◆イースタン・リーグ 巨人6―1オイシックス(16日・Gタウン)

 右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷で離脱していた巨人の丸佳浩外野手(36)が16日のイースタン・リーグ、オイシックス戦(Gタウン)で実戦復帰した。「1番・DH」で先発出場。

3打数無安打だったが、復活に向けてまた一歩、前進した。次戦以降は守備にも就く予定。頼れるベテランが1軍復帰を目指して、走攻守で仕上げていく。

 温かい拍手を浴びながら、丸が打席に立った。走塁時に右足を負傷した3月22日のロッテとのオープン戦(東京D)以来の実戦。初回先頭、初球だった。左腕・高田の内角138キロにスイングを仕掛けた。二ゴロに倒れたが、完全復活に向けて力強く踏み出した。「スケジュール通りに競技復帰できたので、その意味ではしっかりやることができたかな」とうなずいた。

 打者としての感覚を取り戻すことから着手した。2回2死一、二塁で迎えた2打席目は三邪飛に倒れ、5回2死の第3打席は遊ゴロ。8回に代打を送られ、復帰初戦は3打数無安打だった。

「ちょっと(反応が)遅い。練習と一緒の感覚でぼんやりしているので、試合の中で切り替えていけたら」。実戦で感じた“ギャップ”を今後埋めていく。

 次のステップは守備に就くこと。試合前のシートノックには参加しており、次戦以降は左翼での出場が想定されている。「次回以降は守備に就くことになると思う。結局、守備に就かないと試合には出られない」と背番号8。阿部監督は「試合を積んで体の張りとかだったりがどうなのかを見て、ちゃんと段階を踏んでくれれば」と願った。

 見据えるのは、1軍で勝利に貢献すること。だからこそ、中途半端な状態で帰還するわけにはいかない。「駆け足で復帰して、『ここが痛い』『ちょっと無理です』とかだけはなりたくない。上がったところで全く打てなかったら意味がない」。

今月中の1軍復帰へ向けて、着実に階段を上る。

 不動の4番だった岡本が左肘靱帯(じんたい)損傷で離脱し、坂本がファームで調整中。チームは3カード連続負け越しとなっている。丸は原前監督の言葉を思い返しながら言った。「シーズンをやっていれば苦しい時もある。こらえ時、頑張り時だと思う。原さんも『シーズン中に一番苦しんだチームが最後優勝するんだ』とよくおっしゃっていた。チームが一つの方向を向いてやるしかない。何とか僕もその一員に加われるように」。百戦錬磨の男は己と向き合いながら復帰ロードを歩む。(宮内 孝太)

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