迷惑動画の根っこにある“ウケたい”という勘違い
また飲食店での迷惑動画事件が起きた。今回は回転寿司チェーン「はま寿司」で、レーン上を流れる寿司に洗剤のようなものをかける様子を撮影し、SNSに投稿したとして逮捕者が出たのだ。洗剤が実際に口に入れば健康被害につながる可能性もあり、場合によっては人の命にも関わりかねない。極めて悪質な行為である。こうした飲食店での炎上動画はこれまで何度も繰り返されてきたが、なぜ一向になくならないのか。僕は、この問題の本質は「迷惑行為」そのものではないと思っている。本当に恐ろしいのは、こうした行為をしている本人たちが「面白い」と思っていることだ。店に恨みがあるわけでも、会社に復讐したいわけでもない。社会に対する強い怒りとも違う。ただ、自分たちでは面白いことをしているつもりなのだ。
昔なら教室の友達数人を笑わせれば十分だった。仲間内でウケればそれで終わりだった。しかし今は違う。100人に見られるだけでは足りない。1000人に見られたい。1万人、10万人に見られたい。もっと注目されたい。もっと拡散されたい。SNSはその欲望を無限に膨らませる装置になっている。
再生数が増え、注目されてていくことで「自分たちは面白いんだ」と勘違いしてしまう。本人たちは目立ちたいだけかもしれないが、その代償はあまりにも大きい。
一瞬の注目で人生を失う代償をもっと可視化すべき
こうした炎上動画は、一店舗を傷つけるだけでは終わらない。だからこそ、こうした行為の代償をもっと社会に伝える必要がある。損害賠償が発生したなら、その事実を広く知らせる。どのような責任を負ったのかを伝える。場合によっては厳しい刑事罰についても議論していくべきだと思う。
「こういうことをやっても面白くない」というメッセージを明確にしなければならない。
人生を懸けてスベってるんだ!という事実。一瞬の注目のために、自分の将来を失う。
「おまえ、スベってるぞ」
【鈴木おさむ】
すずきおさむ●スタートアップファクトリー代表 1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家となり、その後32年間、さまざまなコンテンツを生み出す。現在はスタートアップ企業の若者たちの応援を始める。コンサル、講演なども行っている
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