広大な国土を持つ中国では地域間の経済格差が非常に大きい。上海や北京、広州、深センなどの大都市は先進国の都市で遜色ないほどの発展を遂げたが、内陸部にはいまだに基本的な生活インフラの整備すら遅れている農村も存在する。


 中国では農村に家族を残し、都市部へ出稼ぎ労働者として働きに出る人が大勢存在する。こうした人びとは「農民工」と呼ばれていて、都市部で重労働に従事しているのだが、その生活は決して楽ではないようで、一目見るだけで貧しさと苦しさが伝わってくる格好をしている人も多い。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本では中国の農民工のような人びとを見かけないのはなぜか」とする記事を掲載し、その理由について考察している。

 地方から都市部への出稼ぎという意味であれば、日本でも高度経済成長期にはよくあった話だ。しかし、日本と中国の出稼ぎをめぐる根本的な違いは「戸籍制度」にあると言えるだろう。記事は、日本では戸籍や住民票は自由に移動させることができることを紹介し、引っ越した先で定住することも自由だと紹介、それゆえ出稼ぎ労働者であっても引っ越した先で学校に通うことができると強調。


 中国では戸籍を自由に移動させることができず、教育や医療などは戸籍がある場所で受けるのが原則である中国では、その土地に戸籍がないと公共サービスを受けることができない。農村部から都市部への戸籍移動は制限されているため、農村出身の人はずっと農村戸籍のままで、都市部で子どもを学校に通わせたり家を購入したりすることすら制限されてしまうのが現状だ。

 中国の農民工は子どもや年老いた親を農村に残して都市部に出稼ぎに出て、故郷には年に1回しか帰らないという人が非常に大勢いる。日本のように戸籍の移動が自由というのは、実は得難いことなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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