2025年8月6日、台湾の女性ファッション誌・Bella儂儂は、「鬼滅の刃」に関する豆知識を紹介した記事を掲載した。

記事は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編が再び大きな話題を呼び、他のアニメ作品とは一線を画す存在として広く注目されている。

この作品が人々を引き付ける理由は、魅力的なキャラクター造形や熱い戦闘描写に加え、大正時代の雰囲気に合った伝統文化を取り入れた繊細な設定があるからである」と述べ、豆知識を紹介した。

まず、登場キャラクターの年齢について、「実際に確認すると非常に若くて驚かされる。公式設定資料によれば、鬼殺隊の『柱』を含むメンバーの平均年齢は高校生から大学生相当である。主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)は鬼に襲撃された当時13歳であり、その後2年間の修行を経て15歳で鬼殺隊士となっている。同期の我妻善逸(あがつまぜんいつ)、嘴平伊之助(はしびらいのすけ)、栗花落(つゆり)カナヲもほぼ同年齢だ」とした。

また、「最強クラスの柱たちも若く、霞柱・時透無一郎(ときとうむいちろう)はわずか14歳、蟲柱・胡蝶(こちょう)しのぶは18歳、他の多くは20歳前後であり、3人の妻を持つ音柱・宇髄天元(うずいてんげん)でさえまだ23歳である。最年長の岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)でも27歳。別の見方をすれば、鬼殺隊とは、ほとんどが未成年または成人直後の少年少女で構成された『ハイリスクな児童労働』と言っても過言ではない」と表現した。

さらに、「公式設定により、登場キャラクターの誕生日も明らかにされており、星座の特徴と性格が一致している点が興味深い。炭治郎は蟹座であり、まさに家族思いの優しい兄である。普段は穏やかで繊細、他人の気持ちをよく理解するが、大切な人が脅かされると迷うことなく刀を抜いて守ろうとする。山羊座の妹・禰豆子(ねずこ)は、地の星座らしい強い意志を見せており、鬼になったにもかかわらず、驚くべき自制心で人を襲わないでいる」と説明した。

続いて、「伊之助と炎柱・煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)は、食べることが大好きな牡牛座の性質を完璧に体現している。また恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじみつり)は、明るく情熱的な双子座であり、戦闘時も感情表現もエネルギーに満ちている。これらの設定はキャラクターのイメージと見事に呼応しており、ファンは星座からもそれぞれの個性や魅力をより深く感じ取ることができる」と論じた。

鬼殺隊の給料については、「鬼殺隊の入隊試験合格率はわずか2.5割で、不合格者は命を落とす。昼間は訓練、夜は鬼との戦闘で不眠不休となり、任務のたびに負傷あるいは殉職という極めて過酷な労働環境である。では、こうした仕事の待遇は一体はどうなっているのか。『鬼殺隊見聞録』によれば、最下級である『癸(みずのと)』の月給は約20万円であり、現代日本の新卒大学生と同程度である(大正時代の物価水準からすればかなりの高給である)。なお、『柱』まで昇格すれば給与に上限はなく、実質的に希望額が支給される仕組みとなっている」と紹介した。

煉獄と甘露寺との関係については、「2人の間には、実は師弟関係が存在する。甘露寺が用いる『恋の呼吸』は、煉獄の『炎の呼吸』から派生したとされている。ただし、その戦闘スタイルは師匠とは対照的であり、柔軟な長刀をリボンのように操る華麗な動きが特徴だ。特に『刀鍛冶の里編』での戦闘シーンは、その技の美しさを印象づけた」とした。

日輪刀については、「鬼殺隊が使用する日輪刀は刀鍛冶の里で製造されており、素材には『陽光山』で採掘された猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)と猩々緋鉱石(しょうじょうひこうせき)が用いられている。これらは太陽光を長年吸収した極めて希少な金属である。炭治郎が刀を折るたびに鋼鐵塚蛍(はがねづかほたる)があれほど怒るのも無理はない。なお、刀の刃に『悪鬼滅殺』と刻まれるのは柱に限られ、すべての隊士が刀を持っているわけではない。風柱の弟・不死川玄弥(しなづがわげんや)は銃を使用し、悲鳴嶼は鎖で繋いだ斧と流星錘という破壊力重視の武器を使っている」と紹介した。

また、煉獄が食べた弁当について、「『無限列車編』で煉獄は列車内で一気に13個(原作では11個)の弁当を平らげており、その弁当の中身が話題となった。公式設定によれば、それは『牛鍋弁当』であり、醤油と砂糖で味付けした牛肉、豆腐、ネギなどを詰めた、すき焼き風の大正時代の定番弁当である。豪快に食す煉獄の姿と相まって、その弁当の魅力が一層引き立っている」と評した。

刀鍛冶の面については、「刀鍛冶たちの顔には、口が歪み目がつり上がったような滑稽な表情の面を付けているのが分かる。これは日本の伝統民俗における『火男(ひょっとこ)面』で、祭りで使われることもあり、八の字眉、見開いた目、突き出た口元が特徴である。口元はかまどの火を吹く様子を模しており、常に火を扱う鍛冶場の雰囲気と合致する」と述べた。

遊郭については、「劇中に登場する『吉原遊郭』は、実際に存在した江戸幕府公認の歓楽街である。

元は日本橋付近に設けられていたが、火災と政策により浅草の日本堤地区に移転した。移転後は営業規模が拡大し、夜間営業も許可され、最盛期には2万坪を超える敷地に数千人の遊女が働く日本最大の赤線地帯となった。庶民から武士まで幅広い層が利用し、巨額の金が動く繁華街として知られていた」と説明した。

鬼殺隊の制服については、「『和洋折衷』デザインとなっており西洋式の服装が徐々に普及していった大正時代の服装変化を反映している。たとえば鬼殺隊の制服の上着は、日本の高校の制服に似た立ち襟シャツであり、その起源はヨーロッパのプロイセン軍服である。しかし、下半身のズボンは和風寄りの脚絆付きの袴で、足元は下駄、さらに羽織は和式のものだ。これは、鬼殺隊が産屋敷(うぶやしき)家の私設部隊でありながら、武士道精神を持つ剣士であることを象徴している」と考察した。

さらに、無限城については、「無限に広がるような空間感と随時変化する構造の設定が、戦闘シーンに大きな視覚的迫力と劇的な演出を加えているが、驚くべきことに、日本には無限城と非常によく似た場所が実在する。それが福島県会津にある『芦ノ牧温泉 大川荘』だ。館内は木造を基調とし、複雑に入り組んだ階段と多層構造が特徴で、まさに無限城をほうふつとさせる。また、館内では三味線の生演奏もあり、その雰囲気はまるで無限城を操る鳴女(なきめ)が登場する場面のようだ」と評した。

炭治郎ら同期5人については、「それぞれ異なる『五感』を極めている点が注目される。

炭治郎は嗅覚が鋭く、鬼の匂いや戦闘中の『隙の糸』を嗅ぎ分ける。善逸は聴覚に優れ、人と鬼の音を聞き分けることができる。伊之助は触覚に長け、空気の振動で敵の位置を特定できる。カナヲはの花の呼吸の最終奥義は、人並み外れた視力に依存しており、世界を非常に細かく見ることができる。呼吸法を使えない玄弥は鬼の肉を食べることで一時的に鬼と同等の再生力と力を得る。こうした五感に特化した能力によって、最終決戦で持ち味を存分に発揮し、物語にさらなる熱さと緊張感を加えている」と論じた。

そして十二鬼月について、「ネットユーザーの考察によると、『鬼滅の刃』に登場する鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)とその配下・十二鬼月は、さまざまな病気に対応しているようだ。上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)は『黒死病(ペスト)』と一字違いである。上弦の弐・童磨(どうま)は呼吸困難を引き起こす『肺結核』、上弦の参・猗窩座(あかざ)は『赤もがさ』に対応するとされる。無惨自身は、自己増殖し続ける『癌』の象徴とされ、無限に分裂し、擬態して生き延びることができ、癌細胞のように根絶が難しく、不老不死の恐ろしい性質を持つ。こうした設定の裏に込められた隠喩が、作品に深みを与えている」と評した。(翻訳・編集/岩田)

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