2代目ファミリアは67年11月に、1.0Lのレシプロエンジン搭載車として登場した。

当時の資料を調べてみると、ファミリアにRE搭載の予定はなかったという。
その後、高額のコスモスポーツ以外に廉価版のRE搭載車の設定なくして、REの普及は難しいということになり、ファミリアに白羽の矢が立った。

 そして開発中だったクーペボディに量産型10A型エンジンを載せて、ファミリア・ロータリークーペはデビュー。言うなればマツダがRE車普及の勝負をかけて、世に送り出した1台だったのだ。

 そうしてREとレシプロエンジン、両方の搭載車が併売される形となったファミリアは、レシプロエンジンが1.0L、1.2L、1.3Lとマイナーチェンジの機会に排気量を拡大する一方、RE搭載車はシリーズのスポーティーモデルとして、常にトップに立っていた。

 そんなファミリア・ロータリークーペのエンジンは、コスモスポーツと同じ10A型だったが、低速での扱いやすさを考慮して最高出力を10ps 抑えて100psとし、最大トルクも若干向上させた。翌69年7月には4ドアセダンのファミリア・ロータリーSSを発売。
外観は一見地味なセダンながら、格上のスポーツモデルを追い回すほどの高性能を持ち、居住性、使い勝手のいいファミリーカーとして受け入れられたのである。

 そして1970年4月、マイナーチェンジでファミリア・プレストシリーズとなり、RE搭載の各グレードもそれを受けて車名が変更された。

クーペGSとセダンTSSの専用装備だったT型ダッシュボードなど、全ての画像を見る