中国メディアの環球時報は1日、世界バドミントン連盟(BWF)は中国でシャトルの価格が高騰する中で「危機」を軽視しているとする香港英字メディア、サウスチャイナ・モーニング・ポストの記事を紹介した。

記事はまず、中国における原材料価格の高騰により、バドミントンのシャトルの価格はここ数カ月で大幅に上昇し、サプライヤーが世界中の愛好家からの高まる需要への対応に苦慮する中、BWFのトマス・ルンド事務局長が「価格の高騰が世界中のバドミントン界に影響を与えていることを認識している」とした上で、「まだ危機的なレベルには達していない」と述べたことを取り上げた。

記事によると、この不足は、中国の消費者の習慣の変化に一定程度起因していると考えられる。シャトルの生産はアヒルかガチョウの羽根の供給に大きく依存している。高品質のシャトル一つには通常、アヒルかガチョウの羽根から慎重に選ばれた16枚の羽根が必要で、一つのシャトルには2羽のアヒルかガチョウの羽根が使用され、高級品になると最大4羽分の羽根が必要となる。世界最大のシャトル生産国である中国では、アヒルとガチョウの生産量が近年急激に減少し、2024年に商品肉の出荷量はアヒルが42億2000万羽、ガチョウが5億6900万羽で、19年のピーク時からそれぞれ約10%減少した。

記事が、シャトル供給業者の話として伝えたところによると、豚肉生産量の増加はアヒルとガチョウの肉の生産量が減少した要因の一つにすぎない。シャトル需要急増の主な要因は、中国におけるバドミントン人気の急上昇だ。同社は過去2年間で輸出を減らし、国内市場に注力してきた。この変化は、バドミントンの魅力が高まっていることを反映し、限られた資源をめぐる競争が激化している。アヒルとガチョウの羽毛の価格は22年後半から2倍以上に上昇した。しかし、今年の価格高騰は異常としか言いようがないほどだという。

記事は「解決策の一つは、天然素材のシャトルから合成素材のシャトルへの切り替えだ。これは、BWFが持続可能性推進の一環として推奨するアプローチでもある」とし、ルンド氏によると、BWFはメーカーと協力して競技用の合成素材シャトルの製造と導入に向けた試験とトライアルに力を入れていると伝えた。

(翻訳・編集/柳川)

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