◆パ・リーグ ロッテ0ー8日本ハム(16日・ZOZOマリン)

 軽やかに腕を振り、日本ハム・山崎福也投手(32)はテンポよくボールを投げ込んだ。8回に迎えた1死二、三塁では藤岡を3球三振。

藤原も二ゴロに仕留め、完封への流れをつくった。9回122球を投げ7安打無失点。2017年7月10日の日本ハム戦(京セラD)以来2867日ぶり、自身2度目の完封を無四死球で飾り「いけるときはいっときたい気持ちはあるので、(最後まで)いけてよかった」と笑顔で語った。

 ベテランらしく気持ちと体をコントロールした。最後まで続投を志願する熱い気持ちを見せながら、意識したのは脱力。「体全体と特に腕というか指先の力を抜いて投げることを意識していた。それがはまったのかな」と振り返った。新庄監督も「完璧でしたね。腕の振りがよかった。真っすぐより変化球の腕の振りの方が速いようなイメージ。とんでもないワンバンを振ってしまう」と絶賛した。

 張り詰めた気持ちを楽にしてくれたのは、その指揮官の一言だった。

7回、水野に3ランが出て7点リードとすると新庄監督は山崎に話しかけた。「打つ?」。キャンプ中から打撃練習を重ね、オープン戦ではDHでの出場もあった。交流戦も近く、DHを解除して1打席という提案はただの冗談ではなかった。山崎は「さすがにまずいと思ったので、『大丈夫です』って言いました。でも楽にはなりますよね。試合展開もそういう感じなんだと改めて実感しますし、勝ちに向かってるなって」と明かした。

 首位を走るチームも連勝で2位・西武との2差をキープ。貯金も今季最多の8とした。直近2試合、好投しながら5回で降板。その悔しさを聞かれた山崎は「まあ、そうっすね。あんまり言ってもあれなんで。

まだシーズンは長い。こういうピッチングとは言わず、ゲームメイクできるようにと今は思ってます」。チームで7度目の完投は両リーグ最多。層が厚い先発陣の中で、まだまだ存在感を示していく。(山口 泰史)

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