全身性エリテマトーデス(SLE)はよく見られる慢性自己免疫疾患であり、発症メカニズムが複雑とされます。中国の科学者は、ヒトの単一遺伝子(PLD4)の欠陥がSLEを引き起こす可能性があることを実証し、SLEの正確な診療に重要な理論的根拠を提供しました。
今回発表された論文は、国家腎臓疾患臨床医学研究センターの劉志紅院士(アカデミー会員)、浙江大学良渚実験室の兪暁敏研究員、浙江大学生命科学研究院の周青教授が共同著者で、3人はいずれも浙江大学良渚実験室の研究員でもあります。
紹介によると、SLEは異質性の強い自己免疫疾患で、臨床症状であれ遺伝メカニズムであれ、大きな個人差が存在します。これはその発症メカニズムの確認にとって、大きな課題となっています。
研究チームは全エクソームのシーケンス解析を通じて、5例のSLE腎炎患者にPLD4遺伝子突然変異が存在することを発見しました。この遺伝子はヒトの樹状細胞、B細胞、単核細胞に存在し、PLD4遺伝子突然変異は劣性遺伝に属するものです。
研究チームはまた、この遺伝子突然変異は体内の長期的な炎症と自己免疫の発症メカニズムを引き起こすことを解明しました。マウス実験を通じて、いくつかの標的治療薬JAK抑制剤が欠陥マウスの体重低下、自己抗体の発生と組織炎症などの症状を顕著に緩和できることを実証しました。これはPLD4突然変異を持つSLE患者に潜在的で精確な治療戦略を提供するとともに、将来の遺伝子分類に基づく個別化治療を展開するために重要な根拠を提供したとのことです。(提供/CRI)