矢野顕子と上妻宏光によるユニット「やのとあがつま」の公演が12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開催された。矢野のフェットチーネグミのようなピアノと歌声に、上妻のエッジの効いた津軽三味線が呼応。
マニピュレーターとして参加した深澤秀行が打ち込み音源と生演奏を同期させ、「じんじん」「津軽じょんから節」などの民謡を新しい音楽としてリブート(再起動)した。
 ボーダーレスな活動を続ける矢野と日本を代表する三味線奏者の上妻が共演や共作を通じて信頼を深め、2019年に結成した。
 沖縄公演では、ご当地の「じんじん」を、飛び交う蛍の光跡のように拍を揺らしながら、旋律を自由にほどくアレンジで披露。「津軽じょんから節」も明るさが生きるアプローチになった。
 民謡の「秋田音頭」「稲すり節」、そして昭和歌謡の「達者でナ」「恋の季節」と、変幻自在に形を変える弾力と甘酸っぱさのある矢野の歌とピアノに、メカニカルな正確さで加速していく上妻の三味線が絡み合う。それをエレクトロニックな要素でフレーミングした。
 坂本龍一の「Tibetan Dance」やユニットオリジナルの「ふなまち唄Part3」などアンコールも含め計16曲を披露。ジャパンツアーの最終公演とあって、矢野らもリラックスしたトークと集中した演奏を聴かせる。ねぶた祭りをモチーフにした「ふなまち唄Part3」の「ラッセラー」のはやしなどに客席も応えて手拍子を重ねた。(社会部・真栄里泰球)
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