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【かぶオプコラム】
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【格言かぶオプコラム】第12回:「株を守りて兎(うさぎ)を待つ」― 成功体験に縛られない投資 | 東証マネ部!

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新年度の「かぶオプコラム」がスタートしました。今年度は、実際の相場の動きや最新の話題も取り上げながら、「株式投資の現場で、かぶオプをどのように武器として活用するか」をより実践的に解説していきます。



第1回のテーマは、多くの投資家が頭を悩ませる「決算シーズンの乗り越え方」です。

株式投資家にとって、決算シーズンは悩ましい時期になりがちです。というのも、決算発表をきっかけに、市場の景色がガラッと変わってしまうことがあるからです。

良い決算が出れば株価は上がる、悪い決算なら下がる。そう考えたくなりますが、実際の相場はそれほど単純ではありません。

たとえば、あらかじめ好決算が予想されている銘柄では、その期待がすでに株価に織り込まれていることが少なくありません。そのため、決算発表自体は良くても、発表後にはかえって株価が下がることがあります(【格言かぶオプコラム】第11回「Buy the rumor, sell the fact(うわさで買って、事実で売る)」参照)。

では、悪決算が予想されている銘柄なら安心かというと、もちろんそうとも限りません。想定以上の悪化が示されれば、さらに大きく売られることもあります。つまり、好決算予想でも、悪決算予想でも、決算またぎは簡単な勝負ではないのです。

ここで重要なのは、決算そのものの良し悪しよりも、「市場の期待と結果との差」が株価を動かすという点です。言い換えれば、決算シーズンで本当に見るべきなのは、「良い決算か悪い決算か」ではなく、その結果が「どこまで織り込まれていたのか」なのです。



つまり、決算シーズンは株価の方向を当てにいく場面というよりは、「株の持ち方を考える場面」だと言えるでしょう。決算をまたいで株を持ち続けるべきか、それとも、いったん売って様子を見るべきか。この問いに、悩んだことのある方も少なくないはずです。

発表前に株を売ってしまえば、好決算だったときの上昇を取り逃すかもしれません。しかし持ち続ければ、失望売りで大きく下げる可能性もあります。どちらの判断が正解だったのかは、後になってからしかわかりません。

では、こうした局面で投資家はどう備えればよいのでしょうか。株式投資だけでは「持つか、売るか」の二択になりがちですが、ここに「かぶオプ」を加えることで、どう出るかわからない決算を悩まずに乗り切ることができます。

【1年で学ぶ かぶオプ投資術】第1回:決算シーズンを賢く乗り切る投資手法


(1)決算前の予想が好決算の場合

好決算が予想されている場合は、その期待を織り込んですでに株価が上昇している場合が多々あります。そのため、実際の発表で予想をさらに上回るような良い発表が出なければ、発表後の株価があまり上がらない、あるいは、反落することさえあります。したがって、いったん決算前に株を売って利益を確定するのが合理的な判断です。

そうした上で、決算発表後の上昇余地も残しておきたいなら、現物株の代わりにコール・オプションを買っておきましょう。

そうすれば、発表後に株価が下がっても損失はコールの買い代金に限定されますし、ポジティブ・サプライズがあった場合には、コールの値上がりによって上昇のチャンスを取りにいくことができます。

とは言え、好決算予想の銘柄を、長期保有の方針などで株を手放したくない場合もあるでしょう。そのときは、もしもの時の保険としてプット・オプションを買っておくのが有効です。決算発表後に株価が下がったとしても、プットの値上がりによって損失をカバーしやすくなります。

(2)決算前の予想が悪決算の場合

悪決算が予想されている場合は、すでに株価が下落していることが多く、そこで株を売るのは心理的にもつらいものです。しかし、発表が予想通りの悪さだった場合には、悪材料が出尽くしたことで下げ止まったり、反発することもあるので、悪決算予想だからといって必ずしも決算発表前に株を手放すこともありません。

ただし、事前予想よりもさらに悪い結果が出たとなれば話は別です。この場合、株は一段と大きく売られることになるでしょう。ですから、このような場面でもプット・オプションを保険として買っておくのが有効な戦略です。

以上の結果をまとめると、「決算発表をまたいで株を持っているのであれば、プット・オプションを買っておく」という「プロテクティブ・プット」が有効です。一方、「決算発表をまたいで株を持っていないのであれば、関心のある銘柄のコールを買ってみる」のも面白い戦法になります。

オプションの買いは損失が限定されるため、決算発表を前に不安が大きくなる局面でも落ち着いてポジションを取ることができますが、コールでもプットでも、発表の1~2日前に買うのが基本です。

1週間以上前だと不要に高いオプションを買うことになりかねません。また、買ったオプションは利益が出ても出なくても、決算発表が出たあとは数日以内に売却しましょう。オプションは株と違って満期日がありますので、時間とともに価値も下がってしまうためです。

決算シーズンを「ハイリスクなギャンブル」にするか、備えを持って乗り切る局面にするか。その分かれ道は、株価の方向を当てる能力ではなく、変動に対する備えを持っているかどうかにあります。かぶオプを使って、決算シーズンも賢く乗り越えていきましょう。

かぶオプ入門(5)|コール買い戦略
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_05.html

かぶオプ入門(6)|プット買い戦略
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_06.html

(提供元)株式会社シンプレクス・インスティテュート

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