記事は、通常漢字とひらがな、カタカナのミックスで表記される日本語からひらがなとカタカナを取っ払い、漢字だけを残したまるで中国語のような「偽中国語」を、日本のネットユーザーが発明したと紹介。すでに2009年ごろから「偽中国語」は出現しており、日本のネット上には「偽中国語」のテキストや、「偽中国語研究会」まで存在すると説明したうえで、「大変感謝」、「全然問題無」、「意味理解不可能」などの例を示した。
また、「偽中国語」は全く中国語が分からない日本のネットユーザーの間で流行しているほか、「中国ネットユーザーも大体の意味の見当がつくことから、中国でも話題になっている」とし、中央社が「図らずも日中民間交流の新たな局面を切り開いた」とまで評したことを伝えている。
中国語を習得した者に言わせると、「中国のネットユーザーも大体の意味を理解できる」との紹介には大いに疑問が残る。もちろんなかにはちゃんと通じたり、言わんとしていることを理解できるものもたくさんある。しかし、それ以上に全く伝わらない、誤って伝わる可能性のほうが高い。真面目に分析すれば、文法構造の根本的な違いと、使われる単語の違いという壁が立ちはだかるのだ。もし「偽中国語」で日中間の意思疎通が十分に可能であるなら、とっくに学問として研究が進んでいることだろう。
そもそも、「偽中国語」は中国人とコミュニケーションを取るためではなく、漢字だらけにすることで中国語っぽさを楽しむ「ネタ」的要素のほうが強いように思える。中国語っぽさを楽しむ一方で、時々正しく中国人に伝わる「ミラクル」を楽しむのである。
「偽中国語」と言えば、タレント・タモリ氏の出世作と言える「インチキ中国語芸」を思い浮かべる人も多いはず。全くでたらめなタモリ氏の「偽中国語」比べれば、話題となっている「偽中国語」は通じる可能性があるが、やはり基本は同じ「ネタ」として捉えるべきものなのだ。
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