中国社会科学院と経済日報が先月22日に発表した、『中国都市競争力報告 No.15』の結果を受けて、高得点を得た自治体が各地で喜びの声をあげている。
 
 この調査では、「経済総合」「住みやすさ」「持続力」の3点においてランク付けがされており、「住みやすさ」のランキング上位10都市は下記のとおり。

 
1位  香港
2位  無錫
3位  広州
4位  マカオ
5位  アモイ
6位  杭州
7位  深セン
8位  南通
9位  南京
10位 上海
 
 高速鉄道で最短30分程度の距離にある大都市上海だけでなく、同じ江蘇省の省都である南京市や、江蘇省内最大の経済成長率を誇る南通市をも押さえて、香港に続く2位にランクしたのは無錫市。大陸の都市としては実質1位であり、前回の8位からの大幅な飛躍でもあることから、無錫市民はこの結果を受けて歓喜に沸いている。
 
 総評としては、教育、医療、経済環境等のよさが突出しているとして、今回の順位につながったとのこと。無錫に住む人々を中心に、無錫のよさを語るコメントが多数つぶやかれている。
 
 「隣の浙江省に住んでいるけれど、無錫は江蘇省では一番だね。蘇州はよそ者が多すぎるし、南京は方言がキツい。無錫は清潔で交通の便もいいし、何より不動産価格があまり高くないのがいいよ。」
 
 「成都の出身だけれど、無錫はいいね。1年住んだ感想としては、人口密度が低くて、家賃も安くて、文化的な空気もあって、交通も便利、民度も高い。ただ食べ物が合わなかったなあ。」
 
 「無錫にもおいしいものがたくさんあるよ。今は果物の季節。モモ、スモモ、ヤマモモ、ブドウ・・・。小籠包や焼き小籠包、無錫排骨、酸辣湯もおいしいし・・・。」
 
 ところで日本のみなさま、無錫のこと、ご存知でしょうか。
「むしゃく」と読みまして、この地名は前漢のころからずっと続いているという、非常に長い歴史を持つ、伝統ある都市です。
 
 日系企業の進出が多いことでも知られていて、メガバンクの中では、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行が支店を構えています。
 
 若い方はご存じないかと思いますが、日本では1986年にミリオンヒットとなった『無錫旅情』という曲で一気に知名度が上がったそうなので、中高年の方でしたら、まずこの曲を思い出す方も多いのではないでしょうか。
 
 市内にある「太湖」という湖のほとりの公園には、日本人の有志団体による桜の植樹が長年続けられていて、春になるとまるで日本のお花見のような景色が楽しめます。人々が桜の木の下で食べているのは「羊肉の串焼き」というのがちょっと違いますが、それもまた風情です。
 
 ちょうど今頃は、「水蜜桃」という無錫名産の桃の季節。「水―――蜜―――桃―――――――!」と大声で売り歩くおじさんの声が、無錫駅の周辺に響いていることでしょう。
 
 筆者も無錫に住んだことはない日本人ですが、確かに無錫はいい街だったなあと懐かしくなりましたので、中国のネットユーザーの熱気に便乗して書かせていただきました。無錫、おめでとうございます!(イメーシ?写真提供:(C)hancess/123RF)


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