ライブの開幕を告げるOVERTUREでは、3期生から6期生までのメンバーが順番に加入時の制服姿で梅澤のもとに集合し、ともに東京ドームへと歩き出す映像が流れた。大歓声の中、気球に乗って上空から登場した梅澤は、冒頭の1曲目「空扉」から早くも目に涙を浮かべる。「きょうは私にとってのラストステージ!みんなのこと楽しませます!東京ドームいくよ!」と高らかに宣言し、会場の熱気を引き上げる。
最初のMCでは、「私の乃木坂46への感謝を表したライブになっていると思います。緊張してます!」とはにかみ、ここからライブは梅澤の乃木坂46での歴史を紐解くブロックへと突入していく。
3期生の初期制服で改めてステージに登場した梅澤は、まず5期生とともに「ハルジオンが咲く頃」を披露。これは梅澤が3期生として初めて参加した2017年のバースデーライブで披露した思い出深い一曲だ。続いて、初めてオリジナルポジションをもらったアンダー楽曲「新しい世界」、そして初めて選抜メンバーに選ばれた「ジコチューで行こう!」を立て続けにパフォーマンスし、自らの原点と飛躍の軌跡を後輩たちとともに表現してみせた。
ここからの中盤戦は、梅澤が強く記憶に残る楽曲たちで構成された6曲のブロックへ。まず、ステージ上のテーブルに並ぶ食器たちを前に、「もう若様軍団は私しかいない」とこぼす梅澤に対し、筒井あやめ、奥田いろは、鈴木佑捺らが「梅澤軍団作ったらいいじゃないですか!」「私たちに一緒に歌わせてください!」と直訴。梅澤の「今夜限りの梅澤軍団結成!」の掛け声で始まったのは「失恋お掃除人」。「若様、見てくれていますか!」と、軍団長だった若月佑美への思いを叫び、筒井にスプーン、奥田にフォーク、鈴木にナイフを担当させ、自身は見事に“箸芸”を継承。
続いては「ファンタスティック3色パン」を小川彩、賀喜遥香とともに披露。間奏ではおなじみのルーレット企画も実施された。梅澤は「最後だしやる!やるよ…」と照れながらも「何見てるの?私がきれいだって?もう、バーカ!」と、アイドルとして最後の“メロメロせりふ”を炸裂させた。
さらに、かつて与田祐希の卒コンで「大きいユニットを作ってやるんだから!」と宣言した流れを汲み、金川紗耶、林瑠奈、五百城茉央、冨里奈央、大越ひなの、海邊朱莉ら高身長ユニットによる「悪い成分」を艶やかに披露。そのクールな空気感のまま、同じく“大きい人”のセンター曲である「踏んでしまった」へとつなぎ、ダイナミックなダンスで魅了した。その後は田村真佑、弓木奈於との“同い年トリオ”で仲良く「急斜面」を歌い上げた。
そして会場が静寂に包まれる中、遠藤さくらがバックステージから、梅澤がメインステージから互いに歩き出す。センターステージで合流すると、「歩道橋」を2人でパフォーマンス。美しく儚(はかな)いペアダンスに誰もが心を奪われた。曲の最後、すれ違う二人の間で遠藤だけが振り返り、涙をあふれさせながらも梅澤の後ろ姿に頭を下げる。しかし、梅澤は一切振り向くことなく歩みを進める姿が、強く美しく、そして切なく焼き付いた。
ライブの後半は、期別ブロックへと突入。1stシングルのカップリング曲であり、1期生楽曲の「失いたくないから」を梅澤がソロ歌唱。スクリーンには先輩たちとの写真が映し出され、「先輩方の作った乃木坂が世界一のグループだと思っています。私を導いてくれてありがとうございました」と、あふれる思いを届けた。
続いて加入2年目の6期生と「タイムリミット片想い」を弾ける笑顔で踊り、5期生とは「泣いたっていいじゃないか?」を披露。間奏中には、かつて若月佑美が卒業コンサートで行った演出と重なるように、梅澤から5期生メンバーそれぞれに合った花が手渡された。4期生とは「日常」で圧倒的な熱量をぶつけ合い、最後に登場した3期生4人では「世界はここにある」をパフォーマンス。直後、「三番目の風」の歴史を辿るVTRが流れ、当初12人だったメンバーが4人へと変遷していく様が映し出される。「今までたくさん歌ってきたね。今日は4人で届けよう」。梅澤の背中を押す、力強くも温かい風がドームに吹いたかのような「三番目の風」の最後、4人は固く抱きしめ合った。
いよいよライブも佳境へ。
本編最後のMCで、梅澤は「これが私の愛した乃木坂46です。私はこのグループからいろんなものをもらいすぎてしまいました。人との出会いも、強くなった自分も。この場所に導いてくださった先輩方に心から感謝していますし、今をつくるメンバーのこともすごく大切に思っています。次が最後の曲になるのですが、ここで出会った皆さまへ。そしてここにいるメンバーへ、矢印を向けて歌いたいと思います」。
そう語り、本編の最後に選んだのは「My respect」。メンバーと向き合って踊り、一人ひとりと目を合わせながら、あふれんばかりのリスペクトの気持ちを伝え合った。
アンコール後のVTRでは、梅澤の憧れの人・白石麻衣からのサプライズメッセージが流れた。「副キャプテンを決める時、スタッフさんと話すことがありました。私もスタッフさんも『絶対に梅澤しかいない』と同じ思いでした」「私が乃木坂46を今も誇れているのは、美波のおかげです。お疲れ様。そして、ありがとう」。
白石からの愛情に満ちた言葉を受け、ステージに現れた梅澤は、神々しいほどに美しいブラックのドレス姿。会場中からどよめきが漏れる中、力強く卒業スピーチを始めた。
「ファンの皆様から今の私はどう見えているんですかね。今の私は、とっても強くなりました。きっと守るものができたからだと思います。
先輩方がみんな卒業されて、私は少しグループに危機感を持っていた時に、キャプテンというバトンをもらいました。当時は重たくて苦しかった。でもここまで全部自分で大丈夫にしてきました。今は、キャプテンというこの看板をすごく誇りに思うし、もしもう一度生まれ変わって乃木坂の人生を歩めるのなら、絶対私は3代目キャプテンをやりたいです。そう思えるくらい、本当に自分にとって宝物だなと思えるバトンをいただきました」
そして残される後輩たちへ「自分に自信が持てない時は、乃木坂46というグループに自信を持ってください。乃木坂は最強だから大丈夫」とエールを送り、「私は今まであまり自分を褒めてこれなかったけど、今自分に言葉をかけるのなら、本当に今日までよく頑張った。私に任された役目は100%全うできた。そうやって自分にも言葉をかけてあげたいです」と、胸を張った。
そして、自身のために書き下ろされたソロ曲「もう一つの太陽」へ。「私も誰かにとったら太陽だったのかなって。
その後は「僕だけの光」「転がった鐘を鳴らせ!」「ガールズルール」と続き、トロッコで会場中を駆け巡る。「強く見せたくて黒ドレスにしたの(笑)」と笑う梅澤に、菅原は「5年間一緒に過ごしてきて一番綺麗でした。全身で楽しんでいる梅さんを見られて、私はとってもうれしかったです」と語りかけると、梅澤は「夢を見ているみたいで。でも本当に楽しかった!めちゃくちゃ楽しかった!」と清々しい表情を見せた。
「最後はやっぱり、ファンのみなさんと一番一体感を感じられるこの大切な楽曲をみんなで歌って終わりたいです」と、「乃木坂の詩」へ。5万人の紫のサイリウムがドームを揺らす中、突如ファンから梅澤へ向けたサプライズのメッセージ映像が映し出されると、梅澤の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。各期からのメッセージでは、6期生の瀬戸口、5期生の井上和、4期生の遠藤さくらが力強い決意を伝え、最後に3期生の伊藤理々杏、岩本蓮加、吉田綾乃クリスティーからの愛あふれる言葉に、梅澤は「あなたたちに支えられました。ありがとう」と心からの感謝を返した。
「9年8ヶ月、本当にありがとうございました。これからの乃木坂46の未来を皆さんに託します。どうか、私の大切な同期を、後輩をよろしくお願いします。私はとっても幸せでした。ありがとうございました!」。
全ての思いを伝え終え、一人ステージに残った梅澤の前に現れたのは、メンバーが入って行ったものとは別の扉。それは、梅澤が新しい一歩を踏み出すため、別の世界へと続く“空扉”。寂しさを微かに滲ませながらも、決意と勇気に満ちた表情で扉の先へと足を踏み入れ、梅澤美波は乃木坂46を卒業した。
■乃木坂46『14th YEAR BIRTHDAY LIVE』DAY3 ~梅澤美波 卒業コンサート~セットリスト
M00. OVERTURE
M01. 空扉
M02. 孤独な青空
M03. 狼に口笛を
M04. 僕は僕を好きになる
M05. ハルジオンが咲く頃
M06. 新しい世界
M07. ジコチューで行こう!
M08. 失恋お掃除人
M09. ファンタスティック3色パン
M10. 悪い成分
M11. 踏んでしまった
M12. 急斜面
M13. 歩道橋
M14. 失いたくないから
M15. タイムリミット片想い
M16. 泣いたっていいじゃないか?
M17. 日常
M18. 世界はここにある
M19. 三番目の風
M20. 人はなぜ走るのか?
M21. インフルエンサー
M22. 帰り道は遠回りしたくなる
M23. シンクロニシティ
M24. My respect
【アンコール】
EN1. もう一つの太陽
EN2. 僕だけの光
EN3. 転がった鐘を鳴らせ!
EN4. ガールズルール
EN5. 乃木坂の詩


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