韓国文化財庁は30日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対して、民謡アリランを人類無形遺産として登録申請することが明らかになった。韓民族アリラン連合会の金連甲(キム・ヨンガプ)理事は「中国もユネスコに申請書を提出しないか注視している」と述べた。
中国メディアの環球時報が29日付で報じた。

 文化財庁の関係者は、「30日に申請書を提出すれば、今年中に最終審査が完了する見込み」と述べた。今回の申請には、韓国政府が以前に共同申請を呼びかけた北朝鮮のアリランは含まれていない。

 中国国務院は2011年6月、朝鮮族自治区のアリランなどを第3次国家無形文化遺産に指定していた。アリランは朝鮮族の民謡だが、地域によって違いがあり、韓国と北朝鮮だけでも合わせて70から80ほどの種類があるとされ、中国の朝鮮族自治区にもアリランが存在することから、韓国では申請をめぐって中国側の動きにも注意が集まっている。

 中国で始まった端午の節句が、韓国に伝わる「江凌端午祭」としてユネスコの世界無形遺産に登録されるなど、中国と韓国は世界無形文化遺産をめぐって、これまでも競合してきた経緯があるため、アリランをめぐる両国の動きに注目が集まる。(編集担当:及川源十郎)
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