【那覇】台風6号の影響で、那覇市の中心商店街や同市安里の栄町市場では、アーケードを覆う天井が暴風雨に見舞われ破損した。公設ではないアーケードは、それぞれの店主や通り会、組合が管理している。
関係者は台風のたびにかさむ修理費用に頭を抱えている。(社会部・末吉未空)

台風の影響で天井のテントが破れ、青空が見えるアーケード=2日、那覇市牧志

 那覇市の中心市街地は、終戦直後に「闇市」として発展した。物資が乏しい中で開かれた市場は、非合法ながら「戦後の復興を支えた」ともいわれる。
 アーケードは、現在の建築基準法や消防法に照らすと違反になる場所も多いが、法整備前からあるため「既存不適格」に該当し、現在も存在している。市は原則として、アーケードの撤去に関する補助金は用意しているが、違反している場所への修理や新設の補助には至っていない。
 なは市場振興会理事長の新里俊一さん(59)は暴風警報が発令された1日、6時間ほどかけて商店街一帯の状況を確認し、飛来した木材やトタン屋根の片付けに追われた。市のアーケード撤去に関する補助金に感謝する一方、「災害時は撤去だけでなく、応急処置ができるように対象を拡大してほしい」と求めた。
 かつてアーケードを造った当事者は今はほとんどいないという。「残されたのは老朽化したアーケード。維持管理の負担もあるが、恩恵を受けて商売している人がいるのも事実だ」と指摘する。「新設か、撤去か。俺はこの街が好きだから、これからも商売が続けられるように議論を深めたい」と語る。

 同市牧志で琉球衣装などを扱う店の70代女性は、破れた天井を見上げ「雨や日差しで商品が駄目になる」と声を落とす。これまで何度も修理費用を負担してきたが、中心商店街で商売を続けるのは「戦後の沖縄はここから始まったという誇りがあるから」。費用がかかることも「商売するには必要だからしょうがない」と割り切った。

暴風で天井のテントが破れた栄町市場。漏電のリスクがあるため電気はついていない=2日、那覇市安里

 同市安里の栄町市場では、アーケードを覆うテントが破れたり、照明器具の一部が破損しぶら下がったりするなど、危険な状況が確認された。栄町市場で薬局を営む70代女性は今回、約10万円の修理費用の負担を検討するが、「金額が高いから経済的な面で考え込んでしまう」と嘆く。夜は居酒屋が開店しにぎわうため、「来る人のためにも直さないといけないとは思うけど、そろそろ限界」と漏らした。
 栄町市場組合理事の山田紗衣(さえ)さん(44)は「修理はお金がかかるから、組合から『直して』とは言えない。市が一部補助してほしい」と要望した。
 市場は近年、新たな店舗も増えた。自ら造ったわけではないアーケードの修理費用を負担するには、これまでの経緯を踏まえ、丁寧な議論と合意形成を図る必要がある。事務局長の永山千穂さん(48)は「今後どうするのか、決断するタイミングに来ているかもしれない」と話した。
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「そろそろ限界」 台風のたびに修理費かさむ 老朽化アーケード、維持か撤去か 那覇市・商店街
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