◇春季全道高校野球地区予選 ▽室蘭地区Aブロック2回戦 駒大苫小牧2-8道大谷室蘭(16日・とましん)

 室蘭地区では、道大谷室蘭が8―2で駒大苫小牧を下し、7年ぶりの全道大会出場に王手をかけた。7回に2番・富山学太郎(かくたろう)捕手(3年)が決勝の適時二塁打を放つなど14安打と打線が爆発し、昨秋全道4強校から15年ぶりの勝利を挙げた。

苫小牧中央は投手陣が静内打線を無安打に抑え、4―2で勝利した。

  校歌を歌い終えた道大谷室蘭ナインは、三塁側スタンドに向かって勢いよく駆け出し、喜びを爆発させた。室蘭大谷時代の2010年秋以来、15年ぶりの駒大苫小牧撃破。8連敗中だった難敵を退け、昨秋から指揮を執るOBの越後屋亨監督(47)は「そんなに長かったんですね。選手は駒沢を意識することなく、気負うことなくやってくれた」とたたえた。

 終盤まで1点を争う攻防が続いた。終止符を打ったのは“伏兵”の一打だった。同点の7回1死一、二塁。昨秋まで下位打線だった富山は内角直球を力強く振り抜いた。打球は左中間を深々と割り「長打は期待してなかった」という指揮官も驚く2点二塁打。富山は「去年は自分がチャンスで打てなくて負けたので、勝ち越せて良かった」と塁上で拳を握った。

 昨秋は地区予選敗退。

2戦計27安打を放つも長打は1本のみで「長打を打てるように土台をつくってきた」と越後屋監督。オフは部位を変えて筋トレを毎日取り入れたほか、1日の食事を5回に増やして肉体改造。昨秋から体重5キロ増の富山の二塁打など、この日は4本の長打を放って得点を重ねた。

 富山を含めた先発9人中、5人が室蘭シニア時代のチームメートだ。旧知の仲ではあるが、背番号2は「選手の距離が近くてなれ合いになっていた分、今は距離を離して互いに厳しくやるようにしている。次はどんな形でも勝ってリベンジしたい」と力を込めた。ベンチ入りは、ともにレギュラーである越後屋監督と坂本亘部長(55)の息子に、2組の双子も含む20人。仲良し集団から戦う集団に成長したメンバーで、昨秋タイブレークの末に敗れた苫小牧中央との代表決定戦に挑む。(島山 知房)

 〇…苫小牧中央はAブロック2回戦で静内に4-2。“ノーヒットツーラン”リレーで代表決定戦進出を決めた。先発のエース左腕・渡辺大仁(3年)は6回無安打で11三振を奪うも、6四死球に失策も絡んで2失点。7回からは右腕・村上広大(3年)が打者9人を完璧に抑えてリードを守り切った。

昨秋の再戦となる次戦に向け、渡辺は「いい雰囲気をつくって、自分の投球をできるようにやっていきたい」と意気込んだ。

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