これまで中国は「世界の工場」と呼ばれ、外国メーカーから服飾品や電子製品などの下請け製造を盛んに行ってきた。中国で作られたものが世界を席巻してきたわけだが、自動車産業においては「世界の工場」にはなれなかった。
中国メディア・今日頭条は7日、その理由について考察する記事を掲載した。

 記事は、中国が「世界の自動車工場」になれなかった大きな理由として、中国政府が現在まで続けている自動車産業政策を挙げた。それは、外国の自動車会社が中国国内で生産する場合は必ず中国国内企業との合弁企業を立ち上げなければならず、その外資比率は50%以下とすべし、というものだ。

 この政策によって日本をはじめとする外国メーカーは中国現地メーカーとの合弁会社設立を余儀なくされたが、記事は「合弁企業による利潤の半分もしくは半分以上は、核となる技術を持たず、政府の意志が働く中国側のパートナーに渡ることになる。それゆえ、合弁企業は設立の1日目からすでに輸出をしようという原動力が欠如しているのだ」とした。

 また、「主要な経済国で外資比率を制限する自動車産業政策をとっているのは中国だけ。日韓や欧米など主要生産国は制限を設けていない。例えば、トヨタはカムリを香港に輸出する場合、広汽トヨタから出すより日本にある自社工場から輸出した方がはるかに合理的なのだ。なぜなら、その利潤が100%自分たちのものになるからだ」と論じた。

 その一方で、中国で自動車を大量に輸出し得るブランドとして、100%中国資本の中国メーカーと、ボルボのように100%中国資本の傘下入った外国メーカーを挙げた。今後もこの2形態のメーカーが輸出の主力となり、合弁企業による輸出は「増えても年間5万台を超えるのは難しいだろう」と予測している。

 記事を呼んだ中国のネットユーザーからは「原因は多いが、合弁企業による浪費が自国の自動車産業の発展を妨げている」、「政府による保護がなければ中国の自動車メーカーはとっくに潰れている」といったコメントが寄せられた。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)santorini/123RF) 


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