだ。
【参考】NHK「超入門!落語THE MOVIE」は本物の落語ブームを起こせるか?
例えば、政治的な事情からテレビ番組としては作ることが難しい近現代の歴史は、貧しさゆえに満州に渡ったり、集団就職したり戦争に従軍したりと、つい最近の曽祖父母や祖父母たちの悲しみや喜びから立ち上がってくる。
10月13日に放送された女優・財前直美氏の回がそれだった。
彼女の叔父、父親や母親が田圃にはいつくばって働き、子沢山でなんとか父母を助けたいと娘や息子が中学卒業で集団就職をする姿が見えてくる。それでも職場内で知識を与えようと授業をしたり、恋をする若者がいる。
筆者はこれこそが実歴史であると思う。
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