子どもの成長段階によって教育内容は異なるが、子どもの人格を形成する幼児期の教育は特に重視されている。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本と中国の幼児教育における違いについて考察する記事を掲載した。


 記事は、中国の親たちの目には、日本の幼児教育は「中国とは全く異なるもの」として映ると紹介。中国では「何でもしてあげるのが愛情」だと考える親が多いことを紹介する一方、日本では「やってあげるのではなく、やり方を教える」と紹介。たとえば、日本では幼稚園児であっても「自分のカバンを持たせて、自分の物は自分で管理させる」と指摘し、入園に当たって通園バックの他に、お弁当袋、着替え袋など様々なカバンを家庭で準備させるが、これは「子どもが自分の持ち物を自分で整理し、管理させる」という目的をもった教育であると説明した。

 また、幼稚園では自分で衣服を着替えたり、食事をしたり、身体を動かして遊ぶことも重要な教育の一環と考えられており、「親も幼稚園の教育方針を理解し、家庭でも子どもが自立した行動をとれるように見守っている」と紹介。中国では「怪我をしたら大変だから」という理由で、身体を動かして遊ぶことをひかえさせる親や幼稚園が多いなか、日中の幼児教育は大きく違っていることを強調した。

 あくまでも学業面の成績ばかりが重視される中国では厳しい学歴競争は幼稚園からすでに始まっている。親たちも子どもの将来を考え、英語教育など英才教育に力を注ぐ幼稚園に通わせると同時に、絵画や音楽などいくつもの習い事をさせる家庭は珍しくない。一方、家庭では働く親に代わって祖父母が子どもの世話を行なうのが中国の習慣だが、祖父母が子どものわがままを許し、何でもやってあげてしまうため、自分の身の回りのことが何もできない子どもが増えていると言われる。

 日本では「子どもに対して何でもしてあげることは、必ずしも愛ではない」と考える人は多く、「何でもしてあげるのが愛情」だと考える傾向のある中国人とは異なっている。日本では「自立した生活を送る能力を身に着けさせよう」とすること、さらには「他人への感謝」や「周囲との協調性」など、個人の能力や学業とは無関係のこともしっかりと教えているが、こうした教育が中国の幼児教育とは大きく違っているのは間違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
中国で有名になった「日本人の恐ろしさ」、中国人はなぜ「日本は恐ろしい」と口にするのか=中国報道
日本人は昔から勤勉だった「そりゃあ明治維新という革命だって成功するさ」=中国
ただの「狭い空間」と思うな! カプセルホテルは「利用しない選択肢はない」=中国
「これが日本社会なのか」と感銘、誰もがルールを守り、偽物も売らない=中国報道
日本は強国だった! 国土は小さいと思ってたが「海に目を向けてみたら・・・」=中国
編集部おすすめ