25日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比284.11ポイント(1.11%)安の25383.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が116.79ポイント(1.26%)安の9140.83ポイントと6日ぶりに反落した。売買代金は1510億790万香港ドルに縮小している(24日前場は1643億8460万香港ドル)。

 利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ上昇基調を強め、足もとでは約3年8カ月ぶりの高値水準を切り上げていた。様子見ムードも漂う。来週は閣僚級の米中貿易協議が開催されるほか、中国では月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定だ。また、中国では27日に6月の工業企業利益、31日に7月の製造業PMIと非製造業PMIなどが公表される。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策に対する期待感や、米中の貿易協議が進展するとの見方が相場を下支えしている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が4.3%安、自動車世界大手の比亜迪(BYD:1211/HK)と民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)がそろって2.7%安と下げが目立っている。
 セクター別では、自動車の一角が安い。BYDのほか、東風汽車集団(489/HK)が4.0%、小米集団(1810/HK)が2.3%、理想汽車(2015/HK)が2.0%ずつ下落した。
 中国の銀行セクターもさえない。交通銀行(3328/HK)と中信銀行(998/HK)がそろって1.4%安、中国農業銀行(1288/HK)と中国銀行(13988/HK)がそろって1.3%安で引けた。

 半面、医薬セクターはしっかり。薬明生物技術(2269/HK)が4.7%、緑葉製薬集団(2186/HK)が4.1%、中国神威薬業集団(2877/HK)が2.2%、上海復星医薬集団(2196/HK)が1.8%ずつ上昇した。薬明生物は2023年12月以来の高値水準を回復している。中間業績の56%増益見通しを明らかにしたことが引き続き材料視された。
 本土マーケットは7日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%安の3593.38ポイントで前場取引を終了した。消費関連が安い。インフラ建設、資源・素材、金融、公益なども売られた。半面、不動産は高い。自動車も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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