◆JERA セ・リーグ 巨人4ー2中日(16日・東京ドーム)

 赤星は打球が勢いよく右翼席へ飛び込むと、膝に手をつき、首をひねった。1―0の6回。

1死から迎えた上林に3―1からの5球目カットボールを捉えられて同点ソロとされた。それでもボスラーを空振り三振に仕留めるなど、後続は抑えた。ベンチでは先制ソロを放った増田陸に「ごめん」と声をかけ、汗を拭った。

 6回93球、勝ち星こそつかなかったが5安打1失点で3試合連続クオリティースタート(QS=6回以上自責3以内)。先取点を与えない力投は無駄にはならなかった。「なかなか投げる試合で勝ってなかったので、尚輝さんが打ってくれて、試合に勝ててよかったです」と前を向いた。

 5回以外は毎回走者を出したが「直球で押していけないときつくなるので、そこはよかった」と最速151キロの直球を軸に多彩な変化球を制球よく投げ込んで試合を作った。ソロだけの1失点で耐えに耐え「(本塁打は)カウントをつくれなかったところ。安打にされたものも変化球が多かったので精度を上げていきたい」と視線を早くも次戦に向けた。

 心も体も強い男だ。マウンド上ではめったに感情を出さない冷静な右腕だが、球団のトレーナーは「赤星は投手陣の中でも治療に一番来ない。体が強いんだよね」とフィジカル面の強さを証言。

「親に感謝してます」と生まれ持った強い体に産んでくれた親に感謝しつつも、ストレッチなどを継続的に取り組むなど、しっかりとしたケアがつながっている。開幕からローテを守り続ける右腕は「ここからまた自分自身にも勝ちがつくようにピッチングしていければと思います」。次こそ白星をつかみ取りたい。(水上 智恵)

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