残酷な童話の叙事詩の上を、バンドの旋律が流麗に駆け抜ける。この矛盾しているようで調和のとれた響きこそが、PompadollSの物語が持つ特性だ。
大抵の童話はハッピーエンドで幕を閉じるが、PompadollSが語ろうとするものは、甘い幻想に留まらない。すでに結末を迎えた童話の中の物語は再び呼び覚まされ、新たな息吹を吹き込まれる。そうして完成した物語は、決して美しいだけではない。自分さえも目を背けたくなるような歪んだ内面、息が詰まるほど孤独な心が物語の材料となっているからだ。しかし、だからこそ多くの人々が彼らの物語に耳を傾け、深く頷くのかもしれない。

『ローリングストーン・コリア』は、ステージの外のPompadollSと対話を交わす時間を持ち、そこで語られた言葉をこのページに綴る。躍動するこのバンドが歩んできた道、守り抜きたいもの、そして向かおうとする先とは――。

※本記事は、「Rolling Stone Korea」からの転載記事となります。インタビュー全文は、後日発刊される「Rolling Stone Korea」17号でご確認いただけます。

INTERVIEW:青木廉太郎、五十嵐五十

ーPompadollSを始めてご覧になる読者の方々のために、お一人ずつ3つのキーワードを中心に自己紹介をお願いします。

AOKI RENTARO:青木廉太郎と言います。「かっこいいギター」を弾く、「PompadollSのリーダー」で、あと日本のファンからは「黒幕」なんて呼ばれています。
(ちょっと恥ずかしいですが)韓国のみんな、これからも何卒よろしく。

PompadollSが語る、韓国への想い、音楽に対する信念「ダサいことはしない」

青木廉太郎

IGARASHI GOJU:PompadollSのギターボーカル、五十嵐五十です! Gozyuは数字の50、日本語五十音を使って詩を書くのでGozyuです! 韓国では五十先生って呼ばれてるみたい(笑)。「作詞作曲」、ジャケット写真やグッズの「デザイン」をしている「PompadollSのコア」です!

PompadollSが語る、韓国への想い、音楽に対する信念「ダサいことはしない」

五十嵐五十

ー最近どう過ごしていますか? 韓国での3日はどんな感じでしたか?

IGARASHI GOJU:最近は2026年春のPompadollSワンマンツアー「SOUND OF ROCK」のためのグッズ制作に追われています! とても可愛いグッズがたくさんできてますよ! 今回のツアーは韓国公演もあります。韓国の皆さん、会えるのを楽しみにしてるね! また、日本へ旅行に来る際はPompadollSのライブにもぜひ、遊びに来てね。韓国での三日間は、仕事をこなしつつ、食べたいものをたくさん食べました! 特にドバイチョコ餅を絶対に食べたくて、今回無事食べることができました。おしゃれなカフェで売られていて、購入する時にとても緊張したけど、店員の方が優しくしてくれて、一人で買うことができて嬉しかったな。とても美味しかったです!

AOKI RENTARO:PompadollSは最近はずっと曲を作っています。韓国のみんなにも聴いてもらえたら嬉しいな。そろそろリリースできると思うので、気が向いたらPompadollSのSNSをたまにチェックしてみてください。韓国の3日間はとても楽しかった。初日は空港についてからすぐに路上ライブ、たくさんの人が集まってくれていてとても嬉しかったです。その後、個人的にタッカルビを食べにいきました。
日本で流行っているチーズタッカルビとは違って新鮮でこれがとても美味しかったです。二日目はRolling Stone Koreaの撮影。いつもとは違う衣装でテンション上がったし、PompadollSをさらにカッコよく撮ってくれて嬉しかったです。そのあと、ずっと食べてみたかった念願のカンジャンケジャンを食べました。忘れられないくらい美味しかったです。あの店には絶対また行きたいですね。3日目はオフだったから安国で観光したり明洞で買い物をしたりしました。3回目の韓国にしてようやく観光、買い物ができたのも嬉しかったです。これまでは韓国でも働き続けていたので……。

ー韓国のどんなところが好きですか?

IGARASHI GOJU:人情に溢れる人が多いところが大好き。韓国に来て人と交流すると、人と共に生きていくことに対して希望が持てます。あと、韓国のアートワークや文学などの芸術もとても好きです! 実は、韓国の方が書いた小説からインスピレーションを受けて作曲した曲があります。
「ヒューマンエラー」という曲です。ぜひ聴いてみてね。

AOKI RENTARO:韓国の人たちは、仕事で関わる人たちも、応援してくれるファンのみんなも、とても優しくて、かつ、熱量が高いから熱心にPompadollSについて勉強してくれている気がします。そんなところを俺も心から尊敬しているし、見習いたいと思っています。だから韓国に来るたびに、韓国のみんなのことが好きになっていきますね。あとは食べ物が辛いのもすごく好きで、日本に帰ってきてからもよく韓国料理を食べるようになりました。また韓国に行って美味しいご飯が食べられるのが楽しみだな。

PompadollSが語る、韓国への想い、音楽に対する信念「ダサいことはしない」


ー今年、韓国に4回尋ねる予定だと聞きましたが、2月と5月、そして残りの2回はいつですか?

AOKI RENTARO:とても残念なことに、まだ言えません。でも、きっと韓国のみんなに喜んでもらえるような報告ができると信じています!

IGARASHI GOJU:(青木の回答を受けて)残りの2回のスケジュールを皆さんに早く言いたいです! これからもたくさん会いに行くね。

ー韓国でのワンマンライブもたくさんのファンたちが楽しみにしています。どんな公演か直接紹介してもらえますか?

AOKI RENTARO:韓国ではPompadollSとして2回目のワンマンライブ。これまで活動をたくさん重ねてきて、1回目の頃よりも確実にレベルアップしています。
前回のワンマンライブでも、ライブハウスの中で熱狂してくれましたが、それを軽々と超えるようなライブにしたいと考えています。実はもう準備は始まっていて、みんなに僕らの演奏を聞かせられるのがとても楽しみです。

IGARASHI GOJU:名実ともにPompadollSがロックバンドになる、第一歩となる公演です。私の好きなロックバンドは皆、世界で通用するバンドたちでした。ロックバンドとは、言語だけでなく、音、人柄、ファッション、全ての要素をもって人々に衝動を与えるものです。世界に踏み出す第一歩を韓国の皆さんと共にできることがとても嬉しいよ!

ー4月には新譜も発売される予定だと聞きました。新曲「リトルワールド」はどんな曲ですか?

AOKI RENTARO:実はPompadollSが初めてアニメ(「愛してるゲームを終わらせたい)のエンディングを担当させてもらう曲なんです。いつものPompadollSと似たところもあり、新しいことに挑戦した部分もあり、そして、「恋愛」のことを歌った曲はPompadolllSの中でも珍しいから、日本でも韓国でも、どんなふうにみんなが聴いてくれるかとても楽しみですね。

IGARASHI GOJU:エンディング曲に採用していただいたアニメが高校生の物語なので、自分が学生の時に感じていた全能感、そしてほんの少しある得体の知れない不安を曲にしました。この曲を作る時は海辺で遊んでいる高校生たちを眺めて、当時自分の中にあった感覚を思い出しながら作ったんですよ。学生の時は、友人同士の間でしか通じない言葉とか、仕草とか、そういうのがたくさんあったよなあ、とか。それはつまり、自分たちがこれはこう、って決めて、それを信じていれば、それがその世界では揺るがぬ真実だったということ。
それらは外の世界では通用しない、儚いものだけど、だからこそ美しいものだった。そういう美しいものたちを曲にしました。

ー「リトルワールド」で特別に愛着のある歌詞はどこですか?

IGARASHI GOJU:<円になって囲めば そこが世界になる>という歌詞です! これは実際に海辺で遊ぶ高校生たちが、円になって、私の知らない単語を使って会話をしているところを見て書いた歌詞です。実際に自分が見た光景から歌詞になっているので、この曲で一番瑞々しい箇所なんじゃないかな。

AOKI RENTARO:<あの娘との関係にだって名前をつけていい>という歌詞。アニメのテーマが高校生の恋愛だから、10代の頃って、なにかと悩むし、誰との関係性をなんと呼ぶか、そしてそう呼んでしまったらそのように振る舞わなければいけないんじゃないか、みたいな、何をするにも縛りを感じる瞬間がある気がしています。でもその縛りを作り出しているのは意外と自分自身だったりする、みたいな自己矛盾もまとめて10代、とか、思春期、とかいう言葉で片付けて終わらせられるかもしれないけど、この2人の間だけでは、縛りから解放されているような気がする……みたいな曲になったと思います。それをよく表しているのが、最後に出てくるこの歌詞だと思うんですよね。

ーこれまでのPompadollSの楽曲を振り返ってみると、特別に愛着のある1曲は何ですか?

IGARASHI GOJU:私は「日の東、月の西」かなあ。初めて世に出した自分の曲だから。この曲はミュージックビデオと共にYouTubeにアップしたのですが、初めての体験すぎて、撮影に始まり、タイトルロゴからYouTube概要欄まで、作成の間は始終不安で、ドキドキしていました。右も左もわからない中で、メンバーと力を合わせて世に送り出した大切な曲です。


AOKI RENTARO:とても難しい質問だけど……あえて1曲に絞るなら、おれは「スポットライト・ジャンキー」かな。最初のギターのフレーズはいまでも考えついた瞬間のことを覚えているし、この曲以上にかっこいい始まり方はこの世に存在するのか?と本気で思ってます。あと、実はPompadollSは日本でバズるよりも前に、韓国で「スポットライト·ジャンキー」がたくさんみられていたことがあって、そういう意味でも、思い入れのある曲ですね。

ー音楽をやろうと始めて決めたのはいつだったか覚えていますか?

IGARASHI GOJU:高校1年生の時! モテたくて軽音楽部に入部しました。今と変わらずギターボーカルをやっていて、部長をやってましたよ。バンドマンはモテないとそこで知りました。

AOKI RENTARO:ギターを初めて持ったのは中学2年生の時だから14歳くらいかな。誕生日にアコースティックギターを買ってもらいました。その辺の楽器屋の、一番安いやつ。家がスポーツ一家で、だれも音楽系の人間がいなかったから全て独学で学んだし、今も理論よりフィーリングで弾いてることが多いかな。

ー今後も守り続けたい音楽に対する信念やこだわりは何ですか?

IGARASHI GOJU:ダサいことはしない。この世界で一番自由になるために音楽をやる。

AOKI RENTARO:とにかく「ロック」という音楽がかっこいい、ということを伝え続けたいと思っています。俺にとっての当時のBUMP OF CHICKENフジファブリックのような、聴いた人に衝撃を与えるような音楽こそ、「ロック」だと思っているから、いつも誰かにとって衝撃を与える、ロックなバンドであり続けたいですね。

ー仲が良いからこそ、伝えたかったけど伝えられなかったこともありそうです。

AOKI RENTARO:バンドメンバーに? そうだな……今のバンドメンバー2人をとても頼りにしていて、まあ得意なこともそれぞれ違うんだけども。彼らがいたからこそ、PompadollSはありえないスピード感を持ってバンド活動ができていると思う。あいつら2人に置いていかれないように、俺もこれからも頑張り続けないといけないなと思っています。

IGARASHI GOJU:うーん、なぜかあんまり信じてもらえないけど、2人のことを尊敬してるよ。2人とも、バンドの仕事としての役割だけでなく、人柄としても私にないものを持ってると思う。お互い、できることを全力でやって、できないことは頼っていこう。そのためのバンドだしね。ずっと一緒にバンドできたらいいなあ、って思ってます。

PompadollSが語る、韓国への想い、音楽に対する信念「ダサいことはしない」


<リリース情報>

PompadollSが語る、韓国への想い、音楽に対する信念「ダサいことはしない」


PompadollS
Digital Single「リトルワールド」
2026年4月14日リリース
https://Pompadoll.lnk.to/littleworld

PompadollS
New Single「リトルワールド」CD
2026年6月24日リリース
ご予約はこちら:https://Pompadoll.lnk.to/little_world

<ライブ情報>

PompadollS One Man Tour「SOUND OF ROCK」
2026年3月29日(日)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2026年4月4日(土)宮城・仙台space Zero
2026年4月11日(土)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2026年4月19日(日)北海道・札幌Bessie Hall
2026年5月15日(金)韓国・Seoul Wanderloch Hall
2026年6月6日(土)東京・Zepp Shinjuku
チケット:https://eplus.jp/pompadolls/
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