■「常連客」「リピーター」は経営の生命線
Q.一度買ってくれたお客さんが、なかなか戻ってきてくれません。どうすれば“常連”になってもらえますか?
A.顧客満足を最優先に考え、信頼を築こうとする姿勢を持ち続けること
スタートアップでも大企業でも、「リピーターをどれだけ増やせるか」は経営の生命線です。新規顧客を獲得し続けるには多大なコストがかかります。一方、リピーターが増えれば、安定した収益が生まれ、ビジネスの基盤がぐっと強くなります。
前回述べた「購入頻度をいかにして上げるか?」に共通する考え方です。一例を挙げるとオンデーズで実践しているのが「返品を積極的に受け付ける」という考え方です。
このルールを定めた時、最初は僕も不安でした。「返品が増えたら損をするのではないか」「返品のルールを悪用されるのではないか」。そういったマイナスの想像が膨らみました。しかし実際にやってみたら、返品こそが最高の学びの場だったのです。
■「次も選ばれる」ために返品を快く受け入れる
例えば、どんなデザインが選ばれにくいのか、どのあたりに不満を感じているのか、返品理由をちゃんと分析すると、商品改善のヒントが山ほど見えてきました。
それに、返品を快く受け入れることで、お客様からの信頼感もグッと高まります。「買った後でも安心」「購入に失敗しても、ちゃんと向き合ってくれる会社だ」と感じてもらえると、次も選ばれる確率が圧倒的に上がるんです。
■購入のハードルを下げ、リピート率向上につながる
返品を積極的に受け入れることで得られるメリットについて、さらに深く解説します。
1.顧客満足度とロイヤルティの向上
返品を快く受け入れることは、顧客にとって「安心感」という大きな価値を提供します。
・購入への心理的ハードルを下げる:「もし自分に合わなかったらどうしよう」という不安は、オンラインショッピングなどで特に顕著です。返品が容易であれば、顧客は安心して購入ボタンを押すことができます。
・誠実さをアピール:トラブルが発生した際に、企業が誠実かつ迅速に対応することで、顧客は「この会社は、利益だけでなく顧客のことも真剣に考えている」と感じます。この経験は、単に商品が良いというだけでは築けない、強い信頼関係を顧客との間に生み出します。
・リピート購買率の向上:返品対応が素晴らしいと、顧客は次もその店で買い物をする可能性が格段に高まります。返品がきっかけでファンになる、というケースも珍しくありません。
2.商品・サービスの改善につながる貴重なフィードバック
返品理由は、「なぜその商品が顧客の期待に応えられなかったのか」を直接的に教えてくれる貴重なデータです。
・課題の特定:「デザインが思っていたのと違った」「サイズが合わなかった」「使い方がわかりにくい」といった具体的な返品理由を分析することで、商品企画、製造、マーケティング、カスタマーサポートなど、ビジネスのさまざまな側面における改善点が見えてきます。
・顧客の声の可視化:返品データは、顧客が口に出さない潜在的な不満を可視化してくれます。これにより、新商品の開発や既存商品の改良において、より顧客ニーズに沿った意思決定ができるようになります。
・コスト削減:返品理由を分析して根本原因を解決すれば、返品率そのものを減らすことができ、結果的に返品対応にかかるコストや無駄な在庫を減らすことにもつながります。
■返品は従業員にとっても成長の場
3.従業員の成長と組織文化の醸成
返品対応は、顧客と直接向き合う機会であり、従業員にとっても成長の場となります。
・問題解決能力の向上:返品対応を通じて、従業員は顧客の不満を深く理解し、解決策を提案する経験を積むことができます。これは、単にマニュアル通りに対応するだけでは得られない、貴重なスキルです。
・顧客中心主義の浸透:「返品はチャンス」という考え方が組織全体に浸透すれば、従業員は日々の業務において、常に「どうすれば顧客に喜んでもらえるか」という視点を持つようになります。これにより、企業全体に顧客中心の文化が醸成されます。
このように、返品を単なる損失ではなく、「顧客満足度を高め、事業を改善し、組織を強くする」ための戦略的なツールとして捉えることが、成功のカギとなるでしょう。
返品は、一見“リスク”のように見えますが、見方を変えれば顧客との接点を増やす絶好のチャンスでもあるのです。
■経営陣がLINEで顧客と直接対話する
――返品対応以外にも、リピーターを増やすために取り組んだことはありますか?
リピーターを増やすための「顧客満足の徹底追求」について、具体的な事例を交えてもう少し詳しく解説します。
リピーターを増やすためには、単に良い商品を提供するだけでなく、顧客が「このブランドと長く付き合いたい」と感じるような、感動的な体験を創出する必要があります。以下に、そのための具体的なアプローチを3つ紹介します。
1.顧客の声に耳を傾け、即座に改善する「対話」
リピーターを増やす上で最も重要なのは、顧客を単なる「購入者」ではなく、「ビジネスを一緒に創るパートナー」と捉えることです。
・事例:LINEでの顧客対応
オンデーズでは、LINEやSNSなどを通じて経営陣と顧客が直接対話する機会をできる限り多く持てるように努力しています。例えば、お客様から「もう少しフレームが軽ければいいのに」といった意見がLINEで寄せられたとします。その声を真摯に受け止め、数カ月後の新商品で「軽量フレーム」を開発し、「お客様の声をカタチにしました!」と伝えることで、お客様は「自分の意見が反映された」と感動し、ブランドヘの愛着が格段に深まります。
〈ポイント〉
顧客からのフィードバックは、新商品開発やサービス改善の最大のヒントです。重要なのは、その声を「聞いて終わり」にせず、実際に改善し、それを顧客に伝えることで、「対話」を「共創」へと昇華させることです。
■「売って終わり」ではなく「売ってからが始まり」
2.顧客の期待を超える「特別な体験」を提供する
顧客は、期待通りのサービスには満足しますが、リピーターになるには「期待以上の感動」が必要です。
・事例:アフターフォローの充実
オンデーズでは、購入後に度がうまく合わなかったレンズの交換や度数調整やフレームの歪み直しを、常に笑顔で快く、無料で対応するように心がけています。また、購入した時期がデータベースに記録され「もうすぐ購入から1年になりますが、視力にお変わりないですか?」といったメッセージを、お客様が忘れかけた頃に送るといった個別のコミュニケーションも効果的です。これにより、お客様は「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、ブランドヘの信頼がより強固なものになります。
〈ポイント〉
商品購入後こそ、真の顧客満足を測るフェーズです。「売って終わり」ではなく、「売ってからがすべての始まり」という意識で、期待を超える手厚いアフターフォローを設計することが、長期的な関係構築につながります。
■顧客の承認欲求を満たし、応援してもらう
3.「常連客」を特別な存在として優遇する仕組み
「常連のお客様が優遇されていると感じられる」仕組みは、リピーターを特別な存在として認識し、ブランドヘの帰属意識を高めます。
・事例:ランク制度や限定特典
購入回数や購入金額に応じて会員ランクを設け、ランクが上がるごとに割引率を上げたり、新作をいち早く購入できる権利を与えたりすることは一般的です。さらに一歩進んで、特定の高ランク会員だけが参加できる限定イベントを開催したり、特別なプレゼントを贈ったりすることで、常連客は「自分は特別だ」と感じ、ブランドヘの忠誠心が高まります。
〈ポイント〉
この仕組みは、単なる割引ではなく、顧客の「承認欲求」を満たすことが重要です。常連客を「特別な存在」として扱い、彼らがブランドを応援し続けたくなるような仕組みを整えることで、自然とリピーターが増えていきます。
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田中 修治
オンデーズ会長
漫画喫茶や居酒屋、携帯販売など複数の事業を手掛け、2008年に債務超過のOWNDAYS再建に挑戦し社長就任。翌年に黒字化達成。2013年にシンガポール法人を設立し海外展開を加速。2022年にインド大手Lenskart社と統合し、アジア最大級のメガネチェーンを築く。現在13カ国600店舗超。
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(オンデーズ会長 田中 修治)

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