パイワン族は台湾南部に住むインドネシア系民族。
台湾の先住民族は、戦前の日本が1935年に「高砂族」を公式名称とした。中国本土や台湾当局は「高山族」、「山地同胞」などと呼ぶ。実際には、十数の民族からなる。中国政府は台湾先住民族を「中国の55の少数民族のひとつ」と認定し、「高山族」を正式名称としている。中国新聞社は同記事でパイワン族を「台湾原住民」と紹介。「高山族」の名称を使わない報道は、中国大陸でやや珍しい。
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◆解説◆
台湾先住民は、世界的にみても極めて貴重な伝統音楽を残していた。特に、ポリフォニック(多声部)な構成の合唱は、さまざまなパートの旋律を同時進行させる点で、「西洋音楽に匹敵する複雑さ」などと評価されている。他にも、口琴(ジューズ・ハープ)や管楽器の音楽も発達した。
部族内での団結を高めるため、音楽が特異に発達したと考えられている。
世界的にみれば、鼻の息で演奏する管楽器を持つ民族は、それほど珍しくない。多くの場合、「霊」や「心」と強く結びつくとみなされる音楽の演奏で用いられている。(編集担当:如月隼人)
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