中国には各地にゴーストタウンと化したマンション群が林立している。誰も住んでいない高層ビルが立ち並ぶ光景は、まさに不動産バブルを象徴する光景だ。
そして、中国でもっとも有名なゴーストタウンと言えば、内モンゴル自治区オルドス市にあるゴーストタウンだろう。

 オルドス市近辺はもともと石炭が豊富に産出する土地だったが、中国政府が石炭の産出に力を入れたことでオルドス市は石炭バブルが発生し、不動産の乱開発が進んだ。だが、2013年に石炭バブルが崩壊すると、不動産開発はストップし、建設済みのマンション群も住む人もいないまま放置されることになった。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、オルドス市のゴーストタウンの現状を写真で紹介する記事を掲載。ゴーストタウンには1人も住んでいないというわけではなく、何人かの住民はいるようだが、そのあまりにも寂しすぎる光景は「ゴーストタウン」という名がぴったりであることを伝えている。

 記事は、オルドスのゴーストタウンはごく短期間の石炭バブルによって誕生したものであるため、「まるで一夜にして誕生し、そのまま空っぽになった都市のようだ」と指摘。北京や上海などの人口密度の高い大都市では道路の脇道に入っても人がたくさんいるのだが、こうした都市の住民からすれば「オルドスのゴーストタウンは羨ましいほどの静けさ」と皮肉った。

 続けて、オルドス市はまだ誕生してから15年も経過していない若い都市であると伝える一方、早くもゴーストタウンとなってしまったことを指摘しつつ、「都市の郊外には建設途中で放棄された建物と土地が広がっている」と紹介した。

 記事が掲載している写真を見てみると、すでに完成しているマンション群の周りには昼間だと言うのに人の姿はなく、片道3車線の道路にも自動車の姿は見られない。建設が放棄された、もしくは完成していても人がほとんど住んでいないとみられる高層マンションの数は100棟は優に超えそうな規模だ。中国ではかつてゴーストタウンを観光資源と捉えて観光産業に活用すべきとの声もあったが、オルドス市のゴーストタウンはあまりにも寂しすぎて観光で訪れたいという人はあまりいないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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